58 壮絶! 温泉回
みんな大好き温泉回……誰か変な奴がいるぞ!!
「次は……私達の番ですか」
「エリアちゃん? どうしたの?」
「お湯に入るって……火傷しない?」
「大丈夫ですわ! これくらいなら私の城の浴室のお湯より少しぬるいくらいですわ!」
可愛い女の子たちが三人温泉で水浴びをするために裸になっている。
しかし肝心な場所は湯煙に隠れて見えていないのは神の配分なのかもしれない。
それでも猫耳に可愛らしい尻尾とたわわに実った胸、美しい銀髪のロングヘアと小ぶりながらも美しい胸、キラキラと水を受けて光る金髪と今は慎ましやかだが将来性の詰まった胸はそれぞれの美しさ、可愛さを描いていると言えよう。
「はーーー、癒されます」
「あれ? エリアちゃんって人を癒す癒し系担当じゃなかった?」
「私だってスキルを使うと疲れるんですよー。人間だもの」
「私は魔力を大量に使うので普通の方々よりも大変ですのよ。ですからゆーっくりとお湯に浸かって体に魔力を取り戻すのですわ」
『女三人寄ればかしましい』というが、マンティコアとの死闘の後の三人はそれほどきゃいきゃいはしゃげる程の元気はなかった。
むしろ三人ともがゆっくり風呂の中で疲れを癒そうとしているくらいだった。
「ふーーー……ガボガボガボ……!」
「ルームちゃん! 沈んでる! 沈んでるってば!!」
ポカッ!
「いったーーーい! 何をしやがるでございますかぁ!」
「ルームちゃん、アナタさっき疲れててお湯にそのまま沈んじゃうとこだったのよ」
「だからって殴る事ないじゃないですの! もーあったま来た! サンダー・ボル……」
「ルームさん落ち着いて! 落ち着いて!」
エリアがルームを後ろから抱え込まなかったら、ここは間違いなく地獄絵図と化していただろう……。
「エリア様、止めてくれるなでございます! 私この性悪女にはキツーイ一撃をくれてやらないと気が済まないのでございますわ!」
「おーこわ……。あーし少し向こうでゆっくりするわねぇー」
マイルはルームの入っていた反対側の壁沿いのお湯に移動した。その直後……。
「あれ? 先客がいたの?」
マイルが先客だと思ったのは……野生の猿だった!
「キャアアアーーー!」
「あの性悪女、今度は何を企んでるのでございますか。私、もう騙されませんわよ」
そんなルームの肩を誰かがポンポンと叩いた。
「エリア様、そんなに止めないでくださいませ……というかそんなに毛深かったかしら?」
「キャアアアーーー!!」
今度はエリアが大絶叫をした!
「エリア様、一体……」
ルームの目の前には大きな猿がいてお湯に入っていた
「キャアアアーーー!!!」
なんと、女湯だったはずの場所には何匹もの猿が入っていたのだ!!
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◆◆◆
???
俺は獣使い、この森に入り込んだ旅人の荷物を俺の仲間である森の動物達を使って頂戴しているのさ!
先程まで感じていた猛獣の気配が消えた、おそらくマンティコアだ。最近はこの森にいないはずのモンスターが増えて仕事がしづらくなってきた。
しかし誰かがマンティコアを倒してくれたのだろう。これで安心して仕事が出来る。
どうやら森に入ってきたのは結構な数の商隊だったようだ。
これは獲物の奪い甲斐がある。久々にいい仕事が出来そうだ。
「ピィー!!」
俺は笛を吹いて森の中から最も適した獣に指示をした。
「お前達、森に入り込んだ奴らからお宝を奪うんだ!」
キキッ! キキキッ!!
さて、どんな連中が入り込んだのか俺も様子を見に行くか……。
商隊は泉で水浴びをしていた……、おかしい? こんな場所に泉なんてあったか??
しかし、女達は気になる……。俺は女が使用しているらしき側に回り、中を覗き込んでみた。
おほー! いい光景だ! スタイルの良い商隊の女達が水浴びをしていた。
「これは良いねぇ!!」
だが、俺が少し見ただけでその女達は水浴びを終わらせて着替えてしまった。
どうやらタイミングが悪かったらしい、と思ったが……その後、三人の美少女達が姿を現した!