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【完結】召喚術師の隠し事〜最強の魔法使いはその能力を隠し通す!  作者: あんそに
第三章

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謎の突風

「こほんっ」

オレは咳を一つして自分の存在をブロウガに示した。

ブロウガ…いや、まだハンセルト師団長と呼ぶべきか。


「ん?マイトラクスじゃないか…どうした?」

どうやら自身とアルマの事は思い出してもオレの事には気がついていないようだ。


「ブロウガって…アルマの事を慕っていたのか?」

オレが小声でそう聞くとアルマは驚いた表情になる。

「あれ?知らなかったかしら?」

アルマ…まったく聞いていないよ…


「まぁ、数百年も前の話だし…」

アルマはそう言うが…なんかモヤモヤとした気持ちが抑えられない。

ブロウガは恋愛云々の気配とは程遠い存在だと思っていた。


「まぁ…ついでだ。光魔法…光弾!」

オレはブロウガに向けて一筋の光魔法を放った。


ガンッ


ブロウガは光弾を右腕で殴り、上方向へと吹き飛ばした。

避けずに弾くところが何ともブロウガらしい。


「お前…トルナシアか!?なるほど…納得だ。」

「やっと気づいたか…」

光魔法を受けてオレがトルナシアだと気づいたブロウガは駆け寄り抱きついて来た。


「痛いって!」

ブロウガの体をオレは懸命に引き離した。


「となると…イリエティーナは誰だ?」 

ブロウガは次に、ずいずいとイリエに歩み寄った。

イリエは若干、引き気味になり後退(あとずさ)りをしている。


「ブロウガ、落ち着いて。イリエは…イリエよ。」

アルマがなだめるように伝えた。


「そうか…強いし、てっきりイリエも七仙剣の誰かかと思ったぞ。」

ブロウガの言葉にイリエは驚いて手を横に振り否定する。

「わたしなんか…とんでもない。」


イリエは否定するが、素質は十分にあるよな。と、オレは内心思った。

むしろイリエが七仙剣の一人ならどれだけ良かった事か。


「ところで…何故、俺は魔法師をしているのだ?」

ブロウガの発言に驚き、アルマとオレは声を揃えて叫んだ。

「こっちが聞きたいわ!」


隣に居るイリエは苦笑いを浮かべ困った表情をしている。


「前世で、ブロウガは"俺も魔法師になりたい"とか言ってたからねぇ。夢を叶えたのね。」

アルマは冷たい視線をブロウガに送った。


それを聞いたブロウガは頭を抱えている。

「俺は…一体、どうしたらぁ〜。」


ブロウガを見つめながらオレは伝えた。

「七仙剣のウチ、オレとアルマ、あと神官ギルシアルと竜騎士ザックアリル…そしてお前を見つけた。ブロウガ…またオレ達とパーティを組んでくれないか?」

「何?もう5人見つけているのか!?それは…参加しない訳にはならないだろう。」


「ザックアリルは、まだ記憶が戻っていないけどな。」

「そうか…アイツが居ると心強いが…」


「ところで、ブロウガ…第三魔法師団はどうする気?」

アルマは武闘派であるブロウガがこのまま魔法師団を指揮する事に違和感があるのだろう。

「うーん…俺はここの魔法師団の連中を愛している…が、ブロウガ時代の記憶が戻った今、俺がやるべき事は魔王との戦いに備えて自分を磨く事だ。この体は弱すぎる。」


ブロウガの言葉にオレは自分の考えを伝えた。

「確かに前世のブロウガは肉弾戦、専門だった。が…今のハンセルトは魔法を使えるんだ。新たな自分の力を見出しても良いんじゃないか?」

「なるほど…新生ブロウガってヤツだな。確かにハンセルトの経験を捨てるのは惜しい。色々と試してみよう。」


「それで…お前達こそ、どうするんだ?ここ、第三魔法師団に来たのは、俺が依頼した部下達魔法師の育成指導じゃなく、七仙剣を探す事が目的だったのだろ?」

「あら、ブロウガのクセに鋭いじゃない。その通りよ。」

アルマは以前と同じようにブロウガにも上から目線で話す。


「大天使様が言うには、残りの七仙剣2人は王都と、北の森に居る

らしい…すぐにでも探しに行きたいくらいだ。」

オレは正直な胸の内を伝えた。


「軍に所属しながらだと普通は難しいな。が…マイトラクスは王都を救った英雄だ…国王様に頼んだら自由に動けるようになるんじゃ無いか?」

これはハンセルトとしての意見だろう。


「そうだな…第二魔法師団に出張したらどうだ?」

「出張先から、さらに出張?」

ブロウガ…いや、ハンセルト師団長からの提案にボクは言葉を返した。


「第二魔法師団のラナハン師団長が自分の魔法師団を指導してくれと言っていたのを覚えていないか?」

巨大イカを討伐した後に行われた宴会で、ラナハン第二魔法師団長とハンセルト魔法師団長に魔法指導を頼まれた事を思い出した。


「なるほど、そういう意図なら王都に長期滞在しやすいな。」

「わたし…どうしようかな…」

第二魔法師団が居る王都に行く事をオレが即答しようとするとイリエが不安そうな顔をして言った。


すると…アルマが口を添える。

「イリエ…ここシザカンの街は”水”で溢れている。水魔法を極めるには最高の環境よ。でも…魔力を高めるのは自然の力を取り込むだけでは無いわ。様々な経験は、きっとキミの限界を超える役に立つと思うの。」

イリエを支えようとするアルマの気持ちが分かる言葉だった。


「一緒に七仙剣を探すのを手伝って欲しい…あと二人だ。」

オレはイリエの目をじっと見つめて伝えた。


「アルマ、マイト…ありがとう。わたし、二人の…いえ、人族の役に立ちたい。」

イリエは自分の決意を述べた。


「よし、話はまとまったようだな。」

ハンセルト(ブロウガ)はパンッと、大きく手を叩いた。


「私とマイト、そしてイリエで王都に向かい第二魔法師団へと合流。そこで七仙剣のシイラルかリズラルを探す。ブロウガは第三魔法師団長として活動しながら、新たな自分を見出すって事ね。」

「あぁ、そうだな。まずはオレから第二魔法師団長のラナハンに手紙を出そう。許諾されたら、第四魔法師団長であるエタレナに手紙を送り、マイトラクスが王都に移る事を伝える。」

今後の予定が驚く程スムーズにまとまった。

師団長であるハンセルトを味方に出来た事はありがたい事だ。


数日後、オレ達3人は湾岸都市シザカンを旅立つ事になった。


第三魔法師団のみんなが見送りに来てくれ、感謝の言葉を伝えてくれている。

「キミたちが教えてくれた訓練方法は必ず継続して取り組むよ。」

ハンセルト師団長の右腕であり観光名所を教えてくれたセルドルさんがそう言いながら、お土産にとシザカン名物のお菓子をくれた。


「名残惜しいね。」

乗合馬車に乗り、そう言いながら仲良くなった第三魔法師団の皆に手を振った。


王都へと向かう馬車でお土産に貰ったお菓子を頂く。


が、ここで事件が起きた。


「おい、お前ら!金目の物を出せ!」

これは噂に聞く盗賊というヤツか。


10人は居るであろう盗賊に囲まれ、乗客たちは馬車から降ろされ怯えている。

オレとイリエは軍服を着ているのだが…盗賊は気付かないのだろうか?


「アルマ…くれぐれも再起不能にしないように。」

ブチ切れているアルマをなだめる。


「土魔法…石弾撃!」

空中に飛来したアルマが盗賊に向けて無数の石のつぶてを炸裂させた。


「痛ぇ。」

「おのれ…召喚獣め。」

逃げ出す盗賊たち…さらに石弾撃を加えるアルマ。


その時…渦巻く突風が盗賊の後方から放たれた。

「これは…風魔法の突風。」


「水魔法…氷弓!」

イリエが突風が放たれた方向に向けて水魔法を放つ。


「アニキ!」

大きな叫び声が聞こえ、盗賊たちが慌てて逃げていくのが分かった。


「盗賊が魔法を使うなのて…そんな存在も居るのね。」

イリエは、ただ驚いている様子だが、アルマは魔法を悪用するなんて…とかなりご立腹だ。


乗客たちと御者に感謝の言葉を受け、オレ達を乗せた馬車はふたたび王都へと向かい走り出した。

~~~~~~~


気がつけば100話目の更新となりました。

これも読んでいただいている皆様のおかげです。


仕事が忙しくなり、今後も不定期更新となります。

ブックマークして貰えると幸いです♬

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