表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

80/944

78 作戦は同士討ち

 ドークツが懐から怪しげな物を取り出した。


「ヒャハハハハ! コレでもくらぇぃ!!」


 ドークツは何かをブランカの口に向けて投げた。


「ブランカ! ダメだ! 飲み込むな!」

「遅いわァ! ワシが操れるのは魔獣だけではない!!」


 何匹もの羽虫が塊になり何かの物体をブランカの口の中に押し込んだ!


「貴様! いったい何をした!?」

「ヒャハハハハ……それは憑依の実じゃ! 今から面白い事が起こるぞ!」


 そう言うとドークツはその場に倒れてしまった。


「一体何が……。ブランカ!? どうした?」

「ヒャハハハハ! ワシじゃよ……ドークツじゃよ!」

「何だと!?」


 ブランカの口からドークツの声が聞こえてきた。


「この憑依の実はなぁ……口にした生き物を自在に操る事が出来るんじゃァ! 使っている間はワシの身体が無防備になるので出来るだけ使いたくはなかったんじゃがなァ」


 何という事だ! ブランカはドークツに操られてしまった!


「よくもワシらをコケにしてくれたな……生かしては帰さんぞ!!」


 そう言うとドークツはブランカの身体を使い祭壇跡の巨大な像の方に向かった。


「逃げるのか!?」

「いや、違う……何か嫌な予感がする」


 ドークツが何をしようとしているのかまだわからない、今は様子見しかできないのだ。


「これじゃァ! これをソークツに!」


 ドークツはブランカの身体で邪神像に掲げられた巨大な戦斧を咥えると再度ソークツの傍に戻ってきた。


「ソークツ、それを使え!」

「そのコエ……あんちゃん? ナゼそんなのに?」

「馬鹿! 黙ってその斧を使え!」


 ソークツは常人には一人では持てない三メートル越えの巨大な戦斧を軽々と構えた。


「コレあでば、オデ、たぐざんにんリキだ!」


 言葉で何を言いたいのかまるで分らないが凶悪犯に刃物を持たせたような最悪な状況になってしまった。更に操られたブランカまでいる状態だ。


「ヒャハハハハハ……仲間同士醜く殺しあえーーー!!」


「グルルルルル……」


 ロボが臨戦状態だ。フロアさんもいつ指示を出していいのか緊張した表情で睨んでいる。


 そんな中で、私は先程から考えていた“ドラゴンズスターⅢ・Ⅳ”の鉄魔人を倒す方法が思い出せた! それはただですら低い命中率を幻影魔法でさらに低下させる方法だ!


「ルーム! 幻影系魔法は使えるか?」

「私に出来ない事はありませんわ……と言いたいところですが、幻影系魔法って何でしょうか?」


 どうやらRPGゲームでは普通にサポートとして使われる幻影系魔法だがルームはまだその概念にたどり着いていないのかもしれない。

賢者や大魔導士と言われるようなエキスパートなら知っているかもしれないがルームにはまだ早かったのかも。


「幻影魔法は、無いはずの物を相手に見せたり幻の自分を作る魔法の事だよ」

「なーんだそんな物ですか、でしたら水の魔法と光の魔法の合わせ技で出来ますわ!」


 ルームは確かに天才かもしれない。水と光の屈折で幻を作る事を一瞬で把握できたのだ。


「その魔法でドークツの周りに偽物のボク達を作ってくれ!」

「お安い御用ですわ! 名前は何といえば良いですの?」

「ミスト・イリュージョンでどうかな?」

「流石ユカ様ですわ! ではお任せ有れ!」


 鉄魔人攻略法はもう一つある。その強すぎる攻撃力は同士討ちさせるには最適な破壊力なのだ。

 先程ドークツが仲間同士で殺しあえと言っていたがまさにそれこそが鉄魔人の攻略法なのである。


「ルーム! ミストイリュージョンの形を決める事は出来るのか?」

「少し難しいですが可能ですわ!!」


 これで必勝法が出来た!


「ルーム! ミストイリュージョンをそこに倒れているドークツにかけて見た目はボクにしてくれ!」

「承知致しましたわ! ミストイリュージョン!」

「……ききき貴様らァ! 何をするだァー! やめんかぁー!!」


 ドークツが私達の作戦に気が付いたようだがもう遅い! 貴様らこそ仲間同士で潰し合え!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。

魔族の男がポンコツ女に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ロボアニメネタ始めました。

子供の頃見ていた合体巨大ロボアニメの超絶不人気外道悪役に転生してしまったエンジニアの俺が生き延びる為に!?

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ