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650 もう一つの人工島

 アルカディア観光をしていたボク達にジバ総司令から呼び出しがあった。

 一体どうしたのだろうか。


 ボク達はアーカイブセンターに向かった大魔女エントラ様達を置いてジバ総司令の待つ浮遊要塞アルカディアの指令室に向かった。


「おお、エイータ様、お待ちしておりました」


 ボク達が指令室に着くと、そこからはどうにか修復中の黄金巨神ダルダロスが眼下に見えた。


「いやはやなんとも、まさかあの浮遊要塞アルカディア最強の武器である黄金巨神ダルダロスをここまでボロボロにするとは……」

「なんか、すみません」

「いえいえ、別に悪気があっていっているわけではありません。流石はエイータ様をお守りするだけの強さがあると感心したのです」


 ボク達が戦った黄金巨神ダルダロスは今まで戦った全ての敵の中でも最強といえるほどのものだった。

 全身を最高の金属オリハルコンで作られている上、魔法防護で更に強化されている。

 その上攻撃力は幾千もの光の矢を瞬時に放ち、更には天の星すら真っ二つにするほどの最強の光の剣までも持つ。

 その強さは魔将軍や今までに戦った巨大モンスターとは比較できないほどの強敵だった。


 今は力を使い果たし、倒れたまま動かないため、浮遊要塞アルカディアの総力を持ってその修復作業に取り組んでいるようだ。


「それで、皆様を呼んだのには理由がありまして、皆様は第二要塞エルドラドはご存じですか?」

「エルドラド?」


 初めて聞いた名前だ。

 一体何のことなのだろうか?


「その様子ではご存じなかったようですね。エルドラドはこのアルカディアと同じように作られたものの廃棄された人工島の名前です。かつては人の住む土地でしたが、ある物を閉じ込めるために廃棄せざるを得ませんでした」


 何だかそれって……かなり嫌な予感がする。


「そこはひょっとして、巨大な金属で出来た島で全体を巨大な壁で覆っている場所ですか?」

「どうやらその様子だとご存じだったようですね」

「それで、ある物とは一体何をそこに?」

「エルドラドはゴルガの兵器を閉じ込めるために廃棄された人工島です。あの中にはこの浮遊要塞アルカディアの総力を使い、苦戦の末破械神バロールを苦戦の末閉じ込めたのです」


 何ということだ!

 ボク達が高い闇をさまよっていた時に辿り着いた、金属でできた島はあのバロールを閉じ込めていた場所だったのか!


「まさか……」

「そして、どうやら皆様と黄金巨神ダルダロスとの戦いの時に放たれた光の剣がエルドラドを直撃してしまい、バロールを閉じ込めていた壁面を粉々にしてしまったようなのです」


 つまり、あの黄金巨神ダルダロスの巨大な光の剣はここからずっと遠く離れた金属の島を切り裂いたというのか。


「このままでは壁の壊れたエルドラドから再び封じ込めたはずのバロールが出てきてしまうかもしれないのです、我々はそれを阻止するために今全力で黄金巨神ダルダロスの修復を急いでいるのです」


 それであの黄金巨神ダルダロスを修理していたのか。

 しかしあの様子だとどう考えても動きそうには無さそうだ。


 ここはボク達だけでは話が進まないので大魔女エントラ様達を呼んだ方が良さそうだ。


「急いでエントラ様を呼ばないと!」

「それでしたらすぐ連絡しましょう」


 ここからアーカイブセンターは結構遠いが、どうやって連絡するのだろうか。


「誰か、すぐに送信クリスタルを用意しろ」

「了解しました!」


 ジバ総司令は部下に命じ、何か水晶の道具を持ってこさせた。

 彼はその水晶に向かい何かを話している。


 その直後、大魔女エントラ様とアンさんとルームさんが指令室に来るまでに数分もかからなかった。


「え? どうやってここに?」

「ユカ、アンタ何を言ってるのかねェ? 普段アンタが使っているスキルと同じでしょうねェ」


 ボクの使っているスキル?

 ボクはそう言われて少し考えてみたが、彼女達の現れた地面を見て納得した。


 確かにそうだ、あれはボクのスキルで作っているワープ床ってやつと同じだった。

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