表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

559/944

551 ダークリッチ対大魔女

ナンコツと血管針は分かる人だけ笑ってください。

 村に入ったボク達を出迎えたのは、多数のゾンビの群れだった。


「ァガッ……ムラヘようこソォ!!」


 言葉がよく聞き取れないが、元々門番か案内係だったであろうゾンビが、襲いかかってきた。

 だが動きが緩慢で攻撃が当たるとはとても思えない。

 ボクは軽く剣でゾンビをなぎ払った。


 その後ろからゾロゾロゾロゾロとゾンビが現れた。


「あらー、おにイザン、いいオドゴォ! パフ……パフしまヂョォ!」


 女性のゾンビが飛び掛かってくる!


「いやぁアア! 不潔ですわぁあぁあ!!」


 ゾンビ達のあまりに気持ち悪さにルームが辺り一面を吹き飛ばした。

 ……どうも魔法力は最強レベルでも、精神面はまだ完全に成熟しているとは言えないようだ。


「エサだッ!」

「おおお、うっへへェエ。オンダダァ……若イオンナダァ!」

「食ってヤル、バリバリとなァ!」

「軟骨がウメーんだよォ! ナンコツがァッッ!!」


 コイツら、全員ゾンビだ。

 どうやらこの村に生き残った人間は一人もいないらしい。


「クラエ、ケッカンコウゲキッ!」


 ゾンビが体の中から血管を針のように伸ばして攻撃してきた。

 だが所詮このゾンビ達は言ってもB級かC級モンスターに過ぎない。

 到底今のボク達の敵ではない。


「みんな、針や爪みたいな尖った攻撃に気をつけるんだ」


 こんな連中、攻撃さえ喰らわなければザコ同然だ。

 ホームさんは聖剣で次々とゾンビをなぎ払っている。

 シートとシーツの二匹の狼も噛みつき攻撃はせず、爪で次々とゾンビをバラバラに切り裂いていた。


 どうやらこのゾンビはそれほど強くない、ということは……始祖もそれほどの者ではないのだろうか。


「あら、わたしの作ったゾンビをこうも簡単に倒してくれるって、ナマイキねっ!」

「誰だ!?」


 ボク達が声のする方を見ると、屋根の上には若い女の魔族が座っていた。


「人間に名乗ってあげるほど安い名前は持って無いわよ。下等な種族ふぜいが!」


 女の魔族はそう言うと闇の上位魔法を放ってきた。

 黒い稲妻がボク達を襲う、しかしそれは一瞬で姿を消した。


「へェ。ダークサンダーとはねェ……アンタ、なかなかやるじゃない」

「なっ! 人間ごときがわたしの魔法をかき消したって言うの!?」

「でもまだ未熟よねェ。アンタ魔力に振り回されてるって丸出しだからねェ!」

「な、何だと! ふざけるなっ‼ 人間ごときが!」


 女の魔族は黒い魔力を集め、次々と大魔女エントラ様に向かって放った。

 しかし彼女はそれを笑いながら軽く全てかき消している。


「それが振り回されているっていうことだからねェ! 強い魔法を使えば勝てるって思ってるのかしらねェ!」


 年季と力量がまるで違う。

 あの魔族は間違いなく騎士団の人達に聞いた魔将軍アビスの部下のダークリッチだ。


 ダークリッチはA級どころかS級モンスター。

 あの冒険野郎Aチームのハンイバルさんやこの国最強の戦士である父さんでも勝てないかもしれない相手だ。


 しかし大魔女エントラ様はそのダークリッチをまるで子ども扱いにしている。


「何なのよ何なのよ何なのよ! アンタ気に入らない! ここで死になさいよっ!」


 ダークリッチが黒い魔力を再び集めている。

 どうやらこの村もろともボク達や大魔女エントラ様を消そうとしているのだろう。


「感情に任せて無駄に魔力使うのがお子様だと言ってるのに、分からない娘だねェ!」


 大魔女エントラ様は杖の先端から小さな光の玉を黒い魔力の塊目掛けて放った。


 ドガァアアアァァァンッ!!


「ぎゃあぁアアッ!!」


 黒い魔力を放とうとしていたダークリッチの顔半分と腕から右半身上部が吹き飛んだ。


「わからない娘だねェ。魔力はそれに相反する別の魔力をぶつければ対消滅するってのに、エネルギーの使い方をわかっていないから吹き飛ぶんだからねェ」


 ダークリッチは大魔女エントラ様の魔法によってかなりのダメージを受けたようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。

魔族の男がポンコツ女に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ロボアニメネタ始めました。

子供の頃見ていた合体巨大ロボアニメの超絶不人気外道悪役に転生してしまったエンジニアの俺が生き延びる為に!?

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ