787 ダークリッチVS大魔女エントラ
先程間違えて別作品の続きをアップしてしまいました。
お詫びに今日はもう一話追加でアップします。すみません。
大魔女エントラ様の防護結界のおかげでボク達は無傷だった。
どうやら先程の太陽砲は魔将軍アビスとその眷属にダメージを与えられたようだ。
「ギャァァッ! 熱い! 熱いィィィ!」
「何なのよ、アタシちゃんにこんな事をするなんて、許せない!」
間違いない。あそこにいるのは魔将軍アビスだ!
ボク達は城塞の真上から、一気に地面に向かって飛び降りた!
「何!? 黄金の……鳥!」
アビスとその眷属は怯んだようだ。
「魔将軍アビス! お前達は絶対に許さないっ」
「その声は……ユカッ! またお前なのかぁぁぁ!」
ボクの持つ聖剣――ネオ・エクスキサーチ――が光った。
この剣は僕の持つ魔力を攻撃力に増加する事の出来るオリハルコンの剣だ。
ボクは剣で一気に城塞の巨竜の首を切り落とした!
「GYAAAAAAOOOOOM!」
巨大な竜の首が地面に落ちた。
そしてバランスを崩した城塞は斜めに傾いた。
「この辺り一帯の地面をぬかるみにチェンジ!」
ボクの得意技、マップチェンジだ。
これで足元を動けなくしてしまえば、いくら巨大な移動城砦でももう動けまい!
そしてボクの仲間が次々にグランナスカから飛び降りた。
ホームさん、ルームさん、それに大魔女エントラ様にアンさん、フロアさんとサラサさんにシートとシーツの双子の狼、全員が降り立ち、巨大城塞を攻撃した。
「――いつもいつもいつもいつも……アタシちゃんの邪魔をしてくれて、マジでアンタ達全員大嫌いだわっ!」
「生憎だったわねェ。妾もお前の事が大嫌いなのよねェ」
「無論ワシもじゃ。この毒婦が、一度鏡で己が顔を見てみるがよいわ、人に見せるに堪えぬ顔をしておるぞ。お、すまなかった、魔の者は鏡に映らんのじゃったな」
「殺す! コイツら全員殺してやるわ! さあ、アンタ達、コイツらを皆殺しにしなさい」
「「「はい、お姉様!」」」
敵は魔将軍アビスだけではなくSSクラスのダークリッチ、バンパイアロード、それにビーストマスターだ。
彼女達一人だけでも小国なら滅ぼす事の出来るような連中だ。
それが三人いる上、魔将軍のアビスまでいる。
だが、ボク達は誰一人として負ける気はしなかった!
――ボク達は強い! それに今持っている武器はターナさんによって作ってもらった世界最高の金属オリハルコンで作られた国宝級の武器ばかりだ。
「わたしの相手はアンタってわけだね、オバサン!」
「誰がオバサンだってェ……小娘が、妾に魔力で勝てるとでも思っているのかねェ!」
どうやらダークリッチと戦うのは大魔女エントラ様のようだ。
「このわたし、アナ様を怒らせて生きてられたやつは一人もいない!」
「へェ。それじゃあ妾がその最初の一人になろうかねェ!」
軽い口調だったが、大魔女エントラ様はアナ目掛け、三属性の魔法を一気に叩きつける離れ業をやってのけた。
「フフフフ、魔力はアンタの方が上と言いたいのかしら。でも当たらなければ意味は無いのよ!」
なんと、ダークリッチのアナという女は……大魔女エントラ様の魔法を全て吸収してしまったようだ。
「ウフフフフ、極上の魔力、ありがとう。おかげでとても満たされたわ。お礼に惨たらしく殺してあげるっ!」
「へェ。あの魔力を全部平らげるとはねェ。どうやらアンタの能力は魔力の吸収だと言いたいみたいだねェ」
「そうよ、だからわたしの前にはどんな魔法も意味が無いの。魔法を使えば使うほどわたしの力になるのだから」
大魔女エントラ様は余裕で笑っている。
彼女にはまだ何か打つ手があるのだろうか……。
「アンタに良い言葉を教えてあげるわ」
「何よ、偉そうに!」
「井の中の蛙大海を知らずってね。まさにアンタの為にあるような言葉をねェ!」
そう言うと大魔女エントラ様は杖を高く掲げた。
「強い魔力をぶっぱなしたり相手の魔力を吸収するだけが能じゃないからねェ」
大魔女エントラ様にはまだ何か奥の手があるようだ……。




