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749 黒竜王との和解

◆◆◆


「何……だと!?」


 俺様は上空から降り注ぐ炎に包まれた巨大な隕石の群れに打ちのめされた。


「グオオオオオオオッッッ‼‼」

「ハハッ、いくら最強のブラックドラゴンでも、アタシのこの魔法の前には敵じゃないってねェ‼」


 油断した!

 この魔法使いの女、俺様が知っている中でも最強の部類に入る。

 まさか降り注ぐ流星を使った魔法なんてのは、長年生きているが初めてのものだ。


 それよりもこの魔法、属性とは関係なくダメージがデカすぎる!

 俺様は自身の痛みよりもあの獣人の少女が粉々に砕けるのが嫌だ!


 それだけは絶対に避けなくては!

 俺様は黒い光の膜に覆われた獣人の少女を庇うように丸まり、降り注ぐ隕石の攻撃に耐え続けた。


「エントラ、もう良いんじゃないのか? さすがにこれ以上はやりすぎになるぞ」

「そうねェ、ここまでダメージを与えたら十分かねェ。アタシの魔力もかなり使い切ったし」

「バシラ、それよりあのドラゴン、何か守ろうとしているみたいですわ」


 マズい! 獣人の少女の事がバレてしまう。

 頼む、彼女には手を出さないでくれ。


「どうやらあの黒い塊が黒竜王ヘックスの弱点みたいだな、ボクが倒してやる!」

「くッ‼ 俺様の命に代えてもコレは渡さんぞォ!」


 俺様はボロボロになりながらも口から黒いブレスを吐き続けた。

 だがバシラとか呼ばれた戦士は俺様のブレスを剣で吸収しながら突進してくる。


「頼む! やめてくれ、やめてくれぇえええ!」

「――黒竜王ヘックス、トドメだぁーッ!」


 戦士は跳び上がり、うずくまりながら黒い光の膜を守ろうとする俺様に斬りかかってきた!


「‼ !?」


 終わった……俺様が諦めようとした時、戦士は剣を振るうのをやめた。


「バシラ! どうしたの? とどめを刺すんじゃないの??」

「ダメだ、人質がいる……」

「えっ! どういうこと!?」


 何か勘違いされたようだが、俺様も獣人の少女も助かったようだ。


「黒竜王ヘックス! お前は人質を使ってボク達を脅そうと言うのか! 見下げ果てたヤツだなッ」

「ぬ? 何だと……どういう事だ!」

「え? その黒い塊の中の少女はお前の人質ではないのか!」


 どうも話が食い違っているようだ。

 だがこれ以上この連中と戦っても俺様に損な上、獣人の少女が今度こそ壊れかねない。


「そうはさせないねェ! アタシがその子を助けてあげるからねェ‼」


 魔法使いの女はそう言うと俺様の手元から黒い光の膜を一瞬で移動させた。


「さあ、これでもうアンタに打つ手は無いからねェ、今度こそ覚悟するんだねェ」

「待て、誤解だ! 俺様はその娘を人質になどしていない!」

「どういう事だ、それなら何故……」


 俺様は今までの経緯を彼等に話した。


「――成程ね、初めて自分に優しくしてくれたこの子に貴方は惚れたってわけですわね」

「だけど邪神の生贄にされそうになったので、この子を助けるために貴方は戦った」

「世界を敵に回したドラゴンがたかだか一人の少女の為に命を懸けたってわけねェ。アンタそれほどその子に惚れてしまったんだねェ」


 彼等は俺様の話を真面目に聞いてくれた。


「そうだ、だが数百年探しても俺様は彼女の呪いを解く事ができなかった。だから諦めて彼女を守りながら眠っていたのだ……」

「そりゃあエントラが悪いな。ボクのとこの魔法使いが貴方を起こしてしまって悪かったよ」

「まあ俺様も数百年ぶりに思いっきり戦って楽しかったがな……もう起こさないでくれ。……」


 俺様は再び眠ろうと獣人の少女を返してもらう事にした。


「待って……この呪い……わたくしなら解けるかもしれませんわ」

「何だと!? 俺様が数百年かかっても見つけられなかったんだぞ! 出まかせを言うと流石に許さんぞ!」

「いいえ……これは、間違いありませんわ。バシラ、エントラ……二人とも手伝ってくれますか?」

「わかった、テラス」

「まあテラスちゃんが言うなら、仕方ないねェ」


 このテラスという魔法使いの女……本当に邪神の呪いが解けるのか!?

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