不可解への接近
「はぁ、はぁ、」
「サバイバルナイフじゃここまでが限界か…」
クルの攻撃も何度も当たってはいるが、老人は一切ひるみはしなかった
「あんた!!
もう本気で怒ったから、加減無しでやらせてもらうわよ…」
「重強化!!」
「する必要はないよ」
クルは突然の声に振り返る
そこにはケイと完全戦闘服の男が8人近く銃を構えていた
「打て」
ドドドドドドッ
響き渡る銃声と共に撃たれた老人は跡形も見えないほどになっていた
「7日目…無事でよかったです。終了ですよ」
「クル、終わりだ」
そこにはルードも来ていた
「しかし、こんな場所にシェルターがあったことも、中からあんな化け物じみた強さの老人が現れるとも思わなかったねぇ」
ルードは白々しく違和感を感じる言葉にも口をつぐんだ
「…このシェルターは、トレースした場所はそのままだが動植物は何世代も交代しているはずなんだ。その為に天候、湿度、温度は管理しているしね」
「それじゃあの老人は…」
クルの言葉に被せるようにルードが話しかけた
「ケイさん、シェルターの中は…」
ケイは首を横に振った
「残念だが安全を我々が確認するまで立ち入り禁止だ。もっとも、我々すら把握してない場所にアイテムの再現はないし、ここを見つけた時点で君たちは及第点を軽く飛び越してしまった」
「ふふん。ま、初日から合格はきまっていたようなものだったしね」
クルは得意気に言った
ケイはいつものように笑顔だったが、調査に残るとのことで、2人は先に部屋を出された
「……」
ルードは浮かない表情だった
クルは戸惑いながらも声をかけた
「んー…あーまあ、これでまた一歩真実に近づいたんじゃないの?あなたのいう白昼夢病が見せたがっているものに…」
「なぐさめてくれてんのか?」
「まあねー。メディカルチェックが終わったらあの時計の暗号の中身、教えてよ。エルチェック社製のガムくらいならおごるわよ」
「マジか!?」
「へそくりで買ったのあげんだからキッチリ聞かせなさいよ。さて、んじゃあさっさとメディカルチェック終わらせてあの味を堪能しますか」
-2時間後-
「また夕方に筋肉注射よ。忘れずに」
「はーい」
そう言ってから10分ほど歩いて、ルードは更に早足で地下デッキのさらに奥を目指していた
「ちょっとどこまで行くのよ」
「整備中のロケットの中だ。あそこなら俺らがいて話しても不思議じゃないし、バッテリーも録音装置も切ってある」
「…そこまでする?別に訊かれてまずいことも…あるか。あの老人の存在といい、上は何かしらを隠してるのはたしかだもんね」
「そういうこった」




