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694 破械神のあとしまつ

 ボクは崩壊、爆発寸前のバロールから脱出し、今は成り行きで泥沼の中から這い上がってきた。


「ユカ坊っ」

「ユカさん!」

「ユカ様……」


 みんなボクのことを心配してくれていたんだ。

 エリアさんは泣きそうな表情でボクを見つめている。


「ユカ……私、とても心配しました……あなたが帰ってこないかと……」


 みんなを心配させてしまったボクはとても反省した。


「ごめん、みんな。もう心配させないよ」


 そういうと、泥まみれのボクにみんなが駆け寄ってきた。

 全員が泥まみれになったが誰もそれを嫌がっている様子はなかった。


「ユカさん、上を見てください! バロールがっ!」

「何だって!」


 バロールに何かあったのか、ボクが上空を見上げると、崩壊していくバロールはその全身が真っ赤に燃え上がっていた。


 ズゴォオオオオンッッ‼ ボガァアアアンッ‼


「みんな! 伏せてっ‼」


 ボクは全員にその場に伏せるように大声で叫んだ。

 その直後、バロールだったものは空中で爆発四散し、粉々に砕け散った。

 その爆発の際の衝撃波と轟音はエルドラド全体に響き渡るほどだった。

 バロールの破片の機械と液体はボク達の上空から、瓦礫の雨になって辺りに降り注いだ。


 長きに渡り世界を恐怖に染め上げた古代ゴルガ文明の破壊の機械神バロールの本当の最後だ……。


 ボク達はついにあの究極とも言える最強最悪の敵を倒した。


「やった……ボク達はついにあのバロールを倒したんだ」


 全員がその場にへたり込んだ。

 バロールとの戦いは体力も精神力も全て使い果たし、ここにいるみんながヘトヘトになっている。


 ボク達は全員、その場で眠りに落ちてしまった。


「ン……みんなは?」


 どうやら最初に目が覚めたのはボクだったようだ。


「ユカ……大丈夫?」

「エリアさん? ひょっとして起きていたの?」

「はい……。私は無事でしたから」


 そうか、あの戦いの中でエリアさんは全員の回復役だったので、直接戦っていなかったから体力は特に使っていなかったのか。


「みんな疲れてしまったみたいだね」

「そうですね、私は戦えなかったですから……せめて皆さんの体力が元に戻るように今も魔法を使っていました」


 それで今起きたばかりのボクの体力が元に戻っていたのか。

 エリアさんはボク達全員が寝ている間、ずっと治癒魔法を使ってくれていたんだ。


 でもそんなエリアさんでも人の精神力や魔力を復活させるのはかなり彼女自身の力を使うらしい。

 あの戦いから半日は経っただろうけど、ボク以外の全員はまだ寝たままだ。

 全員が目を覚ましたのはそのさらに半日後だった。


「うーん……よく寝たねェ。こんなに寝たのは何百年ぶりかねェ」

「何百年って……まあえんとらは精神の部屋で休めば実際に寝なくても起きてられるようじゃったからのう。ある意味インチキみたいな術じゃて」

「そこまで言うこと無くないかねェ」

「フハハハ、冗談じゃ」


 まあそんな冗談を言えるのもバロールを倒して全員が生きていたからだろう。

 起きて少し休んだボク達全員は、バロールと戦った辺りを調べてみた。


 大小さまざまなバロールの破片があちこちに散らばっている。

 何かに使えるのだろうけど今のボク達にはこれが何だったのかはまるで分らない。


『ソウイチロウさんはこれが何かわかりますか?』

『ユカ、残念だが私はクリエイターではあってもエンジニアでは無いんだ。だからおおよその予測は出来ても実際にどう使うかまではわからないんだ。そうだな、あの魔技師のターナさんだったら何かに使ってくれるんじゃないか』


 なるほど! 確かにターナさんならバロールの破片を見て何かが分かるかもしれない!


「みんな、バロールの部品を集めてくれないか」

「ユカ様……? わ、わかりました!」


 みんなはボクが頼むと、どんな理由までは聞かずにバロールの飛び散った部品を集めてくれた。


 これをターナさんに渡せば何かわかるのだろうか。

 彼女は元気にしているのかな……。

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