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793 ポルタ兄さんはアンデッド!?

 ボクの兄、ポルタ兄さんはこの王都に住んでいる。


 確かもらった手紙では、職人街の赤い建物の二階で……ここだ!


「ポルタ兄さん!」

「え? 誰かと思ったら……ユカ! ユカじゃないか! よくここが分かったな」

「兄さん、久しぶりだね」

「ああ、父さん達は元気か?」


 良かった、兄さんは特に何もなっていないようだ。

 だが少し顔色が悪いような気がする。


「父さんは南方から帰って来て村長の男爵になったよ」

「えええー? 父さんが男爵だって? ユカ、それは本当か??」

「うん、ゴーティ伯爵が功績に応じて任命してくれたんだ」


 兄さんは嬉しそうな顔を見せた。


「そうか、父さんあのヘクタール男爵に手柄奪われて悔しそうだったからな。でもヘクタールのヤツは反対しなかったのか?」

「ヘクタールならボクが倒したよ」


 まあ正式にはヘクタール男爵の変身したアンデッドを倒したのはソウイチロウさんなんんだけど、ここはボクが倒したって事で良いか。


「えええー!? ヘクタールって貴族だろ。それじゃあ反逆罪にならなかったのか??」

「それはボク達の父上のおかげです」

「おや、キミ達は誰だい?」

「ボクはホーム・レジデンス。ゴーティ・レジデンス伯爵の息子です」


 それを聞いた兄さんがいきなり地面に頭を叩きつけていた。


「は、伯爵様の、貴族様のご子息とは知らずに無礼を働きました、申し訳ございませんっっ」

「そんな、頭を上げてください」

「でも……」

「ユカ様のお兄様にそんな態度を取らせるわけにはいきませんよ」


 兄さんは顔を上げ、ボクに話しかけてきた。


「おい、ユカ様って……お前このご子息様とどういう関係なんだよ??」

「ホームさんはボクの旅の仲間だよ」


 兄さんが驚いたような呆れたような顔をボクに見せた。


「お前、冒険者になったって事か。で、今どんな仕事してるんだよ。C級くらいにはなれれたのか?」

「無礼ですわ、ユカ様はSS級冒険者ですのに、いくらユカ様のお兄様でもその言い方はありませんわ!」

「えええぇぇぇえ! え、SS級だってぇっぇー!?」


 兄さんがビックリしてひっくり返り、後ろから作りかけの錠前が落ちてきた。


 ガイィイイン!


「ぐぉおおおお! 痛いっ! 痛いぃぃー!」


 その様子を見たエリアさんが兄さんに駆け寄った。


「大丈夫ですか?」


 エリアさんが手をかざし、ヒールの魔法をかけようとした。

 するとポルタ兄さんは怯えたような表情でエリアさんを見て後ろに下がってしまった。


「や、やめろ。止めてくれ!」

「でも、傷が……」

「やめろって……言ってンダロオオオー!」


 兄さんの態度が急変した!?

 あれはまさか……アンデッド!?

 まさか、今まで兄さんは人間のフリをしていただけで、既にアンデッドになってしまっていたのか!


「ユカ様! 下がってください。ここは僕が!」

「止めてくれ、兄さんを……殺したくない!」

「ですが、もう彼はアンデッドに」


 兄さんの姿がどんどん崩れ落ち、アンデッドの姿になってしまった。


 こうなってはもう助からない、せめてボクがとどめを刺さないと!

 兄さん! ゴメンっ!!


 ボクがネオ・エクスキサーチを構えた時、エリアさんがボクの前に立ち塞がった。


「ユカ、焦らないで。まだ助かりますから」

「でも、一度アンデッドになってしまったら……もう元には」

「Σ§ΣΨΔΦ……ΔΣ……」


 エリアさんが呪文を唱えると、辺りに明るい光が広がっていく。

 光に包まれたポルタ兄さんが苦しそうだ。

 これは相手を消滅させる力、浄化する力なのか……。


 だが、そうではなかった。


 ――光が収まった時、そこには普段の兄さんの姿があった。


「ユカ、おれ、どうしてたんだ??」

「ポルタ兄さん、どうして?? アンデッドになっていたんじゃ……」

「おいおい、冗談を言うなよ、何でおれがアンデッドなんだよ、こうやってピンピンしてるじゃないか!」


 これは! これが……エリアさんの力なのか!

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