表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

569/944

561 アビスと姉妹達

◆◆◆


 何なのよアイツ……。

 あたしの身体が動かないなんて……まさか、あいつにあたしが恐怖しているというの!?


「魔道に堕ちた程度の小娘が……年季の違いというものを教えてやるわい」

「な、何なのよ何なのよ……クソガキ、なんでこんなにあたしの体が震えているの!?」


 何なのよ……アイツがあたしよりも強いって言うの?

 でも、あたしの身体は恐怖で動けない、そんな……なんであんな小さなクソガキがあたしよりも強いのよ……。


「さあ、覚悟は良いか……小娘」

「いや、もうイヤーッ! あたし帰るっ。こんな所二度と来るもんかっ!!」


 無様だけど死ぬよりはマシ。

 でもあのユカってヤツとその仲間……絶対に許さないんだから!

 今は逃げるんじゃないの、用事があるからお姉様にユカ達のことを報告するのが妹としての義務なの。


「バイバイッ! お姉様に言ってお前ら全員ぶっ殺してもらうんだから。さよならっ」


 あたしはロック鳥に乗ってその場から姿を消した。

 あーあ、これ間違いなくアビスお姉様に怒られてしまう……。

 でも、ユカ達と戦うよりはよっぽどマシだわ。


 あたしはロック鳥を使ってお姉様のお城に戻った。


 城に戻ったあたしが目にしたのは全身ボロボロになったアナお姉様とブーコだった。

 その前にはアビスお姉様が玉座に座っている。


「あら、お帰りなさい。トゥルゥー」

「アビスお姉様、申し訳ありません」


 あたしは開口一番すぐに謝った。

 アビスお姉様は見るからに不機嫌そうな顔だったからだ。


「何を謝ることがあるのかしら? アナタ達はきちんとやることをやってきたのでしょう」

「お姉様……」


 この言い方ということは、不機嫌ではあっても怒ってはいないようだ。

 アビスお姉様が怒っている時はあたし達をアンタ呼ばわりするのが大半だから。


「アナタ達はアタシちゃんの言いつけ通り村々を滅ぼしてきたのでしょう、あの忌々しいユカとその仲間が現れたのはただの誤算よ」


 アビスお姉様はユカの名前をいう時、とても苦々しい顔をしていた。


「お姉様、あのユカって何者なんですか?」


 アビスお姉様がユカの名前を聞いて一瞬沈黙した。コレは聞いてはいけないことを聞いてしまったのかも……。


「ユカ……アイツは、魔族の敵よ。普通の人間だと思ったらダメ」

「え? でもたかだか人間程度、アビスお姉様の敵じゃないでしょ」

「ユカとその仲間を甘く見ちゃダメよ。アイツら……すでに魔将軍を二人倒しているのよ」

「!!!??」


 魔将軍! あたしが人間だった時ですら小さな村でも恐れられた名前の大悪魔だ。


 しかしユカとその仲間はなんとその魔将軍を二人倒したというらしい。


「マデンもパンデモニウムもユカとその仲間に負けたのよ。それに、あのユカは数万の魔族の大軍を一人で倒したのよ!」


 そんな……ユカなんてあの子供みたいな見た目だから他のヤツらのおまけだと思ったのに……アイツがそんなにヤバい相手だったなんて!


「だからアタシちゃんはそんなユカ達と出くわしても無事帰ってきたアナタ達を怒る気はないわよ。むしろよく帰って来てくれたと褒めてあげるわ」

「あまり無事じゃないけどねー。アタシなんてあのガキの聖剣で死にかけたんだからー」

「わたしもあの魔法使い、絶対に許さない……。次は絶対に殺してやるわ」


 アナお姉様もブーコも全身ズタボロになりながらユカの仲間達の愚痴を言っている。


「とはいっても、もっとアタシちゃん達が力を手に入れないと、あのユカ達をぶっ殺すのは難しいわ。だからアタシちゃんもっといい方法を考えているの」

「アビスお姉様、流石です。もう方法は考えていたのですね、素敵です」


 あたしの方を見て怪しく笑ったアビスお姉様は舌なめずりをしながら指さしてきた。


「さあ、アナタ達。少しゆっくり休んで回復したら……次の計画を実行するわよ」

「「「はい、お姉様」」」


 どうやらアビスお姉様は何か考えていることがあるらしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。

魔族の男がポンコツ女に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ロボアニメネタ始めました。

子供の頃見ていた合体巨大ロボアニメの超絶不人気外道悪役に転生してしまったエンジニアの俺が生き延びる為に!?

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ