877 核を叩け!
ウルティマ・ザインを倒す方法が見つかった!
あの脅威の再生能力、だがそれを全部バラバラのワープ床で分けてしまえば、元の場所に戻しての再生は出来ないらしい。
つまり、あのバケモノでもバラバラにして別々の場所に飛ばしてしまえば再生しようとしても不可能というわけだ。
あの強敵がどういう形で再生をするのかはわからない。
だが、どうやら形が残っていると再生にはならないようだ。
『どうやら座標とパーツが揃っていると全部が残っていると認識されているようだな』
『ソウイチロウさん、どういうことですか?』
『今は詳しく説明している時間が無い、だが……ウルティマ・ザインはこの状態なら再生しないって事だ』
なるほど、理由よりも今はアイツを倒す事の方が重要だ。
ホームさんのおかげでウルティマ・ザインはパーツがバラバラになっている。
そのパーツがワープ床で別々の場所に飛ばされているのでウルティマ・ザインはパーツが残ったまま、修復しようとしても接続できずに接続箇所を探している状態なのだ。
なるほど、ソウイチロウさんの言っていた意味がわかった。
つまり、ウルティマ・ザインは切り裂かれて残ったパーツを接続しようとしているがワープ床のせいで残ったパーツを接続出来ない。
だからいつまでも修理をしようとしてもパーツが見つからずに堂々巡りになっているというわけだ。
コレでようやくあの修復能力を無視して倒せる!
ボクは新生エクスキサーチを握り、ウルティマ・ザインの胴体を切り裂いた。
袈裟懸けに切り裂かれたウルティマザインの身体の一部が光った。
——見つけたぞ! アレが自己修復の核の部分だ!——
ついにボク達はウルティマ・ザインを倒す糸口を見つけた。
アイツが身体を修復する際に胸の一部が光っていたのだ。
このパーツを破壊すれば、ウルティマ・ザインは再生不可能になる。
アイツの足元を高熱のマグマにチェンジ!
ボクは先程と同じようにウルティマ・ザインの胴体を高熱のマグマに沈めてやった。
今度は腕も足も切り裂かれて修復出来なくなったウルティマ・ザインだ。
身動き一つできなくなった胴体は高熱のマグマに沈んだまま浮かんで来る事はなかった。
「リリリィ……。リーリリリィー……リィ……」
不思議な音を立てながらウルティマ・ザインが溶けていった。
そして、ついに自己修復の間に合わない核が溶けた胴体の中から見つかった!
よし、あの核を破壊すればコイツを倒せる!
ボクは新生エクスキサーチを握り、地面を高くマップチェンジした。
そして、マグマの中のウルティマ・ザインの胴体目掛け、一気に飛び降りて剣を突き立てた。
「コレで最後だぁぁぁあ!!」
——リリリィィイィィイッッ!!——
核をオリハルコンの剣で貫かれたウルティマ・ザインは凄まじい断末魔の悲鳴を上げた。
破壊された核は粉々に砕け、消滅した。
すると、ウルティマ・ザインの全身は細かくひび割れ、砂のように崩れ出した。
ボクはウルティマ・ザインの足元をマグマから元の地面にマップチェンジし、地面に着地した。
古代文明最強の兵器ウルティマ・ザインは、砂で出来た人形のように粉々に砕け、地面に崩れ落ちた。
コレがウルティマ・ザインの最後だ……。
ボク達はついにウルティマ・ザインを倒したんだ。
「ユカ様、やりましたね!」
「やりましたわ、あら……あれは何かしら?」
どうやらルームさんがウルティマ・ザインのいた場所で何かを見つけたようだ。
「コレは……とにかく持っていこう」
ボクはウルティマ・ザインの残骸の中から金属で出来た丸いプレートを見つけた。
コレが何に使える道具かはわからないが、とにかく持っていこう。
さあ、ウルティマ・ザインを倒す事が出来たから早く元の世界に戻ろう。
ボク達はこの世界に来た時の入り口に戻り、元の古代遺跡の地下六十階に移動した。




