表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

426/944

420 空から領地を見てみよう

「町に向かうのは良いのですが、どうやって移動するのですか? ひょっとしてあの……ここに飛んできたドラゴンに乗れと……?」

「ご明察の通りじゃ、さあ、急ぐぞい」


 アンさんはリゾート男爵の前で女の子の姿から巨大な紫のドラゴンに姿を変えた。


「あああわわあわわわわ……」


 そりゃあ目の前でいきなり女の子がドラゴンに変わる姿を見たら、普通の人は間違いなく腰を抜かす。


「なんじゃ、そこまで驚くことも無かろうに、さあ、ワシの背中に乗るがよい」


 ボク達は足元のすくんで動けなかったリゾート伯爵をアンさんの背中に乗せ、全員乗りこんだ。


「さあ、急ぐぞ。一時もあれば十分到着するじゃろうて」


 アンさんがボク達を乗せ、空高く舞い上がった。

 風を切って飛ぶアンさんはリゾート男爵の屋敷を背に、あっと言う間に森や街道を飛び越えていった。


「こ……これが父上の愛した我が父の領地だというのですか……」


 リゾート男爵は荒れた土地や枯れはてた枯れ木の森、そして寂れた村などを空から見て驚愕している。


「はい。バスラ伯爵が治めていた土地はどこもこんな感じでした」

「やはりアイツは領主の器ではなかった。父上が急死しなければこんなことにはならなかっただろう……」

「どうやらその一件も公爵派貴族が一枚噛んでいるようだねェ」


 大魔女エントラ様はこの国で起こっていることを大半知っているようだ。


「そうでしたか、しかし今はそれを追求してももうバスラがいないですから。それに証拠を残す連中ではありません。私はこれからのことを考えることにします」

「立派な領主様になれるよ、アンタはねェ」


 アンさんは上空から少し高度を下げ、空を飛び続けた。


「な、何ですか? あれは……?」

「ああ、あれはねェ……」

「ドラゴン様、お願いです、一度あの場所に降りていただけますでしょうか?」

「ふむ、良かろう。少しくらいなら時間はあるからのう」


 アンさんは速度を落とし、花畑を踏み荒らさないようにゆっくりと着地した。

 花畑に降りたボク達は、リゾート男爵をその場に連れて行ってあげた。


「信じられない、ここはバスラの作ったゴミ捨て場だったのでは……」

「おや、アンタはここがどんな場所だったのか知ってたのかねェ」

「は、はい。それは存じております。一度ヤツに見せつけられたことがありましたので。私や父上の愛する土地を踏みにじり、汚物を捨てる場所にしていたのがこの辺りでした。しかし、ゴミがまるで見当たらない。いや、それどころか汚染された雰囲気が何一つ感じられません」

「それはねェ、ここにいる創世神様の力だからねェ」


 大魔女エントラ様がエリアさんのことをリゾート男爵に紹介した。


「素晴らしい花畑です。流石は女神様、私はこれほど素晴らしい花畑を見たことはございませんでした」

「いえ、私だけの力ではありません。ここにいるユカのおかげです」


 エリアさんはボクがこの花畑を作ったことをリゾート男爵に伝えた。


「貴方が噂の救世主様だとは存じておりましたが、まさかこれほどの力をお持ちだとは存じませんでした。ユカ様、私は貴方がたに救われました。いや、私だけではなく、父上の愛したこの領地の人すべてが貴方がたのおかげで救われたのです」


 リゾート男爵はボクとエリアに深々と頭を下げた。


「そんな、ボク達は自分のできることをしただけです」

「そうですか、それでは私も自分のできることをさせていただきます。ここを国一番の美しい観光地にして、来た人誰もが幸せになれるそんな土地にして見せます!」


 リゾート男爵はバスラ伯爵と違い、私欲で動く人物ではなかった。

 ボク達へのお礼をこの場所を美しい観光地にする事で恩返しするといっているのだろう。


「さて、それでは時間が無いのでそろそろ街に向かうかのう」

「はい、アンさんお願いします!」


 ボク達はその日の夕方、スライムの被害を免れた町に到着した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。

魔族の男がポンコツ女に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ロボアニメネタ始めました。

子供の頃見ていた合体巨大ロボアニメの超絶不人気外道悪役に転生してしまったエンジニアの俺が生き延びる為に!?

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ