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84 ぬかるみの死闘!

 私とアジトの二人だけの戦い! 遺跡の剣(エクスキサーチ)魂喰らい(ソウルイーター)のぶつかり合いはいつ終わるともなく続いた!


 キンッ! ズバッザシュッ! ガッ! ズザッ……ガッゴッ!


 私の剣は確実に幾度となくアジトの肉体を切り刻んだが、不死身の能力は斬られたその場から修復する。


「やるなぁ! 流石は国一番の戦士長の息子だ!」

「貴様に褒められても嬉しくはないっ!!」


 ザシュッ!


 私の一撃が確実にアジトの上体と下半身を二つに切り裂いた!

 だが、奴は動けない上半身ではなく下半身だけでキックしてきた!


「ハッハッハッハ……無駄だというのに!」


 斬り放たれた上半身が腕だけで歩き、その手で上体を跳ね上げて下半身がそれを受け止める。


「オレは疲れを知らず死にもしない。そして斬られるたびにその場ですぐに修復する」

「このバケモノめっ!!」


 奴の言っているのは、奴自身は疲れ知らずだが私は確実に疲労が蓄積すると言っているのと同じだ。

 このままでは私の方が疲労で根負けしてしまう、そうなると全ておしまいだ。

 今アジトと戦えるのは私だけしか残っていない。

 もしここにマイルさんが戻ってきたとしてもこの不死身のアジトの前には手も足も出ないのだ。


「そろそろ疲れてきたんじゃねぇのか? 剣の振りが鈍ってきたぞ!」

「ふざけるな! まだまだいけるっ!!」


 しかし本当にアジトの言う通り、いくら私の力がレベル44までなっているとはいえ疲労は蓄積する。ここまで連戦が続いているからだ。


「それならそろそろお前を倒してやる!」

「ムダだ! オレは不死身だ!!」


 コイツを倒せないとなると……別の方法を考える必要がある。

 しかし、今は戦いながら考えるだけの時間を取れる程余裕がない……!

 普段ならまだ“ドラゴンズ・スターシリーズ”等の攻略法から最適な攻略法を思い出したりもできるが、今はそれすら考える時間が無い。


「オラオラオラァ! そろそろ足元がお留守になってきたぞ!」

「しまったっ!」


 私は動きすぎて転倒してしまった、どうやら盗賊の酒樽だった物が壊れたまま液体が地面に垂れ流しになりそれを踏んでしまったようだ。


「貴様の魂! 貰ったァ」

「!」


 ザッ!


 私は初めてかすり傷を受けてしまった! かすり傷一つで魂を削られるような衝撃だ!


「……不思議だ……かすっただけなのに貴様の魂には不思議な味を感じる……」

「はあっ……はあっ…………」


 マズイ……奴に私が転生者だと気が付かれてしまったのか!?


「素晴らしい味だ……味見だけでこれだけ痺れるとは、貴様こそ邪神の1000個目の魂の捧げものにふさわしい!」

「ご遠慮(こうむ)りたいねっ!!」


 私は酒のしみ込んだ足元のぬかるみに沈み込み、靴を取られて転倒してしまったのだ。

 ……ん? ぬかるみ!

 そういえば盗賊の住処の前哨戦で死体処理に底無し沼を使ったっけ。

 そうだ! これならいくら奴が不死身でも二度と姿を見ずに済む!

 私は自身の気持ちが高ぶってきた! ソイヤッ!!


「目の前の足元を泥沼にチェンジ!」


 私は気づかれないように小さな範囲をマップチェンジした。

 天井から奴に攻撃してみるかっ! 私はそこそこの大きさの鎧の溶けた金属の塊を天井に投げつけた


「勝ち目がなくなったから奇策か? もう打つ手がないようだな!」

「そうでもない! お前はもう終わりだ!!」


 これはタダの目くらましだ、ヤツの視点を上空に向ける事、その間に!


「みんな、床の魔法陣の外に出ろ!」


 ここは邪神の神殿跡だ、邪神封印の魔法陣が25メートル四方くらいのデカさで床に刻まれている。

 ここの魔法陣を全て底なしの沼にしてしまえばアジトは動けないまま地の底に引きずり込める!!


「アジト……お前はもうおしまいだ!」

「何だと?」

「ボクがお前に引導を渡してやる!!」


 後はどれだけ奴に気づかせずにこの作戦を実行できるかだ!

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