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366 災害を上回るスキル

今日で毎日書き始めて半年になりました。

これからも頑張ります

 ボクの作った橋は数十人が通っても問題の無い道だった。


「さあ、皆さん。あの高台のレストラン跡まで走ってください!」


 工事をしていた人達は全員が逃げ出す事ができた。

 不幸中の幸いだったのはまだ高い建物を建てる前だったので、上からの転落での負傷者や死人が出なかったことかもしれない。


 バレーナ男爵は高台の方に避難し、再結成された自警団に逃げ遅れた人がいないか救援の指示を出していた。


「うーむ、これは困ったことになりそうじゃのう」

「アンさん、困ったこととは?」

「まあホーム坊とルーム嬢の動き次第かのう」


 アンさんは震災から非難する人達を遠目に眺めていた。


「どうやらワシも準備しておかねばならんのう」


 アンさんが何かをしようとしているようだった。


「ボクも逃げ遅れた人がいないか、助けに行きます」

「ユカさん、俺も行くぞ」

「フロアさん、ありがとうございますっ」


 ボク達は逃げようとする人たちの群れをかき分け、住民の人達の向かう方向の反対に走った。


「おかーさん、おかあさーん」


 女の子が泣いている。


「おい、どうした?」

「お母さんが家の下から動けないの、助けて」


 ボクが見ると潰れた家の下に女の人が見えた。


「か、母ちゃんはもう駄目だから……せめてあんただけでも逃げて生き延びて」

「いやだーお母さんと一緒にいるー」


 フロアさんが胸の虹色のペンダントを握った。


「我が呼びかけに応えよ! 白き獣オソイ!」


 ペンダントから白い巨大な獣が姿を現した。


「我が主よ、何用か」

「お前の力であの瓦礫をはねのけて欲しい」

「容易いことだ、少し待っていてくれ」


 オソイはフロアさんの呼びかけに応え、その命令に従った。


「シャシャシャァーッ!!」


 オソイの鋭い爪と巨大な体が瓦礫を吹き飛ばした。

 そして下にいた女の人の姿が見えた。


「おかーさん! おかーさぁーん!!」

「あんた、あんたぁー」


 親子が泣きながら抱き合っていた。


「ありがとうございます、本当にありがとうございます」

「ここは危険だ、高台に向かってみんな避難している。そちらへ向かえ」

「はい、このお礼は一生忘れません」


 親子は手を繋いで足を引きずりながら避難した。


「我が主よ、他にも逃げ遅れた者がいるか……我が鼻で探り当ててやろう」

「白き獣オソイよ、感謝する!」

「なに、我は主の命に従うだけだ」


 オソイはその獣の鼻を使い、逃げ遅れて生き埋めになった人を次々と掘り当てていった。


 掘り起こされた人達は自警団の人に助けられ、それぞれが避難していった。


◆◆◆


「ダメです、ここは瓦礫が塞いでいて先に進めません」

「皆さん下がっていてください、ここは僕が切り開きます! レジデンス流剣技、一閃斬!」


 僕の剣が白く光り、瓦礫を粉々に砕いた。


「ありがとうございます、ですが……あの炎が邪魔をしてこの道はやはり通れないようです。別の道を探しましょう」

「そんな時間はありませんわ! あの程度の炎、私の魔法で吹き飛ばして差し上げますわ。エアリアルバースト!」


 ルームの風魔法は凄まじい突風となり、炎の中に一本の大きな道を作った。


「さあ、今のうちにここを行きますわよ!」

「凄い魔法だ……自警団、救援活動にかかれ!」

「了解です!!」


 お師匠様に鍛えてもらった僕達の力は、戦うだけの力ではなく、人々を守る力になっている。

 この力のおかげで僕達は次々と逃げ遅れた人達を救出する事ができた。


「さあ、逃げ遅れた人をさがすんだ!」


 僕が倒壊した建物や瓦礫を破壊し、ルームが火を吹き飛ばす。

 そして炎や瓦礫といった障害の無くなった場所から自警団が救援活動に取り掛かる。


 この連携で僕達は一人の犠牲者も出さずに先に進んだ。


 だが、そんな僕達の前に巨大な竜巻が現れた。


「こ……これは!」

「お兄様、私があの程度氷の魔法で吹き飛ばして見せますわ!!」

「ダメだ! ルーム……周りに大勢の人がいる!!」

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