表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

458/944

452 戦いの決着

◆◆◆


 海は荒れ、大地は裂け、天は轟く。

 レベル70以上の神話級にも匹敵する魔将軍の対決は遠く離れたユカ達のいる場所にまでその炎や稲妻が見えたほどだ。


「どうした、その程度の力で某を、この魔将軍パンデモニウムに膝をつかせることができると思ったか」

「「アンタ、体力だけはバケモノよね」」


 二人のアビスが同時に言葉を発した。

 その瞬間、魔将軍パンデモニウムの放った剣戟がもう一人のアビスを消し去った。


「油断したようだな。いくら貴様が復活や分身をしようとて、この剛剣の剣圧で吹き飛ばせば意味はない」

「あー、ひっどーい。もう一人のアタシちゃん消えちゃったじゃないの」


 ふくれっ面で怒っているような表情を見せている魔将軍アビスだが、その表情は明らかに作ったもの、つまりは演技である。


「しぶとい貴様とて、剣圧で吹き飛ばせばチリすら残るまい。流石にチリからでも復活できるわけではなかろう」

「まあそうね、でも……オレを本気にさせるとは……テメエ死んだからな!」

「ふん、慣れぬ演技は見ていて気持ちが悪い、その方がまだ対応のしようがあるわ」


 アビスは美少女とは思えないおぞましい表情になっている。


「テメエマジでボコる……ゴミクズのようにズタボロにして踏みにじってやるぜ!!」

「出来るものならやってみろ……」


 魔将軍アビスは手を広げ、熱線を次々に放った。

 だが魔将軍パンデモニウムはその熱線をことごとく剣で弾いている。


「これは熱ではなく光、すなわちこの剣で軌道を変えれば某の体には当たらぬ」

「テメエ、すました顔をしてられるのも今のうちだぜ!!」

「何⁉」


 魔将軍アビスは身体の一部を魔将軍パンデモニウムの後方に飛ばした。


「愚かな、あんな攻撃が当たると思ったか」

「バカはテメエだ!」


 魔将軍アビスの飛ばした体の一部は、その姿を変え、磨かれた鏡のような表面になった。


「死になっ!」

「‼」


 魔将軍アビスの放った光弾は、パンデモニウムをかすめ、後方の磨かれた鏡のような彼女の体の一部に跳ね返った。


「グワァッ!」


 魔将軍アビスの放った光弾は、魔将軍パンデモニウムの頭部に直撃した。

 そしてパンデモニウムの頭が地面に落ちた。


「あーあ、死んじゃった。まあいいか、今度は死んだパンデモニウムちゃんを下僕にすればいいんだから、キャハハハハ」


 魔将軍アビスは頭部の無くなった魔将軍パンデモニウムの胴体を見ていた。

 すると、いきなり頭部の無くなったはずのパンデモニウムの四つの腕は魔将軍アビスの全身を一瞬で切り刻んだ!


「げはっ! 何でなのよ⁉」

「油断大敵、と言ったところだな」


 魔将軍アビスが頭部のない胴体から声を発した。

 いや、鎧の下に隠していた頭部を鎧の上にせり上げたと言った方が正しいだろう。


「な……何でよ、死んだんじゃなかったの?」

「愚かな、地面に落ちている兜をよく見てみろ」


 魔将軍パンデモニウムの落ちたと思われた頭部は、ただの兜だけだった。

 彼はとっさの所で兜から首を引っ込めて魔将軍アビスの光弾の直撃を避けたのである。


「何よ、アンタ魔獣とかいうよりまるでカメね」

「憎まれ口を聞くのは良いが、貴様は今自分の状態をわかっているのか?」

「なッ⁉」


 魔将軍アビスの首が魔将軍パンデモニウムの手に握られている。

 だがそれだけではなく、彼女(?)の一部と思われるピンク色の何かを握っている。


「や、やめろ……それを返せ。いや、返し下さい。何でもしますから」

「ダメだ、貴様が約束を守った事があるか……」

「ヤメて、ヤメロヨォォォ!」

「ぬんっ!」


 魔将軍パンデモニウムがピンク色の何かを握りつぶそうとしたその時、彼の後ろに何者かが姿を現した。

 その人物は魔将軍二人に対し、大きな声で怒鳴った。


「お前達、何をやっている! 今はお前達が争っている時ではないぞ‼」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。

魔族の男がポンコツ女に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ロボアニメネタ始めました。

子供の頃見ていた合体巨大ロボアニメの超絶不人気外道悪役に転生してしまったエンジニアの俺が生き延びる為に!?

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ