表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

385/944

379 関所を突破する!

 バスラ伯爵領の関所は、物々しい場所だった。

 大きな門はどれだけ巨大な馬車や牛車、下手をすれば小型のドラゴンですら通れるくらいのサイズだった。


 その前には大勢の兵士達が立っている。

 ボク達は正面から関所に向かって歩いた。


「待て、ここは決して誰も通してはならぬ場所! すぐに帰れ! 」

「僕は『ホーム・フォッシーナ・レジデンス』です。僕はゴーティ伯爵の出した許可証を持っています。ここにいる全員分がここにあります。これは帝国内ではどこにも行ける許可証、ぜひとも確認してください」


 ホームさんがゴーティ伯爵様の発行した通行許可証を兵士に手渡した。

 通行許可証を一瞥した兵士は、その場で許可証の紙をおもむろに破り出した。


「な、何をするだぁー!?」


 ホームさんがあまりの出来事にろれつが回っていなかった。


「このようなモノ、このバスラ伯爵領では何の意味も無い。すぐに立ち去れ! さもなくば牢屋にぶち込むぞ!」


 バスラ伯爵領の兵士達は、偉そうな態度だった。

 公爵派貴族の兵士は全員このような態度なのだろうか。


「気に入らないねぇ! そんなにアンタら偉いのかい?」

「オレたちはバスラ伯爵様の兵士、バスラ伯爵様こそがこの場所では一番偉いのだ!」


 何とも意味の無い歪んだ自信で兵士達は威張り腐っている。


「何だその目は、生意気な奴らめ!!」


 兵士がいきなり槍を突き付けてきた。

 それも手加減も寸止めも無しだ。

 確実にボク達を殺そうとしていた。


 だが、この程度のレベルの兵士、今のボクでも足手まといにならずに倒せるくらいだ。

 ボクは手に持っていた剣を振るった。

 無駄に頑丈な鋼鉄の鎧を着た兵士が数人一気に吹っ飛んだ。


「な、何だコイツらは!!」

「強すぎる!! コイツら……まさか」


 兵士達が何かの紙を持ってきた。

 どうやら犯罪者の似顔絵一覧のようだ。

 だがそこに描かれていたのは、ボク達の顔だった。


「ま、間違いない! コイツら……救世主ユカとその一味だ!!!」

「マジかよ!! 勝てるわけがねぇっ……逃げろー!!」


 鎧を着た兵士達が全員一目散に逃げだした。


「キサマラ! 敵前逃亡は死刑だぞ!!」

「しらねえよ! あんな奴らにケンカを売ったらこっちが殺される!!!」


 そして関所には指揮官らしき男が一人だけ残った。


「キ……キサマら!! オレに手を出してみろ、伯爵領との戦争になるぞ!!」


 指揮官はそう言いながら半狂乱で剣をやたら滅多に振り回してきた。

 だがその腕はハッキリ言って下も下だった。


 空振りの剣が手からすっぽ抜けた指揮官はその場に尻もちをついてしまった。

 ボクは剣を突き付け、少し脅してみた


「ここを通してもらう!」

「は、はひ、どどど、どうぞお通り下さい」


 指揮官は恐怖のあまり、その場に小便を漏らしてしまった。


 ボク達はそんな奴は無視してそのまま関所を通った。

 関所を抜けたすぐから、辺りに嫌な臭いが漂っていた。


「うげっ! なんなのよぉ! この臭いは」

「臭い、臭くてたまりませんわ」

「これは、ヘクタール領の死体置き場と同じ臭いだ……」


 全員が嫌な臭いに鼻をつまんだり気分が悪くなっているようだった。


「仕方ないのう、風よ吹け」

「あ、ありがとうございます」


 アンさんのおかげでボク達は周りの空気を清風に変えてもらい、どうにかそのまま歩き続ける事ができた。


 そしてしばらく歩くと、そこは小さな町だった。


 町の中では男の人と女の人が鞭で打たれていた。


「キサマ、笑ったな! 笑うことは禁止だといったはずだ!!」

「そんなぁあ!! 助けてください!!」

「そこの立て札に、笑うことは禁止だと書かれていたはずだ!!! それを破るとはバスラ伯爵への反逆とみなす!!」


 どうやらこの町も公爵派のせいで弱い人達が虐げられているようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。

魔族の男がポンコツ女に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ロボアニメネタ始めました。

子供の頃見ていた合体巨大ロボアニメの超絶不人気外道悪役に転生してしまったエンジニアの俺が生き延びる為に!?

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ