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860 砂漠に起きた奇跡

 ボクがサンドイーターを一人で倒して街に戻ると、街にいた人たち全員がボクに跪いた。


「救世主様、あの砂漠の脅威から私たちを助けていただき誠にありがとうございました」

「お兄ちゃん、すごい!!」

「まさかサンドイーターに襲われて生きていられるなんて、まさに奇跡じゃ」


 街の人全員がサンドイーターから助かった事を驚きつつボクに感謝している。

 まあ、あの怪物はボクでなければ絶対に倒せなかったからそう言われても仕方ないか。


『ユカ。救世主も板についてきたじゃないか』

『ソウイチロウさんが演出を教えてくれたからですよ。どう振る舞えばみんなが納得してくれるかがわかってきたって事ですから』

『そうだな、まあこれは私のゲームクリエイターとしてのシナリオが元になってるんだが、実践できているのはユカがきちんと私のやり方を覚えてくれたからだとも言えるぞ』


 ソウイチロウさんはボクの前世の人であって、別世界ではゲームという物語を作る作家や神のような存在だったらしい。

 だから救世主なんて演出も彼の手にかかればそう難しくはなかったようだ。


 実際これでこの街の人に信頼された今のボクなら砂漠の国について聞いてもみんな答えてくれるだろう。


「当然ですわ、ユカ様は(わたくし)達の自慢のリーダーなのですから。ユカ様がいればあんな程度のモンスター敵ではありませんわ」

「ルーム、ちょっと言い過ぎだよ」

「そんな事ありませんわ! (わたくし)達、この国に来ていきなり水泥棒の濡れ衣着させられたのですから、それくらい言わせてもらっても構わないですわよね!」


 この事についてはこの街の人はみんな口をつぐむしかなかった。

 仕方ない、ボクがどうにかこの場を納めよう。


「ルームさん、彼らも仕方なかったんだよ。この国では水は貴重品。それなのにボク達みたいな子供が分不相応に水を飲んでいたらそりゃ盗んだと思われても仕方ない。ボク達の見た目の問題だったんだよ」

「でも、それだと子供は親がいない時に水を飲んでいたらいつまでも疑われるという事ではありませんか?」


 まあこういう話になってしまうと思ったからボクはあえて水場を作ってここまで川を引いたんだよ。


「大丈夫、今後はそんな事を考える必要は無くなるから。皆さん、どうか街の外に出てみてください」


 ボクはこの街の人達を、自警団の人に言って街の外に出させてもらった。


「何だこれは!?」

「これは、奇跡なの??」

「信じられん。こんな所に川があるなんて……」


 砂漠の街の人達は全員が驚いていた。

 まあ昨日までこんな場所に川なんて無かったのがいきなり出来ていればそりゃあ驚くか。


 ボクはサンドイーターを倒した砂漠の中からこの街のほとりのオアシスまでに川をマップチェンジで作り、誰もが水で争わずに済むようにした。


「この水があれば誰ももう争う事はなく、自由に水を使ったり飲めるようになるはずです。これはボクが用意しました」


 ボクの言葉を聞いた街の人が一気に川に押し寄せた。

 まあこの大きさの川ならこの街の全員が水を飲んでも枯れる事、尽きる事は無いだろう。


 正直ボクもマップチェンジした後の水場がどうなるかはわからない。

 けれどこれが本当に創世神の力の一端だとするならあの水は尽きる事はないだろう。


 ボクのおかげで今後この街の人達が水で争う事は無くなるだろう。


 グゥー……。


 ——あらら、安心したらお腹が空いてきた。


「あの、皆さん。ちょっとお願いがあるんですが……」

「救世主様、一体どのような事でございましょうか! 我ら砂漠の民、救世主様の為なら何でも致します」

「いや、あの……その、実は戦ったらお腹が空いちゃって……何か食べ物用意してもらえるかなと、お金はありますから」

「そんな、救世主様からお金をいただくなんてとても出来ません! 水をふんだんに使った最高の料理を用意させていただきます!」


 そしてその後、ボク達は食事を用意してもらう為にこの街の領主様の家に歓迎された。

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