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491 究極の魔法対決

◆◆◆


 魔将軍ゲートは空間の中で作り上げた多元世界への門からエネルギーを集めた。


「この魔法でお前の全てを消滅させてやる。魂すらも残さん!」

「そうはさせないからねェ! アタシだっていつまでも兄様に負け続けているわけじゃない!」


 魔将軍ゲートがエネルギーを集めたのと同じように、大魔女エントラもエネルギーを異界の門から集めだした。


「このアタシの究極魔法なら、兄様にも勝てる!」

「ほう、独自に俺と同じような魔法を編み出すとはな。だが所詮は付け焼き刃に過ぎん! 本当の極限まで練り上げた魔力の神髄を見せてやろう! これがお前への(はなむけ)だ!」

「アタシ、絶対に負けないからねェ!」


 魔将軍ゲートの極限まで練り上げられた魔力は超特大のエネルギーの塊になりその手の上でいつでもはち切れそうなほど満ち溢れていた。

 だが大魔女エントラも同じように極限まで高めた魔力を杖の上空に満ち滾らせている。


「食らえっ!!」

「兄様こそ! これでアタシは兄様を乗り越えるっ!」


 二人の魔力が同時に放たれた!


「ニュークリア……クェーサー!!」

「コズミック……ノヴァッッ!!」


 魔将軍ゲートの究極魔法、『ニュークリア・クェーサー』

 大魔女エントラの究極魔法『コズミック・ノヴァ』


 『ニュークリア・クェーサー』は原子核の核融合レベルに魔力を練り上げ、超絶な爆発力を生み出す魔法。

 その魔法が発動すれば小国どころか大陸すら吹き飛び、当たり所次第では地殻変動を起こして天変地異からの惑星崩壊すら引き起こすような魔法だ。


 一方の『コズミック・ノヴァ』は惑星の生まれる瞬間の超エネルギーに匹敵する魔力を呼び込み、新たな星を生み出すほどのエネルギーを一気に解き放つ魔法だ。

 こちらもやはり小国どころか大陸すら一瞬で吹き飛ばすほどの魔力故、通常では決して使えない魔法だと言える。


 今この二人は誰もいない空間だからこの魔法をお互いが使ったが、もしこれが今ユカ達のいる南方の地域だとその地域自体が地図から消し飛ぶレベルのものだと言える。


 二人の解き放った超魔力は、お互いの魔法とぶつかり合い、エネルギーとエネルギーがぶつかって激しい音と光と熱量を発している。

 それでも二人共魔力の供給を止めず、エネルギの塊に向かい異界から取り込んだエネルギーを注ぎ続けているのだ。


 二人の魔力対決はほぼ互角だと言える。

 常人には決してたどり着けない究極の領域の魔力対決だ。


「まさか、あのエントラがこれほどまでの魔法を使うとはっ!」

「兄様……これは決してアタシ一人だけの力じゃないのよ。みんながいたからこれだけの力を使えた」

「ふっ、だが所詮は借りものの魔法というわけか。俺の魔法は違う。俺の魔法は自らの力と取り込んだ極限の魔力の発動だ!」

「アタシは兄様に勝って、兄様の考えが間違っていると証明してみせる!」

「その信念があるというなら、俺に競り勝ってみせろ!」


 二人の魔力がさらに膨張する。

 二つのエネルギーの塊はお互いを喰らおうとどちらもが押し合っている状態だ。


 だが、勝負は意外な結末を見せた。


「な、何故だ! 俺の魔力がいきなり……激減した⁉」


 魔将軍ゲートの魔力は自らの力だったため、取り込んでエネルギーに変換していたのに対し、大魔女エントラの魔力は取り込んだ魔力をそのまま自らの身体をバイパスとすることで一気に解き放っていた。

 いうならば魔将軍ゲートの魔力はエネルギーを使った発電の要領だったのに対し、大魔女エントラの魔法は自然エネルギーをそのまま活用したようなものだ。


 魔力変換の限界に達した魔将軍ゲートはキャパシティーオーバーを起こし、それ以上の力を発揮することができなくなってしまったのだ。


「ま、まさか……俺が、エントラに……負けたというのか⁉」


 魔将軍ゲートは大魔女エントラの発動した魔法に飲み込まれたエネルギー全てをその全身で受けてしまった。


 究極の魔法対決は、大魔女エントラの勝利に終わった。

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