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395 復活の魂喰らい(ソウルイーター)

 邪神テスカトリポカはなぜか白い獣オソイの攻撃で苦しんでいた。

 だが、オソイの爪で切り裂かれた時は全然平気な態度だった。


 これは何かがあるらしい。


「貴様、我を穢しおったな! 決して許さんぞ」

「神を名乗る蛇ごとき、わたしの敵ではない」


 オソイは口を開き、鋭き牙を見せた。

 邪神はなぜかその牙を恐れているようだった。


「貴様、魂すらも消し去ってやるわ」

「蛇ごときに砕かれるわたしではない、貴様こそわたしの牙で砕かれるがいい!」

「グオオオオ! 殺す!」


 邪神と白い獣が戦っている。

 そして白い獣の牙で噛みつかれるごとに、邪神は苦しんでいた。


「何故だ、死すらをも操る我が何故、貴様の牙ごとき……」

「わたしの牙は魂すらをも砕く、わたしに噛み砕かれた者は二度と傷を癒せぬのだ」

「貴様……その攻撃を止めろ! 止めろ!!」


 邪神に初めて怯えが見えたようだった。

 白い獣の牙は魂すらをも砕く。

 その様子を見ていたホームさんが何かを感じたようだった。


「ルーム、今から少し危険な賭けに出る。力を貸してくれるか?」

「お兄様、もちろんですわ。それで、何をすればいいのですか」

「ルーム、お前は闇の魔法も使えるよな」

「はい、お師匠様のおかげで魔法は全属性可能ですわ」

「僕の剣に闇の力を付加してくれないか」

「!? それって……せっかくの聖剣を穢すことではないのですか?」


 どうやらホームさんは、ルームさんに頼んで剣に闇の属性を付けようとしているようだ。

 だが、その付加に何の意味があるのかはボクには分からなかった。


「時間が無いんだ! ルーム、頼む」

「承知致しましたわ……ダーク……エンチャント!」


 ホームさんの持つ白い聖剣がたちまち真っ黒に染まっていく、そしてその剣は不気味な唸り声を上げていた。


「魔剣魂喰らい(ソウルイーター)。魂すらをも砕く魔剣よ、僕の刃となれ!」


 ホームさんは真っ黒に染まった魔剣を持つと、邪神に向かって斬りかかった。


「無駄だ無駄だ、我に普通の剣は通用せぬ、何度でも甦り貴様らを喰らい尽くしてやるわ!」

「うわああっー!!」


 ズバッッ!!!


 ホームさんが漆黒の魔剣で邪神の頭部の頭蓋骨を斬り裂いた。


「な、何故だ!? 何故我の姿を斬ることができる!?」

「これは元々魔剣魂喰らい(ソウルイーター)、相手の魂すらをも砕き、喰らう剣だ!」

「魂すら……ヒイイイイィィィィ―!!!」


 邪神が途端にうろたえだした。

 どうやら邪神の弱点は肉体的なダメージではなく、MPそのものを奪う攻撃だったようだ。

 その証拠に、今まで何度でも復活していた邪神の身体が再生できなくなっている。

 つまり、白い獣オソイの牙や、魔剣魂喰らいは、相手のMPを奪う攻撃ができる攻撃方法だったというわけだ。


「なるほど、不死身のカラクリはそういうことだったのじゃな。正体がバレては何ら大した事の無いモノじゃ。幽霊の……正体見たり、枯れ尾花といったところか」


 アンさんも攻撃方法を変更したようだ。

 アンさんは黒雲を呼び寄せ、その霧で相手を包み込んだ。


「この黒雲は相手にまとわりつき、その精神力を奪うのじゃ。本来は侵入者を追い払うための技なのじゃがな」

「ガアアアアー、苦しい、止めろ! 今すぐ止めろぉー!!」


 邪神はたちまち弱り出した。

 再生もできず、MPを奪われる攻撃を繰り広げられた邪神はたちまちやせ細り、蛇を構築していた部分は砕けて風化した。


「魔力勝負なら(わたくし)も負けませんわよ、喰らいなさい、エナジーブレイカー!」

「グギャアアアア―ッッ!!」


 ルームさんの魔法は黒い魔力の塊になり、邪神の残った髑髏を包み込んだ。


「ガ……ワレ……ガ、ショウ……メツ……スルノ………カ」


 それが邪神テスカトリポカの最後の言葉だった。

 黒い魔力の塊が消滅した時、その場には巨大髑髏が砕け、それを構成していた人骨が散乱した。

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