868 コロシアムの鉄巨人
ボク達は難敵、機械竜を倒し、そのパーツをバラバラにしてワープ装置で遺跡入り口から飛行艇グランナスカに運んだ。
コレだけの大量のオリハルコンと古代金属があればターナさんに見てもらってこのグランナスカやボク達の武器を強化してもらえるかもしれない。
しかしこの地下遺跡、一体どこまであるのだろうか?
ボク達は現在、地下四十五階まで到達した。
ここに出てくる敵はもうすでにレベル60以上で、普通の冒険者なら一分と持たないだろう……。
この辺りになってくるとボク達ですら無傷ではいられず、傷をエリアさんに治してもらいながらの移動になった。
機械竜を倒した時、ボク達はもうすでに体力も気力も限界に近かった。
だから一度遺跡から砂漠の町に戻ることにしたわけだ。
ボク達はグランナスカに乗り、砂漠の街まで飛んで移動した。
砂漠の街は活気に溢れ、治安も少しずつ良くなっているようだ。
ボクの作った水場のおかげで、この街の長年の問題だった水不足が解消された。
だからボク達が街に戻ると、住民の大半に歓迎された。
街の人達は疲れているボク達に食べきれないほどの食事を用意してくれた……。
でも今は疲れていて食べるどころではないんだけどな。
それでも住民の気持ちを無駄に出来ないので、ボク達はしんどいのを耐えながらどうにか食事を済ませた。
流石に食事が終わると限界に達したボク達は動くことすら出来なくなったので、すぐにそのまま眠りについてしまった……。
どうやらボク達が目を覚ましたのはそれから二日後のことだったようだ。
ボク達にはその寝ていた間の記憶が何一つない……。
という事は、ボク達はかなり疲れ果てていたのかもしれないな。
まあしばらく寝て休めたので、ボク達の体力と精神力は復活している。
今回は前回ほど食糧などは減っていないので準備は簡単に済ませ、ボク達は砂漠の遺跡に飛行艇グランナスカで向かった。
入り口から一気にワープ床で地下四十五階に移動したボク達は機械竜のいた後ろの階段からさらに地下に降りた。
地下五十階にもなると、すでに動いているガーディアンモンスターすらいない……。
コレが意味するのは一体何なのだろうか?
上の階に大量にいたガーディアン系のゴーレムや機械兵、機動兵器に偵察用機械すらいないのだ。
あの機械竜があるから安心してここに配置しなかったのか、それとも……。
ボクはものすごく恐ろしい可能性を考えた。
——そんな雑魚を必要としないほど、凶悪なモンスターがいる!!——
そんなことを考えたくはなかったが、ボクはそれを目の当たりにすることになった!!
地下五十階、この場所は上にとても広い空洞で出来ていた。
これだけ広いとまるでコロシアムか競技場だ。
これだけの広さがあるという事は、それだけ動き回れる巨大な何かが姿を見せてもおかしくは無い……。
グォゴゴゴゴゴゴゴッ!!
何かの凄まじい音が聞こえる。
この音は地を響かせ、辺りを揺らし、そして、ボク達の前に姿を見せたのは……とてつもなく巨大なナタのような蛮刀を装備した真っ黒な巨人だった!!
そうか! コイツがいるから他のガーディアンモンスターが必要なかったのか!!
鉄巨人はボク達目掛け、超巨大な蛮刀を振り下ろした!
ズガァァアンッッ!!
蛮刀がコロシアムの壁を一刀で叩き砕いた!
いくらオリハルコンでもあんな怪物に叩き潰されたら一瞬で終わる!!
ボク達はこの遺跡最強とも言える超巨大な鉄巨人と戦う事になってしまった!!
この鉄巨人、見た目に反してかなり動きが速い!
鉄巨人は蛮刀を目に見えないスピードで振り回し、コロシアムの側面の壁を一瞬で細切れにしてしまった。
クソッ! どんなやったらこんな怪物に勝てるってんだよ!?
この遺跡、コイツ以外にもまだこんな怪物がいるのか!?




