スライムの闇取引
日が昇り、明るく周りの雪を照らす太陽は、生命の源と言って良いだろう。
だがこの森は生命を遮断する死と言っても過言でない。
そんな危険な場所で、行商人が通行しているのが不思議だった。
正直怪しさの塊だった。しかも後ろに背負っている檻には魔力の反応があった。
「魔物?しかもスライム系統か。」
正直関わりたくもなかったが、スライムの鳴き声と助けを求める声に心が揺さぶられた。
「くそっ、前まで感情が読み取れる事なんてなかったのに!」
クラリスの心臓を食らってから色々おかしい。声から感情や簡単な行動等を見る事が出来た。
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とあるスライムの巣
少し色が濁った老スライムが周りを見渡し、他のスライムたちに言葉を放つ。
「――――――――――――。(スライムの民達よ、先月四つ角目の同胞が行方不明になったという知らせがあった。)」
この言葉に、他のスライム達が怯え出した。
「―――――――――――――――!(それは、本当の情報なのですか町長!)」
老いたスライムは悔しそうな顔で頷くような素振りを見せた。
皆が愕然して事実を受け止めようとしなかった。
「――――――――――――。(ともかく、しばらくの間外出を避けてくれ。)」
そう言うとスライム達が一斉にピョコピョコと音を立て寝床に帰って行った。
そのなかで一際怯えるスライムがいた。
「――――――――――――?(パーシー大丈夫?具合悪そうだけど?)」
2人組のスライムの一人が心配そうに隣にいる怯えたスライムに声をかける。
「――――――――――。(大丈夫、なんとかね。とりあえず外出は町長の言ったとおり控えよう。)」
そういうと自分の巣に戻った。
そして寝床に付きそのままスライムは就寝した。
――――――数時間後
「――――――――――?(うるさいな・・・・外で何かあったのか?)」
そう思うまま外に出ようとした。
ーーーそれが間違いだった。
外を見ると、スライム達が燃やされ、潰され、捻られ、弄ばれていた。
「――――――――――。(何で、何でこんなことが。)」
目の前で友人、知人、仲間が殺されていた。
そして横を見ると、スライム特有の青い血液のような液体が流れた、妻の姿があった。
「―――――――――。(あぁ、何で、悪夢だこれは。信じない。信じてたまるか。)」
そこに、人間の姿があった。
人間は何かを探しているような様子だったが関係無い。
ただ、仲間を殺した人間を一匹残らず殺すのが課せられた使命という事が分かった。そして、涙ながらに人間に突進した。
だが、蹴飛ばされ、返り討ちにあった。このまま殺されるのだと悟ったが、結果は違った。
なんと、私の体を檻に入れた、直ぐに脱出してやると思ったが、檻にはスライム用の結界が張られており、そのまま意識が途絶えた。
次に目を覚ますと、男の声が聞こえた。
「こいつ、本当に連れて帰っていいんですかい?兄貴。」
少し、小柄で恰幅のいい髭を生やした男が言った。
「あぁ、こいつは特別なスライムでな。魔力をここまで持っているスライムは初めてだ。だが、多分こいつを闇市に流せば貴族の魔力を持っていない奴らは欲しがるぜ。」
身長が高い男が言った。
私はこいつらの至福を肥やす為に売られ、食われるのだろう。
それを考えるととても恐怖した。助けて欲しいの一言で助けを求めていた。
――――――――数日後
完全にやつれて、気力が無くなっていた。
もう覚悟を決めているつもりだった。
だが、幸運はつかの間に訪れた。異常と思える程の魔力と背筋が凍る用な恐怖があった。
これが最後のチャンスだと思い、力を振り絞り助けてとすがった。
――――――――このチャンスをあの人は感じてくれるのだろうか。――――――――――――
今回は魔女視点ではなく、スライムの視点での物語を書きました!
時間が少し足りず、分は少ないけど、もっと努力します!




