680 対決! 破械神バロール‼
バロールは力任せのモンスターだと思っていたボク達の予想を上回り、ヤツは相手を混乱させるような技も持っていた。
力任せに戦ってもこのままではバロールには勝てないかもしれない。
ボク達はこの恐るべき怪物を相手にどう戦えばいいのだろうか……。
「ユカ、とりあえずはあの目をどうにかしないといけないようだねェ」
そうだ、バロールの最大の武器はあの巨大な眼球だと言える。
あの眼には相手を混乱させるような力もあったのだ。
近くに寄ればあの破壊光線を避けれると思っていたボク達だったが、バロールは攻撃方法を変更し、近くの相手を混乱させる凝視でボク達を翻弄した。
遠くからはあの光線で狙い打たれ、近くに寄れば仲間を混乱させられる。
間違いなくバロールのあの巨大な眼球は最強の武器だと言えるだろう。
『ユカ、バロールのあの眼は最大の武器だと言えるな』
『ソウイチロウさん、こんな時に何のん気な当たり前のことを言ってるんですか! 今はそれどころじゃないんですよ‼』
『わかっている。そうじゃなくて、あの最大の武器は同時に最大の弱点だと言いたかったんだ』
『え? それはどういうことですか』
どうやらソウイチロウさんが言うには、あのバロールの巨大な眼球は最強の武器であると同時に最大の弱点だと言っているのだ。
『実は私が昔に作ったゲームでも巨大な眼から巨大レーザーを撃つ敵は何度か作った事があるんだ。そいつらの共通した弱点は、巨大なレーザーを目から撃った後は防御ががら空きになるということだった。そして、その目玉系の怪物は大抵が硬い殻に包まれているが目の部分はむき出しの柔らかい素材で出来ていたということだ』
なるほど、それは確かに最強の武器でありながら最大の弱点だと言える。
『つまりバロールのあの混乱させる眼、仮にヒュプノスアイと言うが、あれは近くに寄られた時に目を攻撃されないための手段だと言えるだろう』
確かにボク達が近くに寄った途端、ヤツはあの眼でシートとシーツの二匹を混乱させたのでそれは間違っていないと思う。
『そして、アイツは近距離に寄られるのを極度に嫌がるはずだ。あの巨大なカギ爪は周りの物を破壊するためというよりは、近くに寄られた場合の自衛用の武器だと考えてもいいかもしれないな』
つまりはあの巨大なカギ爪のついた腕を斬り落とし、目を破壊すればバロールは倒せるということか。
『ソウイチロウさん、あなたの話ははっきり言ってわけがわかりません。でも、あなたが実際にあんな巨大な目玉の怪物の事を知っているというのは信じれます』
『そうか、それなら私はできるだけアドバイスをする。ユカはそれに従って動いてくれ!』
『わかりました!』
さてここからはボクとソウイチロウさんの二人三脚、タッグでのバトルだ。
でもボク達はソロではないのでみんなが協力してくれる。
このパーティなら勝てる!
「みんな、ボクの言う通りに動いてくれないか、ホームさん達はあの巨大な腕を、エントラ様とアンさんはあの目玉を、フロアさんやシート、シーツ達はエリアさんを守って欲しい」
「わかりました!」
「ようはあの目玉を狙って動き回って攻撃すれば良いってわけねェ。でもあの目はオリハルコンじゃないのかねェ?」
「えんとら、ここはユカ坊の言うようにしてみようじゃないかい」
「そうねェ。まあユカ達ならこの怪物を倒す方法も分かるかもしれないからねェ」
何か含みを入れた言い方だが、大魔女エントラ様達はボクの言う通りに戦ってくれるようだ。
役割分担が決まった。
腕を担当するのは、ホームさん、ルームさんの兄妹。
目玉を攻撃するのは大魔女エントラ様、アンさん。
エリアさんは全員の回復を担当し、それをフロアさん、サラサさん、シート、シーツで守る。
そしてボクはバロールの弱点を探りながら胴体を攻撃する。
さあ、ここから反撃開始だ!




