表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

375/944

369 ボク達が起こした奇跡

 ボクの身体に凄い魔力が流れ込んできた。

 もしその力を使わなければ体の中で暴発した魔力が爆発しそうなほどのエネルギーだ。


 ボクはその魔力を右手で受け取り、左手から放出した。


 凄まじい魔力が辺り一面に放射される。

 ボクのマップチェンジスキルは本来の力を遥かに上回るスキルの効果になった。


 マップチェンジで海をせき止めるように巨大な壁が海岸にせり上がった。

 だがその壁は巨大な津波にどんどん砕かれていく。

 この程度ではダメだ。


「ボクの魔力の全てで海に津波をせき止める巨大な壁を作ってくれ!」


 ボクはマップチェンジスキルで作られた壁を砕かれても砕かれても何層も作り続けた。


 しかし自然の脅威はボクのスキルで抑えきれない。

 ボクはスキルで壁を作り続けた。

 津波は次々と押し寄せ、その巨大な水の塊はどんどんと巨大な土壁を破壊していく。


 それでもボクは負けずにスキルで壁を作り続けた。


「うおおおおおー!」

「ユカ様! 私の魔力、全て使ってくださいませ!」

「ワシの魔力もありったけ持って行くがよいわ!」


 ルームさんとアンさんのおかげでボクは魔力を失うことなくスキルを使い続けている。


 それでも津波はどんどん街に押し迫っていた。

 ボクが作った壁がどんどん砕かれていく。

 だがボクのやったことは無駄ではなかった。


 津波はせき止められるたびにどんどん威力を失い、街に押し寄せていた津波が落ち着いていく。

 だがこちらの魔力量も限界だ。

 あと一枚……土壁を破壊されたら今までくい止めた津波が街を飲み込む。

 これ以上壁を作れるだけの範囲は無い。


 この壁が最後の壁だ。

 頼む、みんなの願いを背中に受けているボクが負けるわけにはいかないんだ。


 どうにか津波は抑えられそうになってきた。

 やった、ボクは少し安堵感を感じた。


 だが、その油断がボクのスキルにほころびを作ってしまった。


 少し気の抜けたタイミングで、ボクの作った土壁にヒビが入ってしまった。

 ヒビはどんどん大きくなり、津波のエネルギーが壁を砕いていく。


 この最後の壁が壊れたら、今まで喰い止められた水の力がこの高台すら飲み込んで全員一巻の終わりだ。


 辺りに悲壮感が立ち込めていた。


「ユカ様! 私にお任せ下さいませ!!」


 ルームさんがボクの手を離し、津波の押し寄せる壁の方に杖を向けた。

 手を離されたことでボクの魔力は一瞬で枯渇し、これ以上の壁は作れなかった。


「イオリ様! 私をあそこまで吹き飛ばしてくださいませ!」

「無茶をする奴じゃのう。そんなとこまでえんとらに似てきたわい」

「お願い致しますわ!」

「よかろう! 突風よここに在れ!」


 アンさんがルームさんを巨大な風で吹き飛ばした。


「これで……ユカ様のやったことは無駄にさせませんわ! アブソリュート……ゼロ・テンパルチャァアアーーー!!」


 津波の正面に出たルームさんは、究極の氷魔法を放った。

 丁度ボクの作った最後の土壁が破壊され、波が押し寄せようとしたタイミングで、ルームさんの絶対零度魔法が炸裂した。


 押し寄せる津波はヒビの中で完全に凍り付いた。

 巨大な波はその形のまま、巨大な氷山のような氷の塊になり、そのまま動かなくなった。


「やった……私やりましたわ!!」

「うむ、見事な魔法じゃった」


 周りの人達が歓喜の声を上げていた。

 ボク達全員が街の人達に感謝された。


 これだけの大災害にもかかわらず、死者は誰一人出なかった。

 これはボク達が起こした奇跡と言える物だった。


 凍り付いた津波はもう動かない。

 そしてボクが作った土壁はヒビが全部に入りその場に砕け散った。

 だが凍り付いた津波は土壁と混ざり、その場に崩れ落ち、大波として街に押し寄せることは無かった。


 ボク達はついに全員の力で災害を乗り切ったのだ。

 疲れたボク達はその場に座り込んでしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。

魔族の男がポンコツ女に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ロボアニメネタ始めました。

子供の頃見ていた合体巨大ロボアニメの超絶不人気外道悪役に転生してしまったエンジニアの俺が生き延びる為に!?

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ