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675 よみがえる巨鳥

 グランナスカの修復作業はソウイチロウさんがメインで進め、夕暮れくらいには終わった。

 どうやらこの人造の島でもどういう理由かはわからないが夕方や夜は来るらしい。

 ここももうすぐ日が暮れそうな空模様だ。


「とりあえず今日は休もう。みんなも疲れただろ」

「でもそうも言ってられないみたいだねェ、バロールが闇雲に辺りを破壊している中ではゆっくりと休めないからねェ」


 確かにそういえばそうだ。

 だがもうみんなはヘトヘトになっている。

 この状態で下手に動いても何か大きなミスをしてしまいそうだ。


「だからまた一瞬の時間だけあちらの空間で休もうかねェ。妾もまだ読みたい本があったからねェ」


 なるほど、あの時間の止まった空間なら確かに一瞬の時間でゆっくり休むことが出来る。


「エントラ様、そんなに簡単にあの空間の扉って開けるんですか?」

「常人なら無理だろうけど、(わらわ)なら簡単に開けるねェ。それじゃあ開くとしようかねェ、ディメンションゲート」


 大魔女エントラ様が杖を掲げると、ボク達の前に異空間との扉が現れた。


「今回はこの扉ごと認識疎外の結界の内側に入れているから魔力の漏れの心配は無いからねェ」


 大魔女エントラ様は前回の失敗を踏まえた上でボク達に異空間へ誘ってくれた。


 ボク達が入った異空間は、前の時と同じ図書館の中だった。

 本物はバロールが跡形もなく吹き飛ばしているのでここにあるのは大魔女エントラ様の作った複製品だ。


 ボク達はこの異空間に再び入り、ゆっくりと疲れを癒した。


「みんな、もう大丈夫か?」

「僕は問題ありません」

(わたくし)も万全ですわ」

「俺とサラサも問題ない」


 全員休んだことで疲れは取れたようだ。

 ドラゴンの神様のアンさんやシートとシーツの双子の狼はまだ寝ている。

 身体が大きい分、まだ疲れが取れていないようだ。


「さあ戻ろう、これだけ休めたなら十分だな」


 大魔女エントラ様の異空間は時間が止まっているので、ここで休んだとしても元の場所に戻れば時間はほんの一瞬しか進んでいない。

 そんな魔法を使いこなせるなんて、彼女はやはり世界一の魔法使いだと言える。


「では元の場所に戻ろうかねェ」

「はい、エントラ様」


 ボク達は彼女の開いた扉を通り、元のグランナスカの中に戻ってきた。

 みんなで異空間にいた時間はほんの一瞬だというのが、先程と変わらない夕暮れの風景からわかる。


「よし、それじゃあ今度こそグランナスカを飛ばそう!」


 その時ソウイチロウさんがボクに語りかけてきた。


『ユカ、とりあえず操縦は私がやろうか?』

『いいえ、下手に態度が変わるとみんなが不審がるので、ここはボクがやってみます』

『そうか、それでは私は操縦法を頭の中で伝えるとしよう』


 確かにソウイチロウさんに任せれば何でもできるかもしれない。

 だけどそれだともし彼とボクのやり取りが出来なくなってしまうと何もできなくなってしまう。


「ユカ、大丈夫?」

「大丈夫だよ、エリア」


 ボクはソウイチロウさんに操縦法を聞きながらグランナスカの操縦席に座った。


『ユカ、まずは足元のペダルとレバーを確認するんだ。そしてボタンやコンソールパネルもよく見るように。こういう乗り物はいくつもの画面を同時に見ながら飛ばすようになっている。オートパイロットシステムもあるかもしれないが、今は下手にそれに頼るとバロールの標的になりかねないので止めておいた方がいい』


 そんなに一気に言われても困るんだけど……。


『すみません、もう少し一つずつでおねがいします』

「あ、ああ。悪かった。もう少しじっくり説明する」


 ボクはソウイチロウさんに聞いて一つ一つの行程を進めた。

 まずは足元のペダルを踏み、ロックを解除、手元のレバーを大きくひねり、前方のボタンを押した。


 グググッググウグウウウウウウウウウウウウオオオオオオオオオオオオンンッ!


 成功だ!

 

 黄金の巨大鳥は巨大な唸りを上げながらその身体を振動させた。

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