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833 不穏な皇帝

 帝国騎士団の隊長は唖然としている。


 偵察に出たと思っていたボク達が大軍勢のアンデッドだけでなく、敵のボスである魔神化したテリトリー公爵すら倒して戻ってきたわけだから。


 決死の覚悟で王都を守ろうとしていた彼らには悪いが、多分彼らが戦いに出ても間違いなく全滅だっただろう。

 下手すれば敵のアンデッドの数がさらにここにいる兵士の数だけ倍増して王都に侵攻してきていた可能性も高い。


 だが、それらのアンデッドとテリトリー公爵の魔神はボク達が倒した。

 その為、彼らは言うならば肩透かしを受けた状態だと言える。


「皆さん、少しの間待っていてください。ボク達が皇帝陛下にご報告してきますので」

「り、了解であります! ユカ様」


 隊長は敬礼をし、ボク達が戻るまで待機する事になったようだ。


 飛行艇グランナスカから降りたボク達は、宮殿の中に入れてもらい、グランド皇帝に挨拶をした。


「皇帝陛下、ユカ・カーサです。ご報告する事があり、帰還致しました」

「おお、ユカよ。よく戻ってきてくれた。エリア様もご無事そうで何よりです」

「陛下、表の広場に結集している兵士達の事なのですが……」


 ボクはグランド皇帝にもう兵士は必要ない事を伝えようとした。


「おお、ご覧になられましたか。あれぞ発掘したゴルガの武装で固めた兵士達です。彼等の力があれば魔族だろうがアンデッドだろうが敵ではありません!」

「もう必要ありません。アンデッドと魔族、さらにテリトリー公爵はボク達が倒しました!」


 この報告を受けたグランド皇帝も流石に驚いたようだ。


「倒した……だと、あの大軍勢のアンデッド達を!?」


 流石のグランド皇帝もボクの報告をそのまま信じる事は出来ないようだ。


「確かにユカ様達が強いのはわかります。ですが、今回の軍勢は下手すれば以前南方に大量出現した魔族の大軍勢よりも強いはず……それを倒したと言うのですか!?」

「はい、ボク達で逆賊テリトリー公爵の変化した魔族の群れを倒してきました」


 グランド皇帝は杖を床に転がしてしまった。

 まあ決死隊を結集してまで戦おうとしていたくらいだ。

 それくらい強大な敵をボク達はたった数人で倒したわけだ。


 そりゃあ誰もこんな事信じられないだろう。


「ほう、普通ならとても信じられないが……ユカ様とエリア様なら信じられよう。わかった、外にいる兵士達には別任務としてテリトリー公爵領の圧政や不正の証拠を捜査させる事としよう。ユカ様、その間是非ともゆっくりお休みください」


 グランド皇帝は冷静さを取り戻しボク達を宮殿でゆっくりするように言ってくれた。


 ボク達は飛行艇グランナスカを中庭に待機させ、グランド皇帝の宮殿で休む事になった。


 しかしボクは何か腑に落ちないものを感じていた。

 あの決死隊、装備が普通じゃなかった……。

 まるで、アルカディアで見たような古代の兵士達の装備、それは明らかに今の世界には過ぎたる力だったからだ。


 ひょっとしてグランド皇帝は、あのゴルガの武装で世界征服を企んでいるのでは!?


『ユカ、どうした? 何か悩んでいるようだが』

『ソウイチロウさん、実は……ボクはあのグランド皇帝が世界征服を企んでいるのではないかと思ったんです』

『そうか、実は私も同じ事を考えていた……あのゴルガの武装、あれは明らかに普通の装備ではない。ひょっとすると、本当はテリトリー公爵の反乱を利用して発掘兵器ゴルガの武装を試そうとしていたのではないかな、と思ったんだ』


 やはりソウイチロウさんもそう思っていたらしい。


 このままグランド皇帝に従うのは危険かもしれない。

 ボク達は一度この国を離れた方が良いのかも、ボクはそう考えた。


 あの飛行艇グランナスカならどこでも行く事が出来る。

 一度この国を離れよう!


 ボクはみんなにこの事を伝えようと決意した。

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