表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

848/944

838 入り口に入れない家

 どうやら大魔女エントラ様が言うには、この森には何かのトラップが仕掛けられているらしい。

 多分トラップを仕掛けたのはボルケーノ様で間違いは無いだろう。


 だがこのトラップ、ボク達を殺そうという罠ではなく、中に入れさせない為の物らしく、魔力にも嫌な悪意は感じない。


「あー面倒だな、こんな森一気に焼き払って先に進めば良かろう」

「アンタはバカかねェ! そんな事をしたら森が死んでしまうからねェ!!」


 黒竜王ヘックスがとんでもない事を言って、大魔女エントラ様に怒られている。


「死ぬと言っても、どうせ数十年もすれば元の森に戻るだろうが、お前こそたかだか数十年の事で何をそんなに気を張っているんだ?」


 あ、そうか。

 長い時を生きる黒竜王ヘックスにとっては数十年なんて一瞬の事程度にしか感じないのか。


「まったくタワケよのう、お主には風情とか情緒というものが無いのか? 散り行く一瞬の為にあでやかな花を咲かせる、こういうものが刹那であり、また生命の息吹じゃというのに。それを何の気も無く一瞬で焼き払ってしまっては全てが灰になってしまい何ひとつとして残らんではないか、このくそタワケ」


 アンさんも長い時を生きるドラゴンの神様だというのに、まるで考え方は正反対だ。

 彼女は一日、いや一瞬の命の儚さ、美しさを求めるタイプだと言えるのかな。


「とにかくこの森を焼く事はワシらが許さんぞ、へっくす」

「わかったわかった、それじゃあどうにかしてこの森を抜ける方法でも考えてくれ。俺様はもう知らん」


 あーあ、黒竜王ヘックスがへそを曲げてしまった。

 どうにか彼の子孫であるフロアさんやサラサさんが森から見つけてきた木の実を彼に手渡した事で少しは機嫌が直ったようだが、とにかく早くココから抜け出さないと……。


 しかし森は鬱蒼としていて、前に進んでも後ろに進んでも何度も同じ場所に出てしまう。

 どうやら同じような場所がずっと続くから迷ってしまうようだ。


 それなら一度この森全体を見てみる事にしよう。


「ボク達の足元の地面の高さを小高い丘くらいまでチェンジ!」


 ボクのマップチェンジスキルは森の一部を小高い山に変えてしまった。

 この高さからならボルケーノ様の家が見つかるかもしれない。

 ボク達は辺りを見回してみた。


「あ、あそこに何か小さな家らしきものが見えます!!」


 フロアさんが森の北東の方角に何かを見つけたようだ。

 ボクはこの森の地面をマップチェンジで隆起させながらその家の方に向かった。

 小高くなった道は迷うことなく、小さな家にまで到着出来た。


 家の前に到着したボクは、小高く盛り上がった道を全部元の高さの森に戻した。

 これなら森の環境を変化させる事も無く元通りに戻せるだろう。


「ほう、面白いスキルの使い方ぢゃのう……」

「この声、誰ですか!?」

「ほっほっほ、お前さん達、儂に会いに来たのぢゃろう。少しテストさせてもらうぞ。その家の入口、手を使わずに家の中に入れたらお前さん達の話を聞いてやろう。どうぢゃ? 挑戦してみるか?」


 いかにもおじいさんといった声が聞こえてくる。

 この人がボルケーノ様なのだろうか?


「簡単な事だねェ、こんなの魔法でカギを開ければすぐにでも……」

「ほっほっほ、そこのおっぱいの大きなお姉ちゃん、ここは魔法禁止区域ぢゃぞ」


 大魔女エントラ様もルームさんもアンさんも、全員が魔法を封じられているようだ。

 どうやらこの家全体がマジックキャンセラーの魔法陣の上に建っているらしい。


「さあ、どうやってこの家の中に入れるかな? 儂とお前さん達の知恵比べぢゃ」

「くっ、不本意ですが一気に扉をぶち破ってみます」


 ホームさんが魂の救世主(ソウルメサイア)を構え、扉に突撃をしようとした。

 だが、扉に攻撃を仕掛けようとした瞬間、ホームさんは落とし穴に落ちてしまった。


「言い忘れたがこの家、下手に物理攻撃で入ろうとすると泥棒除けの落とし穴があるからのー」


 それを先に言って下さいよ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。

魔族の男がポンコツ女に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ロボアニメネタ始めました。

子供の頃見ていた合体巨大ロボアニメの超絶不人気外道悪役に転生してしまったエンジニアの俺が生き延びる為に!?

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ