探索の前夜 2
本当にすいません!
何回か試したけどバグりました
彼女は僕の手を握り全速力に近しいスピードで走り出す。風圧にイヴァンの顔は押されて、真っ白な歯とピンクの歯茎が露出し、口を隠す頬肉は波のような変化を見せる。
「ぼつ、げふぎはまはまひゆばゃーーー!(スピードを落としてーーー!)」
少しスピードが早すぎると注意したが、風圧で声と言葉が合っておらず叫びのような形の声になっていた。
「もうすぐ着きます!えっ、全速力で?そこまで言うなら!」
「ぎゃーーーーーー!」
イヴァンは人生において死に対する痛みや恐怖よりも精神的苦痛を感じた事は無かったが、今この瞬間だけはイヴァンの精神的な苦痛が全てを上回る。
ーーエルフの里 アルデ街ーー
「つきましたよ!ここが私達の歓迎する際に使う場所。ローデイスの祭壇です!」
これまでに見たことが無いような程の明るさと、ローレライ以外の沢山のエルフが、ご馳走と共にイヴァンを出迎えてくれている。どうやらクラリスがこの里に貸した恩は予想よりも遥か斜め上の物だったようだ。
老若男女、ここにいる全てのエルフがイヴァンを歓迎してくれていることは周りの姿を見ると一目瞭然だった。全員が拍手喝采をイヴァンに向けてくれている。クラリスの知人だからという理由だろうがそんな事は関係なく、イヴァンは泣きそうになる。そしてイヴァンは、女性エルフに進められるまま、豪華な椅子に座らされた。
「今宵は、クラリス殿のご友人、イヴァン殿が里に来られた。クラリス殿はこの里を救ってくれた方、失礼の無いように。それでは乾杯!」
豪華な聖堂を用いた空間。イヴァンの隣にいる見るからに偉いエルフが乾杯の合図を出すと、皆ブドウ酒が入ったグラスを持ち上げ隣、横、前、関係なく乾杯をし、ブドウ酒を飲み干した。イヴァンの横には一際高そうなブドウ酒が置かれる。
濃い紫の色と、爽やかな甘味を想像させる匂いにイヴァンは胸を踊らせる。
「ーーーー!(イヴァン!)」
「えっ?スライム!?君どこいたの!?」
ローレライと風呂に入った後はぐれたスライム。だが先ほどとは違い、成金のような見た目をしているスライムに驚いた。
「ちょ、その服どうしたの?えっ、もしかしてその帽子とか金の飾り、買ったの?」
「ーーーーー!(もちろん!私お金無かったからイヴァン名義でね)」
折角いいムードだったのにぶち壊されて心底スライムに怒りを覚える。スライムの体は基本的な物理攻撃を無公化する。つまり………
「ーーー?(えっ?)」
「このーー!成金ク○ソスライムがーーーー!」
怒りに任せて祝いの席というのを考慮せずスライムに対し、鉄槌を50発近く食らわし続けた。スライムの身につけていた成金悪趣味服は全て回収し、服屋に返却した。恐らくこの服等を全て買い取りしていれば銀貨50枚は下らないだろう。
「すいません!こちらの服返却します!」
「あの、イヴァン様。こちらの服は先ほどのイヴァン様の打撃で損傷が出来てしまっておりますので………返品不可能です………」
「あっ………」
自らの手を見ると、千切れた繊維とボロボロの記事が付着しており、少し絶望を醸し出している。返品不可能と聞いた瞬間自分の銭入れを見るが、銀貨50枚と銅貨数枚程度しか持ち合わせておらず、当分は塩水生活を送る程の金しか残らない。
震えながら50枚の銀貨を服屋に渡し、俯き絶望する。
「その、イヴァン殿………金品に関してはこちらが保証しますので、どうぞ今宵の宴をお楽しみ下さい」
「………本当でずが………グスン」
「はっ、はい!もちろんでございます。イヴァン殿は明日、あの神殿に向かわれると聞いたので、どうぞ、こちらも最大限のサポートはさせていただきます!」
この里の皆は本当に優しく、忌み嫌われる理由が分からない程の人達だった。感謝と安堵にイヴァンは少しだけ涙が流れるが、宴で泣くのはご法度だという事に気づき、涙を吹き上げ上物のブドウ酒を一気にラッパ飲みした。
「あぁ!イヴァン殿!そのブドウ酒は!?」
時すでに遅く、上物のブドウ酒は水滴程度にしか残っておらず、イヴァンの顔はみるみる内に赤く染まり初め、酔いが完全に体中に周る。
「うう、ヒック、よし!今日はーーヒック、飲むぞーー!」
机の上にイヴァンは乗り、グワングワンする視界の中でリミッターが外れたような振る舞いで叫ぶーーと同時に後ろに倒れてしまう。目はぐるぐると回り続け、そこで意識を失う。
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ゆっくりと外の光がこちらを射してくる。暖かい光だが、酷い頭痛に頭が割れそうな、変な気分を起こした。
「ううっ、頭が、頭がズキンズキンする」
酷い頭痛の次に激しい嘔吐感が体全体を駆け回り、近くに吐く物も無かったので窓から外へ吐く。初めての二日酔いに気分が回され、神殿に行く気力が殆ど残らない程の気持ちだ。
「イヴァンさん!起きたんですね。これ、酔い止めです」
「ううっ、ありがとう」
目の前には、ローレライが酔い止めを持っており、その酔い止めを水と服用すると、一瞬で酔いが完治する。
「すごい、一瞬で治った……この酔い止めって?」
「この酔い止めは、いやどちらかと言うと痛み止めの効果と状態の異常を回復する薬です。これを使えばどんな痛みも状態異常も無害化出来ますが、この薬は依存性と痛点の麻痺が起きるので、軽症の人や、治療の際に使う以外の使用を里では禁止しています」
「そうなんだ……でも良かったの?こんな効果の高い薬」
そこまで高い効果を出せる薬ならかなりの重要な素材を要する。本来ならもっと重症者に使用するべきだが、酔い止め程度に使用するのは何故なのかが気になった。
「ええ、この薬は以外と調合が簡単なんです。しかも素材もここら辺なら直ぐに取れるので中毒者が多かった……すみません!こんな話を初めて」
「いや、大丈夫。僕の方こそ何か悪いね」
「えっと、あっ!そうだ。」
彼女は自らの谷間から新品に近しい金属の板を差し出し、イヴァンに渡す。
「これ、フォンティアと呼ばれている機器で、遠距離の通信が出来るんです!よかったら受け取って下さい」
「こんな、高価そうな物、良いの?」
金属の板、もといフォンティアはかなり高純度の金属と水晶体にて作られた機器に見える。恐らく売れば金貨10枚位になる高価な品だろう。
「もちろんです!昨日のお詫びの気持ちです。受け取って下さい」
「ありがとう、大事に使わせて貰うよ」
ーーいい朝を迎え、気分もいい。神殿を攻略するのには絶好の日である
すいません!活動報告に書いているように10日間も空いてしまいました!
次回は水曜日に投稿します!




