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401 時渡りの神殿

 落ちた橋をマップチェンジスキルで作ることで、ボク達は時渡りの神殿に辿り着いた。


「ふむ、どうやら結界はこの一か所だけが出入り口のようじゃのう。これではワシでもこの場に飛んでくるのは難しいわい」


 アンさんが時渡りの神殿の入り口を見て何か感じているようだった。

 ボク達は神殿の門をくぐり、中に入った。

 中はシーンとしていて、何もモンスターはいないようだった。


「アイツらを捕らえろ! 伯爵様のご命令だ!!」

「ユカ様、何か後ろの方から追いかけてきたみたいですわ!」


 ボクの作った橋を渡り、大量の兵士達が押し寄せてきた。

 橋いっぱいに何十何百といった武装した兵士が横並びに列をなしてボク達の方に向かってくる。

 ボク達は一度神殿の外に戻り、兵士達と戦うことになった。


 でも流石にあの数を一気に相手にするのは無理がある。

 こうなったら一度……橋を落とした方が良さそうだ。


「ボクの目の前の橋を海にチェンジ!」


 ボクはアンさんに貰った魔力を使い、マップチェンジスキルで時渡りの神殿につながる橋を海に変えた。


「うわああああー! 落ちるぅー!」

「助けてくれ、オレは泳げないんだ!!」

「こんなことをするなんて、人間じゃない、悪魔だ!!」


 あれだけ住民を虐げて苦しめていたバスラ伯爵の手下達は、自分達が攻撃される側になった途端にボクを卑怯者呼ばわりしている。

 だがそんな恨みの声はすぐに激しい潮の流れに飲み込まれ、数百近くいた伯爵の私兵は全員が海の藻屑に消えた。


「愚か者共が、他者を虐げる者は自らにもいつか戻ってくる、それが因果応報じゃ」


 アンさんの言っている言葉の意味はイマイチよくわからなかったが、悪いことをしたらその分悪いことが返ってくると考えればいいのだろうか。


 後ろからの追手を全て倒したボク達は改めて時渡りの神殿の中に入った。

 神殿の中は静まり返っていて、奥に行くと水の張られた綺麗な大広間に出た。


「綺麗な場所ですわ」

「そうだね、この水で時渡りができるのかな」

「ふむ、この水はただの水ではないようじゃな、強い魔力を感じるわい」

「そうですわね、でも飲める水ではなさそうですわ」


 どうやらみんなの話では、ここが時渡りのできる場所のようだ。

 でもどうやったら時渡りができるのだろうか……?


「ユカ坊、心に強く念じてみるのじゃ。そうすれば己が何をするかが見えるじゃろうて」


 アンさんのアドバイスに従い、ボクは精神を集中した。

 すると、目の前の水が光り輝き出した。


「これは!」

「凄いですわ、これは途方もない魔力を感じますわ!!」


 ボクの目の前の水が光り輝き、虹色に変わった。


「さあ、ユカ坊。その水の中に足を踏み入れてみるのじゃ」

「は、はい。わかりましたっ!!」


 ボクはアンさんの言った通り、虹色に光る水に足を踏み込んだ。

 すると、水に足を踏み入れた途端ボクはあっという間に水の中に飲み込まれてしまった。


「うわぁあぁああーっ!!!」

「ユカ様!!!」

「ユカッ!!!」


 みんなの声が聞こえる、でもボクはだんだん意識が遠くなり、そして気を失ってしまった。


「ユカ様が、消えてしまいました」

「本当にこれで大丈夫なのぉ?」

「まあ、信じて待つしかないのう。後は本人の精神力や魔力、運次第じゃ」


 気を失う前に、ボクにはみんなの声が聞こえた。

 みんな素晴らしい仲間だ。

 ボクは何が何でも本当の力を取り返さないと、そのためにはバンジョウソウイチロウさんに会わなくてはいけないんだ。


 そして意識を取り戻したボクは目の前で強大な怪物と戦うみんなの前に辿り着いた。

 あの赤い怪物、あれはボクが最初に見た怪物だ。


 そしてボクはもう一人のボク、ソウイチロウさんが赤い怪物と戦っている間に別の場所から姿を現したもう一人の存在に気が付いた。


 あれが元凶なのか!

 アイツを倒さないとボクは先に進めないんだ!

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