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330 絶対究極魔法の敗北

 邪神竜ザッハークに吹っ飛ばされたボクは壁を突き破り、神殿の祭壇の奥に吹き飛ばされた。


「いててて……」


 ボクがレベルアップしていたのでどうにか致命傷は免れたが、全身に凄まじい痛みが襲ってきた。

 どうやらあばら骨が折れてしまったようだ。

 それでも今身に着けている鎧と銀狼王のマントのおかげで、即死は免れることができた。


 だがボクは全身に強烈な打撃を受けてなかなか立ち上がれない。

 邪神竜ザッハークの一撃はそれほど強烈だった。

 それでも戦っている他のみんなの足を引っ張りたくない。

 

 ボクはそう思いエクスクサーチを杖代わりにしてどうにか立ち上がった。

 そんな僕の目の前に、光る魔法陣が見えた。

 どうやらここは元々邪神の神殿だったわけではなく、邪神竜ザッハークに奪われた場所のようだ。


 ボクは光る魔法陣の上に乗った。

 すると、ボクの全身から嘘のように痛みが消えた。


「コレは……癒しの魔法陣なのか?」


 ボクが足を踏み入れたのはどうやら光の魔法で作られた魔法陣だったようだ。

 この魔法陣のおかげで、ボクは全身の痛みが治った。


「みんなの所に戻らないと!」


 ボクはエクスキサーチを握り、祭壇の下の大広間の邪神竜ザッハークと他のみんなが戦っている場所に走った。


「「「グワッハッハハハ……一人は吹っ飛んだようだな、弱い羽虫だったわ!」」」

「そんなことありませんわ、ユカ様は戻ってきますわ!」

「「「フン、戻ってきたところで余に(なぶ)り殺されるだけよ」」」


 邪神竜ザッハークとルームさんが戦っていた。


(わたくし)がユカ様の力になりますわ! さあ、(わたくし)の究極魔法を受けてくださいませ!」


 ルームさんが杖を高く掲げた。

 そしてその杖から絶大な魔力を解き放った。


「アブソリュートゼロ……テンパルチャァー!!」


 邪神竜ザッハークを猛烈な吹雪が包み込んだ。


「「「ほう、面白い技を使うわ」」」


 邪神竜ザッハークが凍り付いた。

 そしてルームさんは次に炎の魔法を放った。


「プロミネンス……ノヴァッ!」


 凍り付いた邪神竜ザッハークを灼熱の火柱が包み込む。

 そして再度杖を振るったルームさんは究極レベルの雷を集めた。


「絶対究極魔法……トライィ……ディザスタァアアアアーッッ!!」


 邪神竜ザッハークを氷、炎、雷の究極魔法が貫いた。

 ……はずだった。だが、強烈な雷がおさまった時、そこには全く無傷の邪神竜ザッハークの姿があった。


「「「グワッハッハッハ、なかなか面白い見世物だったぞ。だが、余には吹雪も炎も雷もすべて無意味だ……」」」

「な……何ということですの!? (わたくし)の絶対究極魔法が、全く効かないなんて」


 ルームさんが憔悴していた。

 渾身の魔法が……一切効果が無かったのだ。


「「「グワッハッハハ、いいぞ、その表情……その絶望を余に与えよ。その絶望の感情こそが余への最高の貢ぎ物だ」」」


 ルームさんはその場にへたり込んでしまった。

 そんなルームさんに邪神竜ザッハークの三つの首が襲いかかった。


「ガオオオーン!!」

「グォオオオーッ!!」

「「「何!? キサマ!!」」」


 大ピンチのルームさんを助けたのは、シートとシーツの双子の狼だった。

 二匹(ふたり)は協力して、邪神竜ザッハークの首を爪で斬り裂いた。


「「「獣ふぜいが、邪神である余に傷をつけるとは……許さんぞ!」」」


 邪神竜ザッハークが首からどす黒い血を流している。

 双子の狼はそんなザッハークを下から睨みつけていた。


「「「死ね、余に逆らったことを悔やみながら死ね!」」」


 邪神竜ザッハークは三つの首で双子の狼に襲いかかった。

 しかしシートとシーツの二匹は兄妹ならではの息の合ったコンビネーションでその攻撃を避け続けた。


 邪神竜ザッハークの猛攻を避けた二匹(ふたり)は、お互いが目を合わせ、シートがシーツの足をくわえ、空中に放り投げた。


「「「ぬ? 何をするつもりだ!?」」」


 そしてシートはシーツを放り投げた後、自らも助走をつけて高くジャンプした。

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