567 アタシちゃんの可愛い妹達
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アタシちゃんの可愛い妹達。
以前、アタシちゃんは一人で動いていた。
それはアタシちゃん一人いればどんなことでもできたから。
実際それでいくつもの国を滅ぼし、数多くの不幸を美味しく味わってきた。
だけど、今は不本意ながらもユカ達に教えてもらったことがある。
それは仲間がいる強さ。
アイツら、どう考えても脆弱な人間のはずなのに、アタシちゃんの計画をことごとく潰してくれた。
アタシちゃんが少し目をかけていたあのヒロちゃんの計画なのに、それすらも上回るやり方で全部邪魔してくれたのよ。
アタシちゃんは完璧な計画を立てたはずだった。
だけどそれが全部邪魔されたのは、予想外の所から毎回ユカの仲間が出てきたからだった。
つまり、アイツらは弱かったとしても仲間に頼ることでその弱さを補う知恵を持っていたってこと。
これは個々が強い魔族では考えられないことだった。
魔族にあるのは仲間というよりも部下か支配者のどちらかだけ。
支配する側かされる側か、それだけだったのよ。
まあアタシちゃんは常に支配する側に居続けたので支配される側になったことは一度もないけどね!
でもそうも言っていられない。
あのユカ達を抹殺するためには時間が無い上、アタシちゃん一人では分身を使っても結構キツイ。
そう考えたアタシちゃんは妹、つまり眷属を作り公爵派貴族達にあてがうことにした。
アタシちゃんの力を与え、魔族化した妹達はアナ、ブーコ、トゥルゥーの三人。
それぞれがアタシちゃんの魔力でダークリッチ、バンパイアロード、魔獣使いに変化した。
どうも同じように力を与えても、元々の素質で方向性が変わるみたいね。
でもどの妹もこの魔将軍であるアタシちゃんの力を与えてあげたのだから、Sクラスの強さはあるのよ。
Sクラスは一人で大都市を潰せるほどの強さってところね、その彼女達をそれぞれ別の有力貴族にあてがえばこのグランド帝国はもうアタシちゃんのもの……。
国全土からユカ達を包囲してしまうことで社会的に、実質的にどちらの意味でも抹殺できるようにするのよ。
ああ、一週間後のパーティーが楽しみね。
「ローサちゃん。アタシちゃんの妹達の様子はいかがかしら?」
「アビス様、あの田舎娘達ですが……最近は少しマシになってきました。あのブーコ様は人一倍努力しているみたいですが、後の二人がイマイチってところです」
「そう、ご苦労様。後一週間でものにして頂戴ね」
「承知致しました。アビス様」
この召使いのローサちゃん、元は良いんだから魔族化してアタシちゃんの妹になればいいのに……ユカに対する恨みを果たすまではそうしないって頑なに拒否してるのよね。
そこまで安っぽいプライドにこだわることないのに……今まで見てきたバカな連中もそうだったけど、それが人間の貴族なのかしらね。
まあ、この妹達を公爵派貴族のパーティーでデビュタントさせることでアタシちゃんの息のかかった貴族をさらに増やすのよ。
そうすればこの国は大樹を中から食い荒らすように枯死させる事ができるわ。
それでより多くの不幸と悲しみを作り出して妹達と一緒に味わうのも楽しそうよね。
一人だけではなく仲間と気持ちを共有する楽しさを教えてくれたことだけはあのユカ達に感謝するところかも。
そのお礼に惨たらしく殺してあげるわ。
これがアタシちゃんの最大限の感謝の表現よ。
「フフフフ、一週間後が楽しみだわ。頑張ってね、アタシちゃんの可愛い妹達……」
アタシちゃんは一週間後を楽しみにしながら今晩も妹達と一晩中全員、同じアタシちゃんのベッドで愛し合うことにした。
満足した妹達は全員、裸のままシーツに包まって疲れて寝ている。
フフフ、みんな可愛い子達……みんなでより多くの不幸を作りましょうね。




