様々な事実
二人はメディカルチェックを終わらせ、それぞれの部屋へ戻っていった
戻った部屋のベッドの上でルードは悩んでいた
「やはり今、ここにきて悩んでいる自分がいるな…だがもう出発出来る手筈は整えてある…」
「……クルには悪いが…」
思いが固まったかのようにルードは立ち上がり、部屋を出た
生活区画から宇宙船デッキに繋がるエレベーター前で一人の男が腕組みしていた
「…元より今日行くとは決めていたとはいえ、クルの嬢ちゃんにもダンマリで行くのか」
「ジンさん、あいつには…あんたからうまいこと伝えてくれ」
「その前に説得の余地は頂けませんか?」
ルードの後ろで声がした
「…ケイ第2補佐、悪いがすぐ出発したいんでね。戦闘訓練は必要ない」
「たしかに元よりあなたに戦闘訓練は必要ないのは知っています。しかし、格下のクルさんとのお遊戯ばかりで、腕がなまってないかも確かめないと」
ルードは軽くいなすように応えた
「クルは強いよ。鍛えればまだまだ素体の伸びしろも十分あるし、戦い方も経験を積ませれば積ませるだけ覚えていくだろ」
「……ならば、私があなたを超えられたかを確かめたいので、お付き合い頂けますか?」
「…ケイ第二補佐、ケガじゃ済まないかもしれないぞ」
そう言いつつルードは戦闘訓練場方面に歩き出した
「だがこれ以上時間を割かれるのは勘弁だな。いいよ、付き合うよ」
-戦闘訓練ドーム-
「では、これを」
ケイは年季の入った剣と銃を渡した
「これを使えってことは、覚悟は出来てるってことか」
ケイは笑顔で自身の装備を準備していた
「もちろん。どちらかが、まいったというまで続けましょう」
ルードは疑問をぶつけた
「…なぜ、こんな勝負を?どちらにせよ地球には行くってのに」
ケイはなおも笑顔で答えた
「もちろん、単純に私自身が元特級戦闘小隊のあなたと腕試しをしたいから…と、クルさんを連れて行って欲しいからですよ」
ルードはなにかを察したようだった
「俺の地球でのサバイバルのノウハウや技術をクルに受け継がせたいのか」
「ええ、そしてあなたが地球に残るという選択をする可能性を限りなく低くする為です」
「なるほど」
「……分かっているとは思いますがあなたにはこの件が終わったら本格的に官務に就いてもらう契約です。その為に今回の地球への探査を許したのですから」
「分かってるよ。ワガママ聞いてもらって、はいサヨナラなんてしないのに…信用ないねえ」
その言葉を言い終えたと同時にケイから笑顔が消え、ルードもそれに気づき、ゆっくりお互いが構えた
「保険として、という言い方は悪いですが、クルさんは必ず連れていって頂きます。私とて、探査隊の旗艦組の一員、油断して勝てるとは思わないで下さいね」
それを聞いたルードの迫力と筋力量が明らかに上がった
「もちろん、だが、剣は抜かない。まいったか、俺が鞘から剣を抜いても、そっちの勝ちでいいよ」




