危険
「メシを片付けて、とりあえず街の中を探索するか」
ルードとクルはその後しばらく探索を続けていた
「やっぱり街の中にだいぶあったわねー、アイテム」
「でも荷物はまとめてあの家の2階に置いておいたのは何で?」
「一つ、持ち帰れるものは限られている。二つ、俺らが食べたようにやはり他の生き物がいることが知れたから。3つ、持ち帰るものを精査するとき、まとめておいた方が楽だから」
「はーー。けっこう本当に色々考えているのねー。」
「まあ100%価値のあるものは紛失しないように持っているけど」
ルードはポケットから小さいなにかを取り出した
「アークルって呼ばれる人工宝石だ。創り方も分かっているのに、なぜか火星では創り出すことが出来ない」
「んじゃこれは…地球に行かないとほんとに採取も創るも出来ないものってことか…」
「第一先行採取物…他にも色々あるし、見つかりづらいが、前回の調査団は4つ持って帰って来た」
「え?そんな重要なもの、私たち初日にもう一つ目?私たちもう十分すぎじゃない?前回の調査団の数と比べたら…」
「…俺たちは本来のミッションは生体調査に行くこと。なら動植物に着目してそっち先行にする」
クルはあまり納得してないようだった
「…クルがさっき言った第一先行は調査団レベルのもの。俺たちの第一先行しているものは動植物の毛皮や血液だ」
「雪山や奥の平原にも珍しい植物や強力な動物もいるだろう」
「よし」
二人は採取物を溜めおいた2階に移動した
ルードは荷物をまとめたカバンのチャックを閉め、触れたままの状態で
「キューブ」
と唱えると触れた荷物はみるみる四角い箱型に小さくなった
「あら、それは使えるのね」
クルは意外そうだった
「これでカバン一つ分…生体調査に使えるのは3つ、やっぱりかなり精査して…って」
「とりあえずまあこの家ももう探索終了だ。次の」
「ルード!」
「!!」
二人とも一瞬にして窓に張り付いた
「…………あんな大きな猿、この強化体でも相当面倒そうね…しかもいきなり…」
「恐らく血の匂いだろう。キューブにしまうのがもう少し遅ければここまで特定されてたかも知れない…」
二人の額の汗がいかに危機だったかを物語っていた