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95 Sクラス装備、魔獣使いの杖

 漆黒の魔剣魂喰らい(ソウルイーター)は浄化され、聖剣魂の救済者(ソウルセイバー)としてホームが使う事になった。


「ユカ様! この剣は凄いです。これは僕の持っていた父上から借りた物よりもよほど素晴らしい物です!」

「ホーム、これは君が盗賊退治でアジトを倒した証になるよ」

「その通りです! これを持って帰れば父上にもきちんと戦いの経緯を説明する事が出来ます」


 そういえば、過去にゲーム制作でミスをしでかした部下が『顛末を伝える』とか『いきさつを伝える』とか言っていたが、まあ言葉の使い方は難しい物である。

 私としては言葉の言い方よりも実際の反省点やどういう形でそうなったかを伝えればよかったのでそういう部分は指摘せず、反省や改善があるかで判断したものだ。


「そうだね、これだけ立派な剣を持って帰れれば伯爵様も納得してくれるだろうね」


 ホームが魂の救済者(ソウルセイバー)を空高く掲げ、じっとと刀身を見つめていた。


魂の救済者(ソウルセイバー)……かつてこの剣が1000近くの魂を奪ってきたというなら、僕は今後それ以上の命をこの剣で救ってみせる!!」


 ホームがこの剣の持ち主になったのは運命と言ってもいいかもしれない。

 これは自らの無力を嘆いていた彼が手にした弱者を守れる力になる剣なのだ。

 『力が正義ではない! 正義が力だ!』これは私が小さい頃に見たプロレスラーのライオンマスクⅡ世が言っていたセリフだ。

 正義無き力は暴力なり、力無き正義は無力なり。今、ホームは力無き正義から脱却する事が出来たのだ。


「お兄様だけ……いいなー」

「ルーム……」


 先程から不機嫌なルームだったが、今度は自身の新しい武器が無い事を嫉妬していた。

 でもここで下手にルームの機嫌を損ねたままだとこの後ぎくしゃくしかねない……。

 何かないかと私が辺りを見渡して見つけたのは、ドークツが使っていた杖だった。


「この杖は……どうなんだろう?」


 残念ながら私には鑑定スキルは無い、持っているのはマップの当たり判定の確認だけだ。


「誰かこの杖の価値わかる人いる?」

「はいはーいぃ、あーしならある程度の鑑定できるよぉ」


 そういえばマイルさんは賞金稼ぎの前は一級の商人だった。


「お願いします」

「はーい。うーーーん、これはねぇー……ユカ! これは結構な掘り出しもんだよぉ!」

「え?」

「それは俺が説明しよう、魔獣や動物を従えるには本人の持つ魔力や気力が必要なんだよ」

「それは……この杖とどう関係が?」

「ドークツが従えていた銀狼王はどう考えてもドークツよりもレベルが上だった。それを従える事が出来たのはこの杖で魔力を倍加させていたからというわけだ」

「なるほど……」


 どうやらこの杖はレベル以上の魔力ブーストの効果がある優れモノだったらしい。


「そういう点を踏まえるとね、あーしの見立てではこれを店で売ってたとしたら……下手すりゃ宝石数十個分になるかもわからないねぇ、小さな店だと下手すりゃ買取不可だよ」

「それってすごい価値では……」


 この杖は価値でいえばSかSSクラスだと言えるのだろう。

 今後の旅を考えるならルームが使うのが一番最適と言えるかもしれない。


「えーっと……ボクはこの杖はルームが使うのがいいと思うな」

「ユカ様! (わたくし)がこの杖をいただいてもよろしいのですか!?」


 ルームの目の中に星かシイタケの切れ目があるくらいキラキラしていた。

 どうやらこの杖をあげれば機嫌は直りそうである。


「うん、この中でこの杖を一番使いこなせそうなのはルームだと思うよ」

「有難うございます! ユカ様、(わたくし)この杖でずっと貴方の事をお守りしてみせますわ!!」


 私は何だか妙なプレッシャーを感じたが、それはそれで措いておこう。

 ルームがこの『魔獣使いの杖』を手に入れて大幅にパワーアップしたのだから。


「さて、もう少し探索したらそろそろ帰ろうか」

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