表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

618/944

610 空帝戦艦アルビオン

 伝説の竜王に匹敵するほどの強さ、それが古代文明ゴルガ軍国による機械仕掛けの究極兵器オルビス・ザインだった。


「バロール、ウルティマ・ザイン、それにオルビス・ザイン……。古代文明のバケモノがこんなにいたなんて」


 ボク達は古代人の作った怪物の恐ろしさを銀色の円盤で色々と知ることができた。

 だがその中には弱点や攻略法のヒントになりそうなものは残念ながら見つからなかった。


「ダメだ、この円盤の中身を見てもこれらの怪物が恐ろしく強いと言うのがわかるだけで、攻略方法とかがまるで分らない」

「そうねェ。これはまるでその強さを見せるためだけに用意されたようなモノで、実際の資料としてはイマイチ実用性に欠けるみたいだねェ」


 もし大魔女エントラ様の言う通りだとすれば、この銀色の円盤は何のために作られたのだろうか?

 ボクがその疑問を感じていた時、ソウイチロウさんがその答えを教えてくれた。


『ユカ、これはプロモーションビデオ、デモンストレーション用映像ってやつだろうな。目的としてはプロパガンダ……つまりはこれを見せつけることでゴルガ軍国に従わない連中を脅すために使ったものなのだろう』

『ソウイチロウさん、それだとこれは宣伝のために作られたってことですか?』

『そうだろうな、だから下手に弱点や実際の運用方法等は書かれていなかったのだろう。それよりは敵国に対して実際よりも誇張して強く見せたりすることで更なる服従を迫るための取引材料に使われたと考えてもいいかもしれない』


 つまりソウイチロウさんはこれは国家に対するゴルガ軍国が使った脅し用の道具だと言いたいのだろうか。


「まあこれはタチの悪い脅し用の道具として使われんだろうねェ。従わない相手には圧倒的な力で滅亡させるだけの力を見せつける……道具としては十分だからねェ」


 大魔女エントラ様がソウイチロウさんの言いたいことをみんなに分かりやすく説明してくれた。

 やはり彼女はボクとソウイチロウさんが一緒の身体で意識を共有していることを把握しているようだ。


「とにかくコイツらを破壊するためにはもっと多く調べる必要がありそうだねェ。ここに在る円盤はコレでオシマイだろうからねェ」


 大魔女エントラ様が残りわずかな銀色の円盤の中身を見ると、そこに映っていたのは見覚えのある姿だった。


「これは……空の上でボク達が襲われた……ヤツ?」

「空帝戦艦アルビオン。それがコイツの名前みたいだねェ」

「なんというバケモノじゃ、こんな巨大な船が空を飛ぶ自体が奇天烈じゃがな」


 銀色の円盤の中に映っていたのは、先日ボク達が空で襲われた巨大な空中戦艦だった。

 空帝戦艦アルビオン。それがこの怪物の名前らしい。

 ボク達はその全貌を見ることができた。

 雲海の中に存在したアルビオンは、全体を雲に包まれていてその全体の姿がよくわからなかったのだ。


「なんて大きさなの。お父様の城よりも大きいなんて」

「ルーム、僕も信じられないよ。でも、実際僕達は空の上で見たはずだ。この怪物が飛ぶ姿を」

「あ……アレは悪夢でしたわ。今でも信じられませんわ、あれほど巨大な城にも匹敵する大きさの船が空を飛ぶなんて。子供の頃の冗談で聞いた城が歩いて来るなんて想像するだけでもビックリしてしまいそうですのに」


 まあ普通の人はあんな巨大な物体が空を飛ぶなんてこと自体が信じられない。

 しかしボク達はあの空飛ぶ怪物を実際に見てしまったのだ。


 古代文明の帝国、ゴルガ軍国の作り出した怪物、バロール、ウルティマ・ザイン、オルビス・ザイン、そして空帝戦艦アルビオン……。


 ボク達は下手すればこれらの全てと戦わなければいけなくなる。

 こんな古代のバケモノたちに勝つことなんてできるのだろうか……。


 ボク達は銀色の円盤を透明の箱にしまいながら、これから来るべき戦いに不安を感じていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。

魔族の男がポンコツ女に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ロボアニメネタ始めました。

子供の頃見ていた合体巨大ロボアニメの超絶不人気外道悪役に転生してしまったエンジニアの俺が生き延びる為に!?

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ