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663 時の止まった空間

 さて本を読もうとは言ったが、この量は一体どうしたものだろうか。

 ここにある本は全部で数万、下手すれば数十万冊もある。


 それも読みやすい本ではなく、古代の文献や古代文字、下手すれば暗号で書かれているようなものまでもある。

 さらに言うならば、ソウイチロウさんが言うにはおそらくここにある本の倍以上の資料が今は見られない雷で動く機械の中には大量にあるという。


 一体どうすればいいんだ、はっきり言って時間が無い。

 その上、下手にここで調べものをしていたらいつの間にかバロールに見つかったなんて言ったら目も当てられない。

 しかしこの膨大な量の本を調べるには数人がかりでも最低でも一か月以上、下手すれば数か月から一年以上かかりそうだ。


 とてもじゃないがそんな時間は無い。

 ここでボク達が手をこまねいている間に空帝戦艦アルビオンは再び空を飛び、世界を破壊しつくしてしまうかもしれないのだ。


 ボクが困った顔をしているのを大魔女エントラ様が見て声をかけてきた。


「ユカ、一体どうしたのかねェ。浮かない顔をしているねェ」

「エントラ様、どう考えてもこの中からバロールのことを探し出すのは無理ですよ!」

「あら、それは残念だねェ。(わらわ)はせっかくの機会だから数か月は本を見たかったんだけどねェ」

「どう考えてもそんな時間はありませんっっ!」


 彼女は一体何を考えているのだろうか。

 どう考えてもボク達には全く時間が無いのに、余裕な表情で笑っている。


「ユカ、それでどれくらい時間があればいいのかねェ」

「どう考えても一日もかけていられません。夜までにはどうにかしないと」

「困ったねェ。時間がどう考えても足りないってわけだねェ。そうだ、それならこの方法があるねェ」


 大魔女エントラ様が何か思いついたらしい。

 だが一体何をするというのか。

 ひょっとしてここにある本を全部持って行くとか彼女なら言いかねない。


「一体どんな方法があるというんですか。時間が無いんですよ!」

「そうねェ。全部本を持って行こうかねェ」


 マジで何考えているんだ、彼女は……。


「だーかーらー,どう考えても時間が無いのにどうやって運ぶんですか!」

「フフフ、チョットからかい過ぎたかねェ。大丈夫、時間もかからないし、それでいてここの本や資料を全部見る方法があるからねェ。ユカ、食料はどれくらいあるかねェ」

「食料……ですか? それこそここに来る前に知らずにここに寄った時に集めた分があるくらいです」

「大体一か月分ってとこかねェ。それなら十分だねエ」


 一か月分の食料で何をしようというのか、ボクはもうこのことを考えると頭が痛くなるので考えるのをやめた。


「もう好きにしてください。ボクは止めませんから」

「そう,それなら助かるねェ。では……一気にやらないと時間が無いねェ! ディメンションゲート!」


 なんと大魔女エントラ様は異界との扉をここに作ってしまった。

 そしてここにあった資料と本の全てをその異界に一気に全部送ってしまったのだ!


「さて、みんな。ここから移動するからねェ」


 そう言うと大魔女エントラ様はここにいたボク達全員を異界の扉の向こうに送ってしまった。


「あれ? ここは??」

「ここは(わらわ)の作り上げたプライベート空間、この空間の中では時間が止まっているからねェ。この中でなら一か月でも一年でも……下手すれば数十年でも数百年でも居続けることが出来るんだねェ」

「な、何だってぇー!?」


 ボク達が送られた場所は異空間だった。

 この時間の止まった場所でならいくらでも本や資料を調べることが出来ると彼女は言っているのだ。


「あ、そうそう。外に戻ったらここにいた時間はほんの一秒にも満たない時間だからねェ」


 これなら確かに彼女の言うことも納得だ。

 ほんの一瞬の時間の間がこの空間では数か月くらいになるというならいくらでもボク達は調べものをすることが出来る。


 ボク達は改めて大魔女エントラという人物の凄まじさを思い知った。

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