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811  黒竜王の黒いブレス

 ◆◇◆


 山を登っていたボク達だったが、登る度に叫び声が大きくなっていく。

 どうやら黒竜王ヘックスのいる場所に近づいているようだ。


「凄い鳴き声ですね」

「そうねェ。アイツは態度も声も大きかったからねェ。でもここまで鳴き声が大きいって事はどうやら完全に起きてしまったみたいだねェ」


 どうやら眠っていた黒竜王ヘックスを起こしてしまったのはボクのせいのようだ。

 ボクが空帝戦艦アルビオンでパレス大将軍の攻撃を受け止め、その魔力の全てを解き放った衝撃波、これが遠く離れたこの場所にいたヘックスに当たったらしい。


 そして目を覚ました黒竜王ヘックスはボク達のいた空帝戦艦アルビオン目掛け、黒い光のブレスを放ってきた。

 あの時もし大魔女エントラ様がボク達にすぐに逃げるように言わなければ……ボク達はあの時点で飛行艇グランナスカごと光の中に消滅していたかもしれない……。


 ボク達が今から会おうとしている黒竜王ヘックスとはそれ程の怪物なのだ。

 かつては世界を敵に回して戦ったともいわれる伝説の黒いドラゴン……。


 今のボク達は魔将軍アビスの眷属を倒し、大量の人間を踏み潰したあの巨竜城塞を破壊したくらいの強さだ。

 世間でいえばSSS、伝説クラスだと言われるだろう。


 ――だが黒竜王ヘックスは伝説クラスを超えた神と戦ったレベル、つまりは神話クラスの怪物だ。

 この黒竜王ヘックスと同等の力を持つとすれば魔王ゾーンか邪神ダハーカくらいのものだ。


 出来るだけ戦いたくない相手だが、話が通用するのだろうか?

 まあかつての仲間である大魔女エントラ様なら話が通じるのかもしれないが、ボク達は黒竜王ヘックスに会うのは初めてだ。


 ボクの先祖であるバシラやホームさんやルームさんの先祖の魔法王テラスは実際に一緒に旅をした仲間だったそうだが、ボク達がその子孫だからと話をきちんと聞いてもらえるのだろうか。


 下手すればいきなり開口一番攻撃を仕掛けてきてもおかしくはない。

 黒竜王ヘックス相手にはボク達の常識が通用するとは限らないんだ。


「グゴォォォォオオオオンッ!」


 ボク達が山を登り続けていると、どんどん黒竜王ヘックスの雄たけびが大きくなっていった。

 それだけ彼の住んでいる場所に近づいているのだろう。


 黒竜王ヘックスは本当にボク達と話が出来るのだろうか?


 まさか人の話を聞き耳持たずいきなり攻撃してくるような相手なら、こちらもそう準備しなくてはいけない。

 まあ大魔女エントラ様が言うには、扱いにくい性格ではあるが話を全く効かないタイプではないという話だったので、戦闘よりも話し合いで説得する事を考えよう。


 そう思っていたボクだったが、黒竜王ヘックスは既におかしくなっていた。


「ユカ! 何か凄い魔力を感じるねェ! 伏せて!」

「伏せても間に合いませんよ! ボク達の周りの地面の高さをチェンジ!


 シュバァアアンッ!


 ――間一髪だった、ボク達は地面の高さを変えた事で黒いブレスを避ける事が出来た。


 だが、もしあのブレスを喰らっていたら……ひとたまりも無かったかもしれない。


 まったくどこが話し合いの出来る相手なんだよ!

 問答無用でブレスを撃ってくる恐ろしいドラゴンじゃないかっ!!


 これはもう対決必至だな。

 今から山を下りようとしてももう既に黒竜王ヘックスはボク達をターゲットにしている可能性がある。

 それなら下手に逃げるよりはまだ戦った方が勝ち目がある。


 ボク達は前方から黒いブレスが襲ってこないように地面を深く掘り下げながら前の前の岩を魔法や剣等で破壊し、ついに黒竜王の住む場所に到着した。


 そこに居たのは……巨大で全身を黒い鱗に包まれた伝説の黒竜王ヘックスだった。


「グギャアアアアオオオオンッ!」


 あの見た感じ、どう見ても話が通じるタイプだとはとても思えない。

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