507 ボクに良い考えがある!
ボクはホームさんやルームさん、大魔女エントラ様とアンさんに邪凱装パンデモニウムを倒す方法を伝えた。
「みんな、ボクの考えが正しければアイツを倒すことができる」
「ユカ様、それは本当ですか!」
「詳しく……聞いている時間は無さそうですわね、手短にお願い致しますわ」
「早くしてよねェ。アイツを足止めするの結構大変なんだからねェ」
ボク達が今、話をできているのは、大魔女エントラ様が魔法で邪凱装パンデモニウムの足止めをしてくれているからだ。
でもそれがいつまで続くかはわからない。
手早く説明して実践しないと、ボク達はあの邪凱装パンデモニウムの猛攻を受けてしまい、全滅だ。
「みんな、時間が無いから方法だけ伝えるよ。アイツを倒す方法……それはアイツに自滅させることなんだ」
「ですがユカ様、あの自己再生能力はその自滅でも瞬時に再生するのではないのですか?」
「魔法を反射させて倒す方法も効かないですわ。それならもう試しましたわ」
ルームさんももう自身の出来る方法を実践していたようだ。
だがその方法ではあの邪凱装パンデモニウムは倒せない。
ボクの示す方法。
ソウイチロウさんのヒントをくれたやり方ならあの再生能力を上回るダメージを瞬時に与えることができる。
「アイツを倒す方法、それは徹底したカウンターを続けることなんだ。つまりボク達が攻撃するのが全員で4回だとして、アイツはそれを上回る再生能力を持っている。でも、アイツの攻撃が四つの腕でそれぞれ3回だと考えると……それを全て跳ね返せば12回の攻撃を相手に跳ね返せるってわけなんだ」
「なるほど、それなら再生能力を上回るダメージも与えられますわ」
「流石ユカ様です。つまり僕達はアイツの攻撃を全て受け流してカウンターすればいいというわけですね」
「ふむ、それではワシは龍の姿では攻撃を避けきれぬのう。この姿で気の流れを受け流しつつ跳ね返せばよいのじゃな」
みんなが受け流し、カウンターでの攻撃方法を考えてくれた。
この方法なら、邪凱装パンデモニウムの攻撃回数が多く、攻撃力が高い方が確実に大ダメージを与えられる。
「みんな、わら……アタシもう限界だからねェ! 後は任せるからねェッ!!」
ボク達が作戦を話している間一人で攻撃をしのぎ続けてくれていた大魔女エントラ様だったが、一人で攻撃を受け続けるにももう限界に達していた。
「承知致しました、お師匠様!」
「後は僕達に任せてくださいっ」
「じゃあ任せたからねェ……」
大魔女エントラ様は自らの身体に転移魔法を使い、その場から少し離れた。
その大魔女エントラ様にエリアさんが疲労回復のスキルを使っている。
これだけ時間稼ぎをしてもらったんだ、ここからはボク達が頑張らないと。
「みんな、いくよっ!」
「了解です!」
「承知致しましたわっ」
「ふむ、ではやるとするかのう」
邪凱装パンデモニウムは四つの武器を鋭く振り回している。
この攻撃をまともに受けたら致命傷確定だ。
だがこれを避けるわけにはいかない。
「来いっ」
「ギャガガガァァァァァツ!」
邪凱装パンデモニウムが四つの武器で多段攻撃を仕掛けてきた。
ボクはその攻撃を遺跡の剣で受け止め、そのまま流れを作って跳ね返す!
ザシュザシュザシュザシュッ!!
「ギャゲゲッゲェエエ!」
カウンターで跳ね返された邪凱装パンデモニウムの武器は自らの胴体を切り裂いた
更にボクのカウンターも腕を深く切り裂いたので、実質5回の攻撃を受けている。
再生能力を上回るダメージ。
やった、あまりのダメージに邪凱装パンデモニウムは再生力が追い付いていない
これなら勝てる!
しかも、状況はボクの思っていた以上に好転している。
どうやら邪凱装パンデモニウムの武器は自らの自滅ダメージを再生できないようだ。




