863 砂漠の遺跡の入り口
ボク達は準備を終わらせ、砂漠の中にあるという古代遺跡を目指す事にした。
どうやらこの古代遺跡の中には伝説の怪物、古代兵器の——ウルティマ・ザイン——が存在するようだ。
このウルティマ・ザイン、古代ゴルガ文明の侵略兵器だという事は知っているがどんな奴なのかまではわからない。
古代ゴルガ文明の破壊兵器には空帝戦艦アルビオンやバロール、それにオルビス・ザインといったものも存在するが、このウルティマ・ザインもその一機だと言える。
その怪物兵器が存在するのが、ボク達が今から向かう古代遺跡だというわけだ。
人に聞くと、この砂漠は蜃気楼が酷く……一度間違えたルートに迷い込むと死んでも出る事が出来ないらしい。
それはボク達にサバクラクダを売ろうとした業者から聞いた事だが、実はボク達にはそんな物は必要無い。
サバクラクダを買わないと言うと店の人が無謀だとか死にに行くようなものだと言っていたけど、ボク達には飛行艇グランナスカが有る!
これで空から飛んで古代遺跡に向かえば迷う事も無く目的の場所に行ける。
さあ、古代遺跡に向かおう!
ボク達は砂漠の街を出て、飛行艇グランナスカに向かった。
「グランナスカ、発進!」
巨大な黄金の鳥のような飛行艇グランナスカが空中に舞い上がった。
そしてグランナスカは人間では数週間かかりそうな砂漠の中の遺跡を1日飛んだだけで到着、ボク達はその近くにグランナスカを着陸させ、遺跡に向かう事にした。
「ボクの目の前の砂漠を巨大な水場にチェンジ!!」
ボクはグランナスカの着陸した場所を巨大な水場にマップチェンジした。
これで砂の中に埋もれて入れなくなる事は避けられたはず。
グランナスカの巨体は砂漠に出来た巨大な水場に沈んだ。
さあ、それでは古代遺跡に入ろう!
ボク達が遺跡の中に入ると、そこは完全に誰もいない廃墟になっていた。
どうやら人がいなくなって数千年、下手すれば一万年以上経っているのかもしれない……。
「ユカ様、不気味ですわ……」
「大丈夫だよ、何もいないから」
ボク達は無人の廃墟の入り口から奥を目指す事にした。
——でもその前にやる事がある!——
「ボクの目の前の地面をワープ床にチェンジ!!」
ボクは遺跡の入り口にワープ床の出口を作った。
この出口があれば、もし遺跡の中で迷ったり罠に閉じ込められてもここにすぐ戻る事が出来る。
これは長い旅でボクがソウイチロウさんに教えてもらったダンジョン攻略法だ。
このやり方なら食糧不足の事を考えずにダンジョン攻略も可能。
だからボク達は遺跡の踏破やボスの撃破だけ考えればいい。
ボク達は遺跡の入り口から奥に向かって進んだ。
すると、無人の廃墟には人以外の敵が出てきた!
どうやらコイツらはこの遺跡を守るガーディアンだと思われる。
なるほど、コイツらが強すぎたのでこの遺跡が死者の国の入り口だと言われたんだな……。
この強さ、普通の冒険者では歯が立つわけがない。
大体この機械のガーディアンの強さ、弱いやつでもレベル25前後くらいだと言える。
レベル25は冒険者で言えばBクラス、入り口近くですらこの強さならこの奥にいる奴らはAクラスのレベル30以上、最も奥の方になるとレベル50以上のSクラスかもしれない。
ボク達はそれらのガーディアンを撃破しながら遺跡の奥を目指した。
流石はオリハルコンの武器、これらのレベル30以上のガーディアンですら簡単に倒せるほどだ。
どうやらこのガーディアンはSクラスでゾルマニウム製のものが大半のようだな。
以前のボク達がもしここに来ていても勝ち目は無かったかもしれない。
しかし、今のボク達はレベル60以上でオリハルコン装備をしている。
そのおかげでボク達は遺跡の一階から地下五階くらいまで余裕で到着した。
そんなボク達の前に巨大な怪物が姿を現した。
アイツは……ひょっとして以前倒したタルカスか!?




