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716 ユカ対パレス大将軍 1

「ウォールの息子よ、悪いが最初から全力で行かせてもらうぞ!」


 パレス大将軍はそう言うと剣を構えた。

 ボクはそれに対し、新生エクスキサーチで対抗しようとした。


「ほう、良い剣だな……まさか、この剣が鳴くとは」


 キイィィイイン……キイィンン。


 剣と剣が共鳴している。

 これは一体どういうことなのだろうか。


「フハハ、オリハルコンはオリハルコンと共鳴するのだ。貴様の持っている剣はオリハルコンで出来ているのだろう。そして、我の持つこの剣も……オリハルコンで出来ているのだ。これはいい勝負が出来そうだな」


 大将軍パレスの持つ剣は世界最高の剣と言われている聖剣だ。

 剣士なら誰もが憧れるその剣は、彼の象徴とも言えるだろう。


「見るがいい、これが我の愛剣、天宮の衝撃(アークインパルス)だ」


『聖剣、天宮の衝撃(アークインパルス)


 アレは間違いなくボクの持つ新生エクスキサーチと同じかそれ以上の剣だ。

 それを世界最強のパレス大将軍が持っている。


 ボクはこの相手に勝てるのだろうか……。

 だが相手が一騎打ちを望んでいるのなら、それに応えるのも当然だ。


 ボクは新生エクスキサーチを構えてパレス大将軍の攻撃を待ち構えた。


「行くぞっ! ウォールの息子よ!」


 全身鎧を着ているとはとても思えないような素早さで跳躍したパレス大将軍はボクに向かって踏み込んで剣を振るってきた。


 キィインッ‼


 オリハルコンとオリハルコンの弾ける音がする。

 その後パレス大将軍はボクに猛ラッシュで剣戟を繰り広げてきた。

 だが、何かがおかしい……。


 今のボクには世界最強と言われているはずのパレス大将軍の攻撃がそれほど脅威だとも思えないのだ。

 むしろホームさんと訓練の模擬戦をやった時の方がよほど強く感じたかもしれない。


 だがその違和感はどうやらパレス大将軍も気が付いていたようだ。


「ほう、我の剣戟をこうも容易く弾くとは、流石だな」


 ――そうか、いくらパレス大将軍が世界最強と言っても、それはボク達以外から見た強さなんだ。


 確かに父さんのウォール兵士長がレベル40、ホームさんの父親の元騎士団長ゴーティ伯爵がレベル38前後だとすると、パレス大将軍の強さはレベル50近くといったところかもしれない。


 だが今のボク達は数万の魔族や魔将軍、それに古代の破壊神までも倒したレベル70近くだ。

 そのレベルからすると世界最強のパレス大将軍も今のボク達の敵では無いのかもしれない。


「それでは我も本気を出させてもらおう! リミットブレイクッ!」


 ボクの目の前でパレス大将軍の力がどんどん上昇している。

 なるほど、これが世界最強のパレス大将軍の強さだったのか。


「このリミットブレイクは我の持つ力を全力で出し続けるものだ。この状態では一切の手加減は出来んぞ! 覚悟するがいい」


 ボクは剣を構え、再びパレス大将軍の攻撃を待ち構えた。


「甘いわっ!」

「なっ!?」


 リミットブレイクをしたパレス大将軍の動きは、先程とは比べ物にならない程早かった。

 そしてその一撃は重く、剣で受け止めたボクは壁まで吹き飛ばされてしまった。


「ぐはっ!」


 強い、これが世界最強の男パレス大将軍なのか……。

 ボクは壁から元の場所に戻り、剣で攻撃を仕掛けた。


 あの速さと攻撃力相手には待ち構える戦法は効果が無い。

 それよりもこちらからも猛攻撃を仕掛けた方がまだ勝ち目がある。


 ボクは新生エクスキサーチで大将軍パレスに何度も斬りつけた。

 リミットブレイクしたパレス大将軍と今のボクではレベル差で言えばほとんど変わりがないだろう。


 ボク達の戦いはほぼ互角と言えるものだった。


「はぁっ……はぁ……」

「見事だぞ、我を相手にここまで長い間戦い続けるとは」


 パレス大将軍もその表情は穏やかなものではなかった。

 彼も肩で息をしているくらいだ。


 だがこの勝負をいつまでも続けるわけにもいかない。


 そう思っていたボクだったが、この対決をニヤニヤしながら見ている奴がいることにはこの時は気が付かなかった。

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