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336 明かされた真実

◆◇◆


 それがボク達の見た真実だった。


「ボンバヘ様は……やはり臆病者なんかじゃなかった! モッサールの戦士は勇敢だった」

「ボンバヘ様、裏切り者……違った」


 フロアさんは嬉し涙を流し、サラサさんは悲しい涙を流していた。


「ふむ、あの黒蜥蜴、相当悪辣なことをしておったようじゃのう……」


 いつの間にか少女の姿に変わっていたアンさんは、袋に入れた邪神竜の骨に蹴りを入れていた。

 それ以上蹴ると壊れてしまうのでボクはアンさんを止めた。


「みんな、族長様これ伝える。ボンバヘ様、弱虫臆病者違った」


 サラサさんが大事そうに時見の珠を袋にしまった。

 どうやらフロアさんだけではなくサラサさんもこの珠を持つ資格があるのだろう。


「では、ワシが全員を乗せてやろうかのう」


 そう言うとアンさんは再び巨大なドラゴンの姿に変化した。


「さあ、全員乗るがよい、ワシがふわふわ族の村まで連れて行ってやろう」


 アンさんはボク達全員を背中に乗せ、あっという間にフワフワ族の集落に戻った。

 辺りはすっかり日が落ちていた。



「おお、サラサ。帰ったか」

「長、我……時見の珠真実知った。みな集めてくれ」

「わかった、集落の者全て集めよう」


 そして集落にいた百人少しが全員族長の家の前に集まった。


「みなの者、今よりサラサ、時見の珠使う、そして真実を知ることになる」

「「「オオオオー」」」


 フワフワ族の集落の人達がみんな歓声を上げていた。

 そして、時見の珠にフロアさんとサラサさんの二人が触れると、夜の暗さの中でまぶしい光が時見の珠から放たれた。

 時見の珠は、白い土壁にボク達の見たボンバヘ様とフンワリ様の邪神竜に弄ばれた悲しい事実を映し出した。


「コレは……何ということだ。ボンバヘ様、一人で邪神に弓を引いた」

「邪神、ボンバヘ様を呪った……」

「フンワリ様……まさか儂の爺さんが裏切り者を殺しに行って帰らなかったのは、事実を知り新たな村に住んだのか」

「フワフワとモッサール、元々同じ血だった」


 フワフワ族の人達が、時見の珠のボンバヘ様の過去を見てある人は泣き、ある人は猛っていた。

 そしてフワフワ族の族長様がフロアさんに深く頭を下げた。


「モッサールの者よ、儂は一族の長として今までの非礼を詫びる。ボンバヘは勇敢なる者だった。その子孫であるそなたも勇敢なる者だ」

「長、フロア達……邪神倒した」


 フワフワ族の人達がボク達が邪神竜を倒したことを知り、とても驚いていた。


「まさか! 本当に邪神を倒したのか?」

「本当じゃ、その袋の中に入っているのがヤツの躯じゃよ」


 アンさんが袋の中身をおもむろに取り出した。

 袋からは邪神竜の骨や角、鱗が出てきた。


「間違いない! この鱗伝承の邪神のもの。フロア達、伝説の救い主!」

「「「ウワアアアー!!!」」」


 フワフワ族の人達は全員が喜んでいた。

 長年苦しめられた邪神竜をボク達が倒したからだ。


「みなの者、宴じゃ! 盛大に宴を開くのじゃ!!」


 そしてフワフワ族の人達が全員でお祭りを始めた。

 ボク達の前には豪華な料理が次々に用意された。

 その中にはあの謎の料理、ガガモッチャしたプハのトトハペもあった。


 結局あの料理は何だったのだろうか?


 ボク達はその後も夜遅くまで邪神竜を倒したことをフワフワ族の人たちに次々と聞かれた。

 ボクがヘトヘトになって寝る事が出来たのは夜遅くになってからだった。


 次の日、ボクは身体が痛くて動けなかった。

 どうやら急激なレベルアップでレベルアップ痛が起きているらしい。

 ボク以外もアンさんやホームさん、ルームさん以外は全員が病人のような状態で、丸三日はまともに動けなかった。


 そしてようやく動けるようになったボク達は、族長様に呼ばれた。


「救い主ユカ、そなたのこと、不思議な夢見た。時見の珠使う」


 でもボクは珠に触れると弾き飛ばされる。


「サラサの体に触れろ、そうすれば珠、お前の過去見れる」

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