409 さあパーティーをどう分けようか
ボク達はエリアさんの話を聞き終え、どのように動くかを考えることになった。
今後やるべきことは三つだ。
・創世神であるエリアさん(クーリエ・エイータ様)の封印された半身を探すこと。
・万を超す大軍が押し寄せる南方に向かい、それを食い止めること。
・この辺りを支配しているバスラ伯爵とその残党を倒し、この土地を悪徳貴族から解放すること。
これらの三つのことをしなくてはいけない。
その中でも順番をつけるとすると、最優先は万を超す魔族の大軍を食い止めることだ。
これはどう考えても人を集めてやらなくてはいけないことだ。
『ユカ、とにかく時間があまりないぞ。できるだけ早く動かなくては!』
『そうですね、早くみんながそれぞれのできることをして仲間を集めないと』
『なんだかパーティーを分けるというと、ドラゴンズ・スターⅥでの複数パーティー編成シナリオみたいだな』
『? ソウイチロウさん、それは一体?』
『あ、こっちのことだ、たまに私の経験話が出てしまうが気にしないでくれ』
まあリーダー経験者のソウイチロウさんの指示に従えば、問題はないと思う。
『ソウイチロウさん、それではパーティー編成はどうわければいいと思いますか?』
『まあみんなの自主性に任せていいかと、後は移動ルート的なものや、各自の人間関係に任せて最終的に万を超える魔族の大軍と向かい合えるだけの仲間の確保ができればいいだろうな』
流石はリーダー経験者。
この作戦でボクが伝えることになるのか。
「みんな、ボクはこの後パーティーをいくつかに分けようと思うんだ。何か意見が有ったら言って欲しい」
「ユカ様、私はお父様の所に行ってレジデンス領の兵士達をお借りできるように言っていますわ」
「僕は領主代行のフランベルジュ領の有志を集めて南方に向かえるようにします」
「オレはリバテアに戻ってみんなが動けるように船の調達だな」
「あーしは商会のみんなに頼んで、物資の補給とカイリのために船の調達のサポートをするねぇ」
海路を確保するためにリバテアに向かうパーティーが、ホームさん、ルームさん、マイルさんとカイリさんということになった。
「俺はフワフワ族の協力を得るために南方に向かいたい、ドラゴンの神様、もしよければ乗せてもらえないだろうか」
「フロア坊、良かろう。その前にこの地のバスラ伯爵とやらを退治してからでいいならじゃが」
「わかった、俺も一緒に戦おう」
「妾もこちらのパーティーに参加するかねェ。創世神であるエリアちゃんの半身を探さないといけないからねェ」
「「ワォーン!」」
「ユカさん、どうやらシートとシーツの二匹もエリア様について行きたいとの言っているようです」
バスラ領に残るのはボク、エリアさん、フロアさん、アンさん、大魔女エントラ様、それにシートとシーツの二匹になった。
「決まりだねェ。ではそろそろ準備しようかねェ」
『ユカ、一度マップチェンジでワープ床を作ってくれ』
『ソウイチロウさん、どういうことですか?』
『旅の手順のショートカットだ。ここに移動用のワープ床を作れば一度冒険者ギルドの町に行ける。そこからならフランベルジュ領もゴーティ伯爵の城もリバテアもミクニもどこにでも移動可能ってわけだ』
なるほど、ボクは今になってなぜソウイチロウさんがあの最初の街にワープ床をいくつも作っていたのかを理解できた。
「ボクのスキルで目の前の土地をワープ床にチェンジ!」
「なるほどねェ。確かにコレを使えば旅をせずにすぐに移動できるからねェ。流石だねェ」
大魔女エントラ様がボクを見てニヤリと笑っていた。
「ではユカ様、僕達はそろそろ行きます」
「うん、みんな、またリバテアの街で会おうね!」
そしてホームさんがサブリーダーになったパーティーはワープ床で冒険者ギルドの町に向かった。




