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588 地の底の再会

 大魔女エントラ様の暴走はしばらく止まらなかった。

 彼女は片っ端から円盤を手にしては装置に入れて見ていたが、その動きがいきなり止まった。


「あれ? もう全部終わったんですか?」

「ちょっと黙っててくれるかねェ……今試すことがあるからねェ」


 そう言うと大魔女エントラ様は銀色の円盤に手をかざし、何かを感じているようだった。


「読める、読めるねェ……なんだ、こんな簡単なことだったんだねェ」


 彼女の奇行がわけわからない。

 一体何をしていたのだろうか……?

 ボク達が唖然としている横で、大魔女エントラ様は次々と円盤に手を触れて撫でて何かに納得していた。


「ユカ、アンタ……ここにワープ床作ることはできるかねェ」

「は、はい。できますよ。目の前の床をワープ床にチェンジ!」


 ボクのマップチェンジスキルで船の床の一部がワープ床に変化した。


「さて、それじゃあこれを全部入れようかねェ」

「なっななな、何ですかそれ!?」


 なんと、大魔女エントラ様はこの船の中枢部にあった銀色の円盤を全部ボクの作ったワープ床に放り投げた!


「一体何をするんですか!?」

「アハハハ、イヤねェ、ここにあるデータを読もうと思ったけど、全部見ているとどう考えても数日、下手すりゃ一か月くらいかかりそうだからねェ、本当ならアタシの魔法で収納すれば良いけど、ここはマジックキャンセラーの影響でそれができないのよねェ。だからここで唯一使えるユカのワープ床にしまわせてもらったってワケ」


 多分向こう側の冒険者ギルドの部屋は今凄いことになっている。

 後で片づけをしないといけないだろうな……。


「だからって無造作にポンポンポンポン放り込まないで下さいっ!」

「悪かったってェ、だから許して頂戴ってねェ……」


 そういうと彼女は大きな胸をボクの頭の上に乗せてきた。


「お師匠様―っ! 一体何をしているのですかぁっー!」


 顔を真っ赤にしたルームが思わず魔法を発動しようとしていた。

 だが、ルームの極大魔法はマジックキャンセラーでかき消されてしまい、彼女はその場にへたり込んで泣き出してしまった。


「あんまりですわぁー!」

「あ、あのねェ、ルームちゃん、冗談……冗談だってばねェ……」

「愚か者、本当に愚か者としか言えんわい……」


 アンさんが大魔女エントラ様をジト目の刺すような目線で見ている。


「悪かったってェ。謝るから、ふざけて悪かったねェ……」


 その後、この何とも言えない空気が落ち着くまでにしばらくの時間がかかってしまった。

 変な空気を元に戻してくれたのは、食事を用意してくれたホームさんだった。


 ボク達は船の中の食堂だったであろう部屋でお弁当を食べた。

 そして少し休憩してから、再び船の中を調べることにした。


「これは……なんて巨大なモノなんだ!」


 ボク達が船の下層部で見たものは、見たことも無いような巨大な金属の丸い塊だった。


「コレって……一体何なの?」

「魔力炉? それにしては随分と巨大だねェ。それにマジックキャンセラーがあるのに魔力が使えるのかねェ」

「ふむ、これは面妖じゃのう。何というか、ワシには巨大なふいごみたいに見えるのう」


 大魔女エントラ様やアンさんはこの巨大な丸い筒とも塊ともつかないモノを見てお互いの意見を言っている。

『ユカ、これは私の見立てではこの巨大戦艦を動かす動力炉だと見て間違いないと思うぞ』

『ソウイチロウさん、それって?』


 ボクが質問しようとした時、何者かの気配を感じた。


「おっとォ。過去の遺物を探していてまさかキミ達に会うなんてねェ……奇遇だよォ……残念だけど、コレはキミ達には渡せないねェ……」

「その声! お前はっバグスッ!!」

「フハハハッ、どうやらボクのことを覚えていたようだねェ!」


 なんと、ボク達以外誰もいないはずの地の底に姿を現したのは、薄闇色のローブの男、バグスだった!!

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