518 海からの帰路と陸からの帰路
誤字報告ありがとうございます。
第四章が終わり次第全部参考にさせていただきます。
命を賭けた激戦を終え、そして三日三晩に渡る宴会も終わらせたボク達はついに南方の地を離れることになった。
「名残惜しいが、ユカ様の力ならば会おうと思えばいつでもお会いできますな。皆様、またミクニの地にお越しいただくけることをお待ちしておりますぞ」
「リョウカイ様、ありがとうございます。またいつかミクニに行った時はよろしくお願いします」
「カイリ様。小生、貴方様のために花嫁修行致します。またいずれお会いできる日をお待ちしております」
「おう、リョウクウ。また会えるからそんなしみったれた顔すんなってー。また会いに行くからよー」
そんな態度のカイリさんをマイルさんが軽くつねった。
「バカッ! 何女の子にそんなそっけない態度取ってるのよぉ! もっと真剣に向き合ってあげなさいよっ」
「イテテテっ、マイル、一体何すんだよー!」
「アンタがあまりにも鈍感だからでしょっ!」
そんな二人のやり取りを見てリョウクウさんとランザンが笑っている。
「フフフ、相変わらずって感じだな。その方が湿っぽくなく別れることができる。カイリ様、またお会いできる日を楽しみにしております」
「オウ、元気でなー!」
そしてリョウクウさんと飛龍武士団と飛龍達はワープ床を使い、帰っていった。
「さて、ワシは気になることがあるので一人で少し旅をさせてもらう。ユカ坊、エリア嬢、またな」
「ドラゴンの神様、俺達も一度フワフワ族の村に戻りたいので、乗せてもらえますでしょうか」
「仕方ないのう、乗るがよい」
アンさんは紫のドラゴンの姿になり、フロアさんとサラサさんを乗せ、北東に向かい飛んで行った。
「さて、某達も帰還するとしよう」
「あれ? ラガハース騎士団長、方向はそちらで良いのですか?」
「某達は来る途中の村々や、攻められた跡地を確認しなくてはいかんのでな。ワープ床は使わずに帰還させてもらうことにする」
流石は帝国騎士団だ。
移動の際にも被害がどれくらいあったのかを確認しながら戻るらしい。
「さてと、オレはこの船をどうにか持って帰らないとなー。借りモンが大半なのできちんと返してやらないとなー」
「お頭、荷物がそんなになければこの程度の船ならおれ達が操舵すればすぐに持って帰れますぜ」
カイリさんと船員達が海岸の船の出港準備をしている。
そこに意外な人物が姿を現した。
「それだけでは人数が足りないのではないのではと思いますぞ?」
「えー? リョウカイ、てめーはリョウクウと帰ったんじゃないのかー!?」
「いや、最初はそのつもりだったのだが、吾輩も海上武士団を率いている故、船をそのまま放置するのも忍びないと思ったのですぞ」
「リョウクウはてめーがまた戻ったこと知ってるのかよー」
「まあ……少し呆れた態度だったが、お目こぼししてもらったぞ」
「やれやれ……一国の国王の態度じゃねーぞ、それ」
「まあそう言うな、吾輩も船に乗りたかったのが本音だったのですぞ」
その背後に、ミクニに帰還したはずの武士団達が姿を現した。
「リョウカイ様、水臭いですよ。我ら海上武士団が力を合わせればこの程度の船すぐにでも動かせますのに」
「お前達? 何故戻ってきた。命令違反ではないのか?」
「そう言ってしまうとリョウカイ様も帰還すると言ったのを反故にしておりますが」
リョウカイさんは海上武士団の反論に応えられなかった。
「わかったわかった、吾輩の負けですぞ。海上武士団総出を上げて船をリバテアまで運ぶぞ!」
「「「承知!」」
海上武士団は全員で出港準備を進めた。
流石に彼らは手慣れたもので、ものの数日で全部の船が出航できる状態になっていた。
「よし、これで出航できるぞ!」
「ユカ、悪いなー。オレ達は船をリバテアと漁港に返してから合流するからよー。先にリバテアの街で待っててくれないかー」
「わかりました。皆さん、お気をつけてください」
そうしてミクニの武士団とカイリの海賊団は南方の土地から自由都市リバテアを目指し出航した。
「さあ、ボク達も帰ろう」
「レジデンス騎士団、帰還する!」
「僕達も帰るよ」
そしてボク達は陸路でレジデンス領を目指すことにした。




