表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

457/944

451 魔将軍同士の対決

◆◆◆


 真っ二つに両断されたはずの魔将軍アビスは、ニヤリと不気味に笑っていた。


「あらあら、アンタ紳士じゃないの? 女の子にこんなひどいことするの?」

「黙れバケモノ。この程度で死ぬ貴様ではなかろう」

「あらあら、やはりお見通しだったのね」


 そう言うとアビスは真っ二つに分かれた部分から再生し、二人全く同じ姿に変化して、二人で笑っている。


「「ばあ、どう? 美少女が二人に増えたのよ。キャハハハ」」

「今すぐにその口を閉じろ。右と左から不快な声を放つな」


「「あらあら、美少女が二人って、両手に花っていわないかしら? ねぇっ!」」


 魔将軍アビスが右から氷を、左から炎の魔法を魔将軍パンデモニウムに放った。

 絶大な魔力が鎧を通してパンデモニウムに直撃した。

 普通の魔物、いや、伝説のS級モンスターですら一瞬で倒せるほどの魔力だ。


 だが魔将軍パンデモニウムは、その攻撃に全く動じていなかった。


「貴様こそ、(それがし)をみくびっているのか。この程度の魔法で倒せると思っているのか」


 魔将軍パンデモニウムは無傷だ。

 彼には強力な魔法耐性があるわけでもなければ、瞬時に再生する能力があるわけでもない。

 彼は純粋にHP100000以上の体力を持っているのだ。

 魔将軍アビスの魔法は約10000のダメージだった。

 それが二つ同時に襲ってきたので総ダメージは20000といったところだろう。


 だがその程度のダメージは魔将軍パンデモニウムに致命傷を与えるほどではない。


「「あら、でくの坊は体力だけはあるみたいね。それに獣並みの感覚だから痛みは感じないってわけね、キャハハ!」」

「黙れ、貴様の声は不愉快だ」


 ザシュッ!


 魔将軍パンデモニウムの剛剣が一瞬で二人の魔将軍アビスの首を刎ね飛ばした。

 しばしの沈黙の後、首だけになった魔将軍アビスがけたたましく笑い出した。


「キャハハハハハハハ、ムダだって、ムダだって。アタシちゃんはいくら斬られても復活するんだから、意味のないことに無駄に力を使ってアンタってバカじゃないの?」


 魔将軍アビスの首が空中に浮かびながら魔将軍パンデモニウムを罵倒している。

 魔将軍パンデモニウムがその首を叩き潰そうとした時、もう一つの首が空中に浮きあがり、目から光線を放ってきた。


 カッ!


 激しい光線が魔将軍パンデモニウムの鎧を貫いた。


「ぬうぅ!」


 彼の鎧はアダマンタイトで出来ている。

 生半可な武器や魔法では傷一つつけることは出来ない。

 それこそが、彼が召使の少女に鎧を汚した際に咎めなかった理由でもあると言えよう。


 だが魔将軍アビスの目から放たれた光線はそんなアダマンタイトの鎧に穴を開けた。

 それは彼女の魔力の強さのなせる業である。

 彼女の目から放った光線は数万度にも達する高温だったのも手伝い、頑強なアダマンタイトの鎧に穴を開けたのだ。


「どうやら、手を抜いて勝てる相手ではなさそうだな」

「アンタ、生かして下僕にしてあげようと思ってたけど、もういいわ。死になさい!」


 魔将軍アビスと魔将軍パンデモニウム。

 レベル70オーバーの魔将軍同士が本気で対決した。


 戦いの舞台は牙城ではなく、その上空に場所を移した。

 あまりのハイレベルの戦いに空気が響き、震えた。

 その魔力と闘気のぶつかり合いは、遠く離れた海すら大荒れにするほどのものだった。


 魔将軍パンデモニウムの部下たちは、あまりの戦いの壮絶さに手出しすらできず隠れるだけだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。

魔族の男がポンコツ女に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ロボアニメネタ始めました。

子供の頃見ていた合体巨大ロボアニメの超絶不人気外道悪役に転生してしまったエンジニアの俺が生き延びる為に!?

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ