933 マップチェンジスキルの正体
ネオページで新作始めました。
異世界ゴーレムカンパニーです。
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異世界に転生した建築家がゴーレムマスターのスキルと現代日本の建設、建築技術で橋やダム、水路などを作り、人助けをしていく話です。
こちらもよろしくお願い致します。
こちらはアラサー元魔法少女が若返ってアイドルユニットのセンターを目指す話です。
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なろうにもアップしています。
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確かにボクのスキルは足で踏んだ事のある場所を再現する事の出来るマップチェンジという事になるようだ。
だから一度も踏んだ事のない場所は再現できないらしい。
でも……それだと水とかマグマってどうなるんだ?
そんなものを踏んだ事はないけど、それでも再現できたんだよな。
ひょっとして今まで考えていた踏んだ事のある場所なら再現できるという考え方が間違っていたのかもしれない……。
ボクは、大魔女エントラ様の魔法で壁が歩ける状態になった。
だけど物が地面に向かっているのはそのままなので、服とかが引っかかって何だか変な感覚だ。
『どうやら、この魔法では重力はそのままみたいだな』
『ソウイチロウさん、ジュウリョクって何ですか?』
ボクの中にいるソウイチロウさんはたまにボクの分からない言葉を使う。
本人は理解しているのだろうけど、ボクには意味が分からない事があるので聞いてみないと何を言っているのか分からない。
『重力ってのいうのは、早い話が物が下に落ちようとする力だ、これがあるから物が地面に落ちる、だけど今のユカはその力から放たれた状態だから靴が壁に立った状態になっているんだ』
よくわかるような、分からないような……この説明でもボクはイマイチ理解できなかった。
まあ一つ言えるのは、ボクは大魔女エントラ様の力で壁を歩く事が出来ているというくらいか。
さあ、それじゃあこの壁の部分を元の形に戻してみよう。
「ボクの前の壁を元の形にチェンジ!!」
ボクのマップチェンジスキルは、真っ二つに切れた壁を元の形に戻す事が出来た。
これで家を真っ二つにされた人も許してくれるだろうか。
ボクは他にも真っ二つになっていた家の周りを歩き、マップチェンジスキルで家の壁を新品同様に綺麗に戻した。
「な、なんなんじゃ、アレは?」
「まあ、気にする事はないねェ、家が元に戻ったんだから、それでいいと思うんだねェ」
「い、いや……元に戻ったというか、前よりも壁が立派になってるんじゃが」
おっと、やりすぎてしまったかな。
どうやらボクは家の壁を直す際に元の壁よりもきれいな物にしてしまったようだ。
まあ、悪い事をしたわけじゃないからそのままでいいかな。
ボクがそう考えていた時、いきなりボクは壁から地面に落ちた。
「わっ!?」
ドスンッ!
ボクは壁から落ち、少しビックリしてしまった。
「どうやら魔法の効いている時間が過ぎちゃったみたいだねェ」
いてててて、どうやら大魔女エントラ様はお試しにかけた魔法なのですぐに時間が過ぎるように設定していたみたいだな。
横向きから普通の状態に戻ったボクは、壁の修理された家を見てみた。
ボクが直したからとはいえ、家はまるで建てたばかりの新品のように壁がきれいになっていた。
どうやら僕のマップチェンジスキルは壁でもつかえるみたいだな。
でもその度に大魔女エントラ様の力が必要になってしまうのだろうか……?
『ユカ、少し気になった事があるんだが良いか?』
『ソウイチロウさん、気になった事とは?』
ソウイチロウさんはボクに地面に寝っ転がるように言った、そしてその形のままでマップチェンジスキルを使って見ろとボクに伝えた。
「ボクの目の前の地面をチェンジ!」
すると、ボクの目の前に出来たのは、地面ではなく、小さな壁だった。
『これはいったい?』
『やはり思った通りか、ユカ、そのマップチェンジスキルの正体が分かったぞ!』
『え? それはどういう事ですか?』
ソウイチロウさんが言うには、ボクのスキルは地面を踏んだ場所を再現できるわけではなかったらしい、どうやら本当のスキルは、ボクの目に映った物をボクの立っている向きに地面を作る事が出来るというものだったようだ。
この説明ではイマイチよく分からないかもしれないが、つまり、ボクが見ているものは地面に出来るという風に考えていいのだろうか?
これはまた確かめてみる必要がありそうだ。




