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【完結】召喚術師の隠し事〜最強の魔法使いはその能力を隠し通す!  作者: あんそに
第三章

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シイラル

「テルミュア~、こっちこっち。次はアレを食べようよ。」

イリエがテルミュアの手を引き、王都で食べ歩きをしている。

オレとアルマはその光景をのんびりと見ていた。


テルミュアは同年代の友達が居ないとの事で、イリエに振り回されてオドオドとしているが様子だが、楽しそうにも見えた。


「なぁアルマ…どうやって前世の記憶を取り戻させようか。」

「うーん、マイトの時は装備。ハンセルト師団長の時は私。テルミュアは…」


「テルミュアの前世、リズラルと言えば…やはり兄のシイラルか。」

「そうね、リズラルとシイラルの二人が生み出す火と風の究極魔法の饗宴…あれは圧巻だったわね。」


「となると…シイラルを先に探すという手もあるな。」

「大天使様の教えによると、残りの一人であるシイラルは北の大地に居るとの事。王都から北に広がる森になるわね。」


「アルマ…テルミュアの事はイリエに任せて北の森へと行こうか。」

「うん…そうね。魔王が動き出す前に、シイラルを探しましょ。」


イリエに事情を伝え、オレとアルマは北の森へと入った。


「一言で、森と言っても広いな。この森のどこかに村があるんだよね?」

「そうね…王都で聞いた話だと、マガと呼ばれる村があるらしいわ。」


森の中にある村…あっさりと見つかると考えていたが、なかなか見つからない。


「ん?マイト…あっちに人の気配を感じるわ。」

アルマが言う方向に向かい、オレ達は歩いた。


「アルマ…どう見ても村じゃないよな。」

「うーん…人は居るみたいだけど…」

オレ達が辿り着いた先は、洞窟。

洞窟の前には見張りらしき人が2人。

その2人の身なりはとても整っているとは思えなかった。


「どうやら村じゃなく…ここは盗賊のアジトみたいね。」

「王都に来る時に襲ってきた盗賊の拠点かな?軍にこのアジトの事を伝えようか。」

アルマはオレの意見に賛同した。


盗賊の拠点と思われる洞窟を離れ、村を探すが結局見つける事は出来ない。

日も暮れてきたので、一旦、王都へと戻る事にした。


翌日、ラナハン師団長に盗賊の拠点を見つけた事を伝えると、討伐隊が組まれる事となった。

「マイトラクス、ありがとう。あの盗賊団には凄腕の魔法師が居てね…手を焼いていたんだ。一緒に来てくれないか?」

後日、編成される討伐隊にオレとイリエ、そしてアルマも加わる事を了承した。


「イリエ、テルミュアの様子はどうだい?」

「うーん…だいぶ心を開いてくれたけど、やっぱり過去のトラウマが邪魔をして全力で魔法を放つ事は難しいみたいね。」


~~~~~~~~~~


数日後、北の森に居る盗賊団討伐の為に編成された部隊の中にオレ達は居た。

第二魔法師団と第二騎士団で部隊は編制され、魔法師団の中にはテルミュアの姿もある。


「わたしが生まれたマガ村は…この森の中にあるの。」

テルミュアの話によるとオレとアルマが探していた村は、彼女の出身地だったようだ。

その村は、どうやら森のさらに北の方にあったらしい。


「だいぶ森深くにあるから…案内無しでは難しい。」

彼女の出身地だと知っていたとしても、村に居づらくなり村を離れたテルミュアに案内を依頼する事は出来なかっただろう。


アルマの先導で盗賊のアジトである洞窟へと向かう。

「ここよ。」

洞窟の入り口付近には5人の見張り役が焚き火の周りに座り、食事を取っていた。


討伐隊は一旦後方へと下がり拠点を構える事となった。

まずは付近を調べ、洞窟に他の出入り口が無いかを調べた。

一気に殲滅したいので、見つけた入口以外から逃げる出口を塞ぐ為だ。

事前情報によると盗賊団には50人程が所属しているらしい。


オレとイリエ、アルマは、作戦会議に参加した。

今回の作戦では、まず魔法師団が見張り役を攻撃。

見張り役が混乱しているスキに騎士団が洞窟内へと侵入し、その後、様子を見て魔法師団が侵入するという流れとなった。


食事を取り終え、いよいよ作戦を実行する。

予定通り、魔法師数人が見張り役と洞窟の間へと火魔法を放つ。

慌てる見張り役は、洞窟内に危機を知らせる事は出来ない。


「突入!」

第二騎士団長の号令と共に、騎士団が隊列を組んで洞窟内へと侵入した。

魔法師は、5人の見張り役を確保する。

「周辺に展開!」

ラナハン第二魔法師団長の合図で魔法師は洞窟を取り囲むように配置し、まずは様子を見る。


すると…慌てた様子で洞窟に入った騎士数人が出てきた。

「何事だ?」

ラナハン師団長が声を出す。


さらに、騎士数人が洞窟内から吹き飛ばされ、地面に転げ落ちた。

苦しそうにうめき声を上げている。


と、同時に洞窟内から数十人の盗賊が出てきた。

洞窟のすぐ外で、騎士団と盗賊団にて戦闘を繰り広げられる形となった。

魔法師は、周囲を取り囲み機を伺っている。


「風魔法 上級…紫電疾風!」

洞窟内から上級魔法が放たれ、取り囲んでいる魔法師の一角が吹き飛ばされた。

「うわぁぁぁ!」

ゆっくりと洞窟内から風魔法を放ったと思われる盗賊が出て来た。


「あれは…王都に向かう途中で襲って来た風魔法使いの盗賊。」

「あの位置から、この強さ、そしてこの感じ…」

オレとアルマは向かい合った。


「ねぇマイト…あの盗賊…もしかして。」

「あぁアルマ…あの盗賊…シイラルだ。」


「風魔法 上級…紫電疾風!」

「土壁!」

オレ達が居る場所に盗賊は上級魔法を放ってきた。急いで展開した土魔法が崩れ落ちる。

「水柱!」

なんとかイリエが発動した防御で風魔法を弾いた。


「カルッセル!もうヤメて!」

急にそう叫んだテルミュアが盗賊に向かって走り出した。

「危ないわ!」

慌ててイリエが彼女の腕を掴んで止める。


オレは駆け寄りテルミュアの肩を掴んで正面から向き合った。

しっかりと彼女の目を見る。

「あの青年は、誰だい?」

いつもはオレの目を見ない彼女も…しっかりと見つめながら返した。

「彼はカルッセル…昔、私が火魔法で傷つけた幼馴染の男の子。」


「お願いします…彼を助けて。」

テルミュアの声は、いつものように小さい声だったが、いつもと違いその声には力強さがあった。


「アルマ、イリエ…行くぞ。」

オレの言葉に二人は頷く。


「光魔法 月光暗転!」

アルマが放った光魔法により、辺りは眩しく光輝き…その直後、暗闇に包まれた。


「光魔法 筋力強化!」

オレは自身に光魔法を施し下半身を強化、一気にカルッセルへと駆け寄るとそのまま盗賊団のアジトである洞窟内へと彼を押し戻した。


「シイラル…迎えに来たよ。」

オレがそう言うが、カルッセルは後方へと飛び退いた。

「何を言っているんだ?」

やはり、まったく話は通じない。


そこにアルマとイリエ、そしてテルミュアが洞窟内へと入ってきた。

「カルッセル!」

テルミュアの叫び声が洞窟内に響き渡る。


「テルミュア、何故、こんなところに居るんだ?」

「わたし…今は軍に所属しているの。カルッセル、どうして盗賊なんかに…」


「オレのせいでテルミュアが村から追い出されたんだ。オレだけが村に残る資格は無かったんだ。」

カルッセルの体からは魔力が溢れ、今にも暴走を引き起こしそうな状況だ。


「違う!カルッセルのせいじゃないの!わたしが自分で選んだ道なの!」

テルミュアは今まで聞いた事もないような大きな声で答えた。


「わたしは…自分を許す事が出来なかったの。」

そう言いながら涙を見せるテルミュア。


「あぁ…オレは…」

カルッセルの体から風が流れ出す…その風は荒れ狂い…洞窟内で吹き荒れた。


アルマが叫ぶ。

「ダメ…魔力を制御出来ていないわ!」

~~~~~~~


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