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【完結】召喚術師の隠し事〜最強の魔法使いはその能力を隠し通す!  作者: あんそに
第一章

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学園初登校 6

「水魔法…水弓!」

サビアスは水魔法も綺麗に扱う事が出来るなー。

ボクはサビアスが水魔法の試験を受けるところを見ていた。

「マイトくんのお友達、水魔法の適性がありそうね。」

突然、イリエが横から顔を出してきた。

「うん、綺麗な魔力の流れだ。本人は土魔法の適性が高いと言っていたけど、水魔法もなかなかだと思う。」ボクは答えた。


「あの子は、何か特別な気配があるわね。」

魔族であるアルマが人族を褒めるなんて気味が悪いな。

ボクの心を読んだアルマが尻尾でボクの顔を叩く。


「サビアスくん、お疲れ様。とても良かったよ!」

「ありがとう、マイトくんに褒められるとボクは凄い魔法師になった気分になれるよ!」

よく分からない返しをされたが、一緒に通路を抜け、火魔法の演習場と入った。

何故か水魔法の練習をしていたイリエも付いてくる…自由な子だな。


火魔法の演習場は焦げた臭いが漂っており、周りは黒ずんだ石壁で囲まれている。

在校生の試験は終わり、今は練習時間となっているようだった。


ヤエノがボクとイリエに気づき、走り寄ってくる。

「新入生一番乗りは、やはりマイトか!隣の子はお友達かい?」

「うん、さっき知り合ったところだけどね。」


「サビアスです。よろしくお願いします。」

随分と小さな声で挨拶をするのだな。と、不思議そうに見ていると。

「なんだ、サビアスか!大きくなったな!」

バンっとヤエノがサビアスの背中を叩いた。


「あれ?知り合いだったの?」

ボクが聞くと。


「父親同士が軍で仲良くてな!小さい頃、たまに一緒に遊んだんだ。サビアス、また一緒に遊べるな!」

笑いながら答えるヤエノに対しサビアスの顔は引きつっていた…。


何となく察したボクは、

「そろそろ試験を受けに行こう。」

サビアスの手を取り引っ張って歩き出した。

ヤエノは手を振って応援の声をかけてくる。


「ファスマス先生、よろしくお願いします!」

二人で駆け寄ったボク達を見て、登校初日でもう仲良くなったのか。と先生は嬉しそうな目をしてきた。


「では、試験を開始しよう。この水が入った壺に火を付けるんだ。」

ファスマス先生は、直径2メートル程ある釜を指差した。


これまた加減が難しい試験だな。

アルマ、どの程度の魔法を繰り出せば良いかな?

心の中で、ささやいて問い合わせた。

「火を付ければ良いだけだから…さくっと火球で良いんじゃない?」

アルマは耳元で囁いて答える。


サビアスの方を見ると、「うーん、ボクには難しいかなー。」と首をかしげている。

火魔法も苦手なのかな?


ファスマス先生に促され、ボクは壺の横にある台の上に立ち、壺を上から見て構えた。


「火魔法…火球!」

ボクの手の平から火に包まれた球が放たれ釜の中へと入る。

あれ?火が付かないな。

「火魔法…火球!」

さっきより出力を上げて発動させる。

…まだ付かない。

「火魔法…火球!」

さらに出力を上げて火の球を壺へ放つ!


ぼぉっ!!


壺の中は大きな火で包まれた。


「ファスマス先生、出来ました!」

先生を見ると、口をあんぐりと空けている。


アルマと目を合わす。

どうやらアルマも何故、先生が驚いているのか分からないようだ。


周りの生徒たちはザワザワと騒ぎ始めた。

ヤエノも目を見開いて、こちらを見ている。


「マイト…普通はな、火が付かないのだよ。王国軍の魔法師なら付けられるのだが…。」


ファスマスのセリフに、おいおい…そんな誰も出来ないような試験内容を課題に出すなよ。


困った顔をしているボクに対し、サビアスは「やっぱりキミは凄いね!」と笑ってくる。

そうか…出来ないのが普通だからサビアスは難しいとクビをかしげていたのか。


「おい、どうするんだよ。」

肩に向かい小声で話すと、

「もう、なるようにしかならないわね。」

アルマは、ため息をついた。


そこに水魔法の演習場から付いてきたイリエが

「えー、てっきりマイトくんの適性は水魔法だと思ったのに火魔法の方が適性値、高いのかなー」

と叫んだ。


「ん?マイトは水魔法でも素晴らしい能力を発揮したのかい?」

ファスマス先生が問いかけるとイリエは水魔法で行われた試験の様子を伝えた。

ふむふむと先生は、うなずいている。


「風魔法の試験では中級魔法を使い、土魔法の試験では岩山を初級魔法で粉砕してましたよ!」

サビアスは笑いながらファスマス先生に伝えた。


おいおい、なんて事を伝えるのだ…。


ファスマス先生は困惑の表情を浮かべ、

「明日の会議は長引きそうだ…。」

そう呟くと、今度はなんだか微笑んだような顔に見えた。

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