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774 大人げないゲーム対決

「よー、ユカじゃねーか。そんなに真っ赤になってどうしたんだー?」

「カイリさん達こそ、どこ行ってたんですか?」

「ゲームセンターだよ。どうやらこのアルカディアってとこは色々と面白いものがあるみたいでなー、ダーツとかビリヤードとか、後は銃を撃ったりするゲームってのが色々あってフロアとそれを楽しんでたってわけよー」


 どうやらボクがお風呂でひどい目に遭っている間、この人達は自分達だけでゲームを楽しんでいたらしい。


『ユカ、何だかやるせない気分って感じみたいだな?』

『ソウイチロウさん、ソウイチロウさんはゲームってやった事あるんですよね?』

『やった事あるどころか、元々作る側の人間だったんだが……』

『それならあの人達をゲームで打ち負かせてください!』


 ボクはソウイチロウさんに無茶ぶりをした。

 だがソウイチロウさんはそれをすんなりと受け入れてくれた。


『そうだな、久々に大暴れってのも良いかもな。ユカ、身体を借りるぞ』


 ボクの身体を借りたソウイチロウさんはカイリさん達に勝負を挑んだ。


「面白そうな事やってたんですね、ボクもやらせてくださいよ」

「ああ、向こう行ってみるかー、まあ素人には難しいと思うけどよー」


 ソウイチロウさんは不敵な笑みを浮かべていた。


「そうですね、それじゃあ勝負してみましょう!」


 ソウイチロウさんはまずビリヤードゲームでカイリさんと対決した。


「ユカ、ルールは分かってるのか?」

「はい、そのボールを穴の中に落とせばいいんですよね、それで白いのは落としてはいけない」

「よくゲームやる前からルール知ってたなー。俺まだ何も言って無いのによー」


 ソウイチロウさんはまずボールの反射角度などを全部計算した上で連鎖的にボールを効率的に落とした。


「ゲッ! ま、マジかよー。オレより上手いじゃねーか!」


 カイリさんが驚いている。

 でもソウイチロウさんは不敵なドヤ顔でさぞ当然といった感じだった。


「よし、それじゃあ次はダーツだ。今度は俺が勝負する!」

「フロア様。我、やってみたい」

「サラサ、いつの間にここにいたんだっ?」


 それ反則でしょっ! どう考えても狩猟民族の獣人に勝てるわけが無い。


 ――結果はさんざんたるものだった。

 全部真ん中に当てる事の出来るサラサさんに投擲で勝てるわけが無い。


「ユ、ユカさん悪かったよ、それじゃあ次はこれで……」

「良いですよ、ボク気にしてませんし」


 いや、ソウイチロウさん目が笑ってないんで、これ本気で怒ってるでしょ。

 次は銃を撃つゲームで勝負になった。

 今度はサラサさんもフロアさんを立てる形で順番を譲ったようだ。


「それじゃあ! 勝負!」


 この銃を撃つゲーム、ハッキリ言って勝負にならなかった。

 ソウイチロウさんはまるでどこから敵が出てくるのか全部わかった上でやっているように、その場からほとんど動かず出る敵出る敵全てを片付けていった。


 それに対してフロアさんはどうにか常人から離れた動きで対抗しているようだ。


 これだけ体を使う動きをしていれば、長期戦に強いのはどちらかは明白だ。

 肩で息を切らせているフロアさんに対し、ソウイチロウさんはほとんどノーミスで最後のボスを倒していた。


「はい、一丁上がり」

「負けた……ユカさん強すぎですよ」


 どうやらソウイチロウさんはこれで満足したようだ。


『ユカ、久々に楽しめたよ。それじゃあ体を返すな』

『はい、わかりました』


 ボク達はゲームを終わらせ、それぞれが部屋に戻った。

 このアルカディアにはボクの知らなかったものが色々あったけど、ソウイチロウさんはそれらのものの大半を理解していた。


 本当に彼のいた世界ってどんな場所だったんだろうか……。

 ボクはそんな事を考えながらいつの間にか疲れて眠りについていた。

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