73 華麗なる人質救出作戦!
思い出せ! “ドラゴンズスターⅣ”で偽姫様を人質に取られた時は……古代の腕輪を引き換えに交換してもらった。
“ドラゴンズスターⅥ”の時は村娘を人質に取られて身代金受け渡しの山小屋に行って直接盗賊をフルボッコにした。
“ラスティング・サーガ”で恋人をハーレムに取られた時はハーレムに女装して乗り込んで人質を助けた。
……ダメだダメだ! どれも敵が一人とかせめて二人三人くらいの場合だ、今回は敵の人数が多すぎる。
そう考えると……“ドラゴンズスターⅩⅣ”の法皇庁からの人質救出ミッション! これはユーザーにもかなり高難易度で不評だった人質のHPが時間経過で減るやつだった。
これだ! この攻略法を参考に人質を助けよう。しかし、ネックなのが逃走防止に欠損にされている女子供が多い事……これがまともに歩けたりすればどうにか助けられる。
『保護されました』『無事保護されました』『発見されました』ニュースでよく聞くくだりだ。
これの意味は、『保護されました』は既に危害を受けていて命だけは助かった状態、『無事保護されました』が手を付けられる前の未遂で助けた場合、『発見されました』が……最悪の死体で見つかった場合だ。
今回は、『保護されました』に当たるパターンだろう。そうなると、せめて心身の身体だけでも正常にしないといけない……エリアならそれが出来る!
「エリア! ボク達が君を守る!! だからこの辺りの女の子や子供にレザレクションを頼む!!」
「ユカ……うん! わかった」
これでエリアのレザレクションで欠損部分まで復活再生できれば人質を動かして逃がす事が可能だ!
「正しき力よ……その四肢を失われた者に再び本来の姿を! レザレクション!!」
辺り一面を眩い聖なる光が包み出した。盗賊達はなぜか苦しんでいるが、人質だった女性や子供は温かい光に包まれ……四肢を奪われた者達に奇跡が起こった!
「そんな……私、歩ける。歩けるよ!」
「アタシの手……こんな形してたんだ」
「ぼく……ゆめ見てるんじゃないよね?」
苦しむ盗賊達を押しのけ、私達は凌辱用の女の子や子供を集めた。これで全体の半数かは助ける事が出来たはず。しかし、まだ鎖で繋がれたままの奴隷として売る商品用の人質が残っている!
「貴様らぁ! よくも俺達をコケにしたな!」
「ぶっ殺してやる!」
よく見ると盗賊の半数が人間をやめているようだった。先程のレザレクションで苦しんでいたのも納得だ。コイツらは既に人間ではない。
盗賊の一部が異形の姿に変わった、コイツらは邪神に魂を売る事で魔族の眷属になったのだ。
……人質を一切傷つけずに盗賊の成れの果てを倒す方法……これだ!
「ホーム! 出来るだけ防御メインで人質の近くから相手に攻撃させて盗賊を動かしてくれ!」
「ユカ様! 了解です!!」
「ルーム! エアリアルバーストであのあたりの盗賊を吹き飛ばしてくれ!!」
「承知致しましたわ!!」
さて私は一旦、ここに歩けるようになった人質を連れてきて外に避難させなくては! 少し博打になるがワープ床は座標指定できるのか?
「足元の床をワープ床にチェンジ!」
私の足元に『クーリエの神殿』で作ったのと同じワープ床が出来た。これで座標指定はしたはずなので外に出れるはず。一度試してみるか!
「みんな、一旦外に行くよ!」
「ハハハハ! ここから生きて出られると思うな!」
私はワープ床に踏み込んだ……成功だ! 少し座標はずれたが、バカな盗賊の白骨死体の見える場所に私はワープできた。
「ここの床を盗賊の住処の中へのワープ床にチェンジ!!」
これで往復可能である! 私は再度ワープ床から盗賊の住処の祭壇跡に移動した。
「な??? どうなってやがる!?」
盗賊はいきなり消えた私が再び戻ってきたので驚いていた。
これで人質を外に逃がす下準備は出来た!!